カテゴリ:歌舞伎・文楽( 64 )

七月大歌舞伎 in 松竹座

 梅雨明け直後の暑すぎる週末。夏の風物詩、七月大歌舞伎の夜の部へ行って参りました。今回の公演は松嶋屋さん三昧であります。以下簡単に感想メモをば。

一、菅原伝授手習鑑  車 引

      藤原時平公  我 當
      舎人桜 丸  孝太郎
      舎人杉王丸  巳之助
      舎人梅王丸  愛之助
      舎人松王丸  進之介


 配役をちゃんとチェックしていかなかったので、松王丸が出てきたとき、「あのいかつい顔の役者さんは誰?」と思ったら進之介さんやった・・・。

二、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
  相の山 宿屋 追駆け 地蔵前 二見ヶ浦 油屋 奥庭

      福岡貢  仁左衛門
      油屋お紺  時 蔵
      料理人喜助  三津五郎
      奴林平  愛之助
      油屋お岸  梅 枝
      仲居千野  吉 弥
  徳島岩次実は藍玉屋北六  亀 蔵
  藍玉屋北六実は徳島岩次  秀 調
      油屋お鹿  彌十郎
      今田万次郎/仲居万野  秀太郎
      藤浪左膳  我 當


 初見の舞台。夏の伊勢が舞台で季節感たっぷり。かと思いきや、奥庭の段での血まみれで凄惨な芝居が怖かった~~。歌舞伎で殺陣のシーンがあっても血糊べったりの生々しさはあまりないような気がするんだけどなぁ(勉強不足やったらすんません)。それまでどこかのんびり楽しい駆け引きを見ていたので余計にぎょっとしてしまったのかも。

 仁左衛門さんは相変わらずかっこよく(そして怖く)、愛之助さんもかわいらしくだったのだけれど、一番ツボやったんが秀太郎さん。優男万次郎といじわる~な仲居万野のギャップが、いや~さすがです、てな感じでありました。

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 この日は花道のホン横の席。花道をはけていく役者さんたちがこちらへ向かって歩いてくるような贅沢な錯覚を味わいながら、満喫いたしました。
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by tigersandcatlover | 2011-07-11 21:10 | 歌舞伎・文楽

明治座 五月花形歌舞伎

 例によってちんたら日記書いてたら観劇日記がどんどん溜まってきました。全くどんな享楽的な生活してんねん?!と我ながら呆れつつ。

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 昨年南座で海老蔵さんの狐忠信を観たとき(リンクはそのときの日記)に、まず思ったのが「この役は亀治郎さんで観たいよなぁ」だった。でもかといって、なかなかその演目で関西に来てくれるとは限らない。と心の中で言い訳しながら東京は浜町にある明治座へ、その亀治郎さんの狐忠信目当てで行って参りました。なんでも明治座で歌舞伎が上演されるのは十六年ぶりらしい。

一、義経千本桜
  川連法眼館

   佐藤忠信/忠信実は源九郎狐  市川 亀治郎
             静御前  市川 門之助
            駿河次郎  中村 亀 鶴
            亀井六郎  市川 弘太郎
            川連法眼  市川 寿 猿
             妻飛鳥  上村 吉 弥
         源九郎判官義経  市川 染五郎

  
 まったく期待を裏切らない亀治郎さんの源九郎狐。小さくて華奢で本当に子狐そのままなんだもん。適役、って言葉はやはりあるのだ、としみじみ思った。こんなに隅々までじっくりかみしめるように楽しんだ四の切は初めて。惜しむらくは私が今回座った座席。というのも、この日は左上段席だったのだが、明治座は二階が張り出しているせいで、源九郎狐の宙乗りが全く見えなかったのだ(涙)。一瞬下がったときにチラと見えた姿と、観客のため息のような歓声や笑い声を聞きながら想像するしかなかった。ま、こんなこともあるわな。

二、けいせい倭荘子
   蝶の道行
              助国  市川 染五郎
              小槇  中村 七之助


 美しい舞。なのはよかったが、正面に座っているある観客が何度かフラッシュ焚いて撮影するので気が散ってしょうがなかった。ちょっとびっくり(どうやら七之助さんのファンらしく、次の封印切でも梅川の登場で何度かフラッシュ光らせてたよ・・・orz)。

三、恋飛脚大和往来
  封印切

           亀屋忠兵衛  中村 勘太郎
            傾城梅川  中村 七之助
          井筒屋おえん  上村 吉 弥
          槌屋治右衛門  片岡 亀 蔵
         丹波屋八右衛門  市川 染五郎


 勘太郎さんは追い詰められたときの切ないような狂気を見せるのが本当に巧いなぁ。女殺油地獄、私は苦手だけど、かれの与兵衛なら観てみたい。

~おまけ~

亀ちゃんの狐と
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明治座前のお稲荷さん
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by tigersandcatlover | 2011-05-24 22:43 | 歌舞伎・文楽

夜の仇討~二月大歌舞伎

 雪降る日曜日に行って参りました、『夜の仇討』。

盟三五大切
  序 幕 第一場 佃沖新地鼻の場
      第二場 深川大和町の場
  二幕目 第一場 二軒茶屋の場
      第二場 五人切の場
  大 詰 第一場 四谷鬼横町の場
      第二場 愛染院門前の場

                薩摩源五兵衛  仁左衛門
                  芸者小万  芝 雀
                笹野屋三五郎  愛之助
                  芸者菊野  松 也
              若党六七八右衛門  薪 車
              船頭お先の伊之助  猿 弥
             家主くり廻しの弥助  彌十郎
                富森助右衛門  段四郎


 仇討がテーマと言っても、忠臣蔵のスピンオフの物語。あまりごちゃごちゃ書きたくない気分なお芝居でありました。終演後は『おもしろかった~』と素直に言えないような。冒頭の優男な源五兵衛が小万に裏切られてからの変貌ぶりがまるでストーカー。いや~、怖い。怖くてぞくっとして色気たっぷりで、そして哀しい。

 今回の二月大歌舞伎はどちらも通し狂言、どちらも仇討ちがテーマ、と言うことなのだけれど全く毛色が違って見比べる楽しみが大いにあった。彦山権現誓助剱は陽、盟三五大切は陰の仇討と言えましょうか。どちらが好みかだなんてぇのは野暮ですわね。けれど個人的には夜の部の仁左衛門さんの怖く哀しい目が鋭く心に残る。根は善人という空気を纏える役者さんだから余計なんだろうなぁ。

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終演後はこちらで(あとは料理の写真のみ)
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by tigersandcatlover | 2011-02-12 19:57 | 歌舞伎・文楽

昼の仇討~二月大歌舞伎

 春めいた陽気の暖かい週末。『片岡仁左衛門 昼夜の仇討』と銘打っての二月大歌舞伎(松竹座)を観てきた。この日は昼の部ということで『昼の仇討』。

彦山権現誓助剱

  序 幕 第一場 長門国住吉鳥居前の場
      第二場 同 社前の場
      第三場 同 郡城下馬場先の場
  二幕目     長門国吉岡一味斎屋敷の場
  三幕目 第一場 山城国眞葛ヶ原浪宅の場
      第二場 同 釜ヶ淵の場
  四幕目 第一場 豊前国彦山杉坂墓所の場
      第二場 同 毛谷村六助住家の場
  大 詰     豊前国小倉立浪主膳正本陣の場

                 毛谷村六助  仁左衛門
               一味斎姉娘お園  孝太郎
                  京極内匠  愛之助
                一味斎妻お幸  竹三郎
               一味斎妹娘お菊  松 也
                 衣川弥三郎  薪 車
                 若党佐五平  猿 弥
           吉岡一味斎/杣斧右衛門  彌十郎
               衣川弥三左衛門  段四郎


 仁左衛門さんが座頭なのだけれど彼の演じる六助は後半の四幕目以降にしか登場しない。 てことで前半は愛之助さんガン見(笑)。いや~、彼の演じる京極内匠の悪いこと悪いこと。 あまりに隙なく悪いので(笑) 最後に仇討ちされてしまうシーンもおどろおどろしいはずなのに 爽快に思えてしまうくらい。そして後半は、待ってましたの仁左衛門さんの六助の底抜けの人の良さとかっこよさにホレボレ。彼が登場して以後は物語の展開が前向きになっていくっていうのもあるんだけれど、一気に舞台全体が明るい雰囲気になる。

 あと印象的だったのは松也さんのお菊のドキッとするくらいの色っぽさ。そして実は主役と言ってもいい孝太郎さん演じるお園。男勝りな立ち回りと意外な女っぽさ(でもコミカル)が幸いして一家の悲劇のはずなのに暗い気持ちにならずに済んだ。孝太郎さんはもちろん素晴らしかったけれど、このお園、亀治郎さんで観たいな~なんてチラと思ったりして(平成20年に六助;染五郎、お園;亀治郎で四幕の毛谷村六助住家の場を上演したらしい)。

 ・・・夜の部も楽しみ(ええ、もちろん行きますともさ!)。
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by tigersandcatlover | 2011-02-09 08:57 | 歌舞伎・文楽

吉例顔見世興行

 ここ数年来、年の瀬の嬉しい恒例になってしまっている京都南座での顔見世興行へ、今年も行って参りました。公演前に舞台の外でハプニングもありましたが、ま、それはそれ(笑)。

 今年は昼の部のみの観劇であります。一言ずつ、メモがわりに感想をば。

一、 羽衣 
    
    天女     孝太郎
    伯竜     愛之助


 幕開けに相応しい清清しく優美な演目。

二、 菅原伝授手習鑑 寺子屋
    
    松王丸    吉右衛門
    千代     魁 春
    戸浪     芝 雀
    涎くり与太郎 種太郎
    園生の前   扇 雀
    春藤玄蕃   段四郎
    武部源蔵   梅 玉


 吉右衛門さんは本当にこういう役どころが巧く、こちらの涙を一気に搾り出してくれる。子供たちの笑いを誘うシーンがあとからの悲劇を予感させて余計に哀しかった。

三、 阿国歌舞伎夢華           
 
    出雲の阿国  玉三郎
    女歌舞伎   笑 也
    女歌舞伎   笑三郎
    女歌舞伎   春 猿
    女歌舞伎   吉 弥
    男伊達    愛之助
    男伊達    翫 雀
    名古屋山三  仁左衛門


 玉三郎さんの舞はもちろん、立ち姿の美しさよ!山三は海老蔵くんには申し訳ないが、仁左衛門さんだからこそ、の色気があったよな~。

四、伊賀越道中双六 沼津          
    呉服屋十兵衛 仁左衛門
    平作娘お米  秀太郎
    池添孫八   進之介
    荷持安兵衛  歌 昇
    雲助平作   我 當


 平成20年の松竹座の新春歌舞伎で初めて観て、その結末に呆然として帰り道、暗く沈んだ気持ちになったこの演目。今回はそこまで暗い気持ちにはならなかったのは何故だろう??(ちなみに主配役は十兵衛が藤十郎さんで、あとは同じ)。

 10時半から約5時間の長丁場。終演後はさすがに腰は痛いわ、喉は乾燥するわで観ているほうもボロボロ(笑)。

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 夕食は四条烏丸の老香港酒家で上海蟹のコースをわしわしと平らげた。長く幸せな年の瀬の一日。
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by tigersandcatlover | 2010-12-20 19:54 | 歌舞伎・文楽

錦秋文楽公演

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 突然ぽっかりと予定が開いた水曜の午後。国立文楽劇場で公演中の錦秋文楽公演へ急遽行くことにしてしまった。と言うのも八百屋お七が文楽で観たかったから!

一谷嫩軍記
 陣門の段
 須磨浦の段
 組討の段
 熊谷桜の段
 熊谷陣屋の段

伊達娘恋緋鹿子
 八百屋内の段
 火の見櫓の段


 お七はもちろん想像通りに人形だからこその、いい意味での生々しさの少なさがよかった。でも今回、うわーと思ったのが一谷嫩軍記。熊谷陣屋の段はこれまで歌舞伎で何度か観たことがあったけれど、通しは初めて。いろんな伏線がぴたりと嵌って、こういうことだったのか!の驚き。これも人形だからこそ、の演出とも言えようか。

 今回はなんと一列目というかぶりつき席だったので、時間を忘れて大迫力の動きに見入ってしまった。途中から<これは人形で義太夫さんと三味線で語りが進んでいる>という意識はなくなるほどに入り込んでいた。まるで子供のように、ぽかんと口を開けてみていたかもしれない(笑)。
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by tigersandcatlover | 2010-11-11 22:35 | 歌舞伎・文楽

平成中村座、ふたたび。

 大阪城は西の丸庭園に小屋を建てての平成中村座公演。10月の昼の部に引き続き、11月は夜の部へ行ってまいりました。いそいそ。

 この日の演目は夏祭浪花鑑。いかにも大阪らしい演目であります。演出は串田和美氏。

   団七九郎兵衛 中村 勘三郎
   一寸徳兵衛  中村 橋之助
   徳兵衛女房お辰 役人左膳  中村 勘太郎
   玉島磯之丞   中村 七之助
   傾城琴浦  坂東 新悟
   三婦女房おつぎ  中村 歌女之丞
   三河屋義平次  笹野 高史
   大鳥佐賀右衛門  片岡 亀蔵
   釣舟三婦  坂東 彌十郎
   団七女房お梶  中村 扇雀


 小屋に入ると幕はすでに開いていて、なにやら現代劇の舞台のよう。開演予定の15分くらいになったところで花道の太鼓にお囃子が賑やかになりだして俄然祭り気分のように盛り上がる。そうこうしているうちにぞろぞろと入場してくるお客さんに混じって役者さんたちが入ってきた。と思うと勘三郎さん演じる団七が喧嘩を始めて物語が始まっていく。じつに曖昧な開演(笑)。でもあっという間に舞台に入ってしまう。

 通常、歌舞伎だと三段目の鳥居前から突然物語が始まるのだけれど、面白かったのが一段目のお鯛茶屋の下りをあっさりとではあるが、冒頭で見せてくれること。これがあることで徳兵衛の役割がぐっと大きくなる気がする。それが八段目の田島町団七内に効いて来るんだよなあ~。

 他にも笹野高史さん演じる義平次がもうそのもの!で凄かったり、テンポの速さや照明のユニークさが印象的だったりと書き出すと切りがないが、11月公演も始まったばかりなのでネタバレせんようにこのへんで。決して楽観できるような状況の幕切れではないのに、団七と徳兵衛が夜の大阪城に向かって飛び立つ姿が、なにやら救いがあってスカッとさせてくれるから不思議。後味がいい、と言いましょうか。

 最後はスタンディングオべーションの中、何度もカーテンコール。時間と場所の勝ちってのもあるけれど、それを差し引いても本当にブラヴォーな舞台でした。

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よくぞ、この場所で!と思わずにいられない。 
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by tigersandcatlover | 2010-11-08 07:39 | 歌舞伎・文楽

平成中村座でござる!

e0164774_225345.jpg 大阪城は西の丸庭園に江戸時代さながらの芝居小屋を建てての平成中村座がやってきた。前回の来阪から8年ぶりになるらしい。それだけでもいかなあかん、と意気込むというもんなのに、10月11月の二ヶ月間の公演で途中演目が変わるというニクイ趣向。ああ、リピートしてしまうやんか。全くもって悩ましい(笑)

 10月連休の最終日。地下鉄谷町4丁目の駅から地上に上がると外は夏のような天気で歩くとじっとり汗ばんでくるほど。そんな中、着物やおしゃれ着で歩いている人たちの波についていくと目指す大阪城にたどり着く。公園に入った途端さっそくに中村座ののぼりが。城内になると役者さんののぼりが誘うように道々を彩っている。俄然気分もアガってくるというもの。


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芝生の向こうに小屋が見えてきた。
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敷地に入ると左手にお弁当やおみやげを販売する場所があって右手が芝居小屋だ。入ると中で靴を脱ぐという昔ながらのスタイル。
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 3年前にこんぴら歌舞伎を観にいったことがある。さすがにそこまでの器とは行かないが(ちょっとテーマパークみたいだな、と思った)、十分にその屋外と近い感じがわくわく感を増幅させてくれる。屋根がテントなので舞台の途中で飛行機やヘリコプターの音が聴こえたりもするけれど、それもまた良し(笑)。

 中村座特製の白がまぶしい幕。
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 さて、演目。

一、一谷嫩軍記
   熊谷陣屋

             熊谷直実  中村 橋之助
             源義経  中村 獅 童
             藤の方  坂東 新 悟
             堤軍次  中村 萬太郎
             弥陀六  坂東 彌十郎
              相模  中村 扇 雀


 熊谷陣屋は何度か観ていて、かなり好きな演目だ。わかっていても熊谷夫婦の悲しみのシーンで泣ける。この日は橋之助さんの登場~相模を見つけて立ち止まるシーンからじーんと来てしまった。ところで、この演目は幕が引かれたあとも花道で熊谷が引き込むまで間があるのだが、幕の中に設けられた席(桜席の上手側)ではそれが見えなくなってしまうことに。どうするのかな、と思っていたが、さすがに演出を変えることはせえへんかったか。

二、新歌舞伎十八番の内
  紅葉狩

     更科姫実は戸隠山の鬼女  中村 勘太郎
              山神  中村 鶴 松
             平維茂  中村 獅 童


 これはもう演出勝ち。この特設会場の特性を生かしてのエンディングに思わずため息が。


三、恋飛脚大和往来
  封印切

           亀屋忠兵衛  中村 勘三郎
         丹波屋八右衛門  坂東 彌十郎
            傾城梅川  中村 七之助
          槌屋治右衛門  中村 橋之助
          井筒屋おえん  中村 扇 雀


 お待ちかねの勘三郎さん登場。ちょっと声がかすれてしんどそうだった。が、やはり見事でありました。でもやっぱり彼には江戸っ子風情な役が似合うかもな~とか思いつつ。 以前、松竹座でこの演目を観たときは橋之助さんが八右衛門を演っていたので、治右衛門が登場したときに一瞬あれ?と混乱してしまった。
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 舞台の丁度正面にある大阪城。行きと帰りとでは幾分印象が変わった気がする。

 やー。ホンマにこの場所での歌舞伎とは、まさに「夢だ、ぁ夢であったなぁ」。
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by tigersandcatlover | 2010-10-13 07:38 | 歌舞伎・文楽

義経千本桜

 京都南座での九月大歌舞伎 通し狂言 義経千本桜 を観てきた。海老蔵さんが今年6月にロンドンとローマで忠信・知盛・権太の三役演じたこの演目。今回はその凱旋公演ということらしい。

 そんな話題性というだけでなく、義経千本桜はそれ自体結構好きな演目だ。と言っても通しで観たことはなく、鳥居前・道行初音旅・川連法眼館と蔵王堂をバラバラにしか知らない。本当は昼の部も観たいのは山々だったが日程的にどちらかということになると、やはり宙乗りの見せ場がある川連法眼館は外せない、ということで夜の部を選んだ。

四幕目 木の実 小金吾討死

五幕目 すし屋


 いがみの権太  海老蔵
 弥助実は三位中将維盛  門之助
  梶原平三景時  男女蔵
       お里  梅 枝
      主馬小金吾  薪 車
       小せん  吉 弥
     鮓屋弥左衛門  市 蔵
        おくら  右之助
      若葉の内侍  友右衛門


大 詰 川連法眼館 市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候

  佐藤忠信/源九郎狐  海老蔵
        源義経  翫 雀
       亀井六郎  亀三郎
       駿河次郎  亀 寿
         飛鳥  竹三郎
       川連法眼  家 橘
        静御前  玉三郎

    猿之助四十八撰の内 蔵王堂

       佐藤忠信  海老蔵
        源義経  翫 雀
       亀井六郎  亀三郎
       駿河次郎  亀 寿
        静御前  壱太郎
      武蔵坊弁慶  権十郎
 横川覚範実は能登守教経 我 當
 

 やー、やっぱ四の五の言うても、海老蔵さんは華があって絵になるねえ。江戸っ子風情のいがみの権太がいなせでかっこいいなんて思えるとは!狐忠信も当初はちょっとイメージとは違うなあ~とは思ったけれど、ちゃんと切なくかわいかった(笑)。宙乗りであそこまで全身使って喜ぶって凄い。

 惜しむらくは玉三郎さんがちょっぴりしか観れなかったことかなー。まま、贅沢は言うまい。

 この日はなんと最前列。松竹座では何度かあるが南座では初めて。ちょっと舞台が高いためか足元が見えにくいという難点があるものの、さすがの大迫力でありました。この日は暑かったせいか、皆さん汗だくでの大熱演。滴る汗の粒までも見える席で存分に堪能いたしました。
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by tigersandcatlover | 2010-09-12 09:56 | 歌舞伎・文楽

初文楽!

e0164774_9145086.jpg ここ数年、歌舞伎に片足嵌っているが、その演目の元となっていることが多々ある人形浄瑠璃は未体験だった私。それがちょっと縁あって初めて国立文楽劇場に足を運ぶことになった。演目は歌舞伎では何度も観ている夏祭浪花鑑。なんにせよ、初めてのものというのは少しの緊張とたくさんのワクワクがあるねえ。

 まず驚いたのが舞台の大きさ>ってそこ??。いや、不見識ゆえに、勝手にこじんまりした舞台を想像していたのだった。劇場の大きさも花道がないだけでほとんど歌舞伎と変わらない。違うのは義太夫と三味線の場所が舞台上手にどどんと立派にあること。語りと三味線が交代するたびに、黒子さんが「とざい、と~ざ~い~」の声とともに呼び出し(?)したり、そのたび拍手で迎えるのが新鮮。

 そしてもちろん人形。顔の表情は団七の眉が動くだけなのになんと表情豊かなんだろう!

夏祭浪花鑑 

住吉鳥居前の段  内本町道具屋の段  釣船三婦内の段  長町裏の段  田島町団七内の段
 

  内本町道具屋と田島町団七内の段は歌舞伎では省略されることが多いので、私自身は初めて観ることになったのだが、これがあるとないとでは物語が全然変わってくる気がした。これまで歌舞伎では唐突に思えた部分がすとんすとんと気持ちよく納得できた。徳兵衛の役割があとで効いて来るところとか、義平次の小賢しさとか哀しさとか、磯之丞の色男ぶりと情けなさとか。長町裏の段で終わって「ああ、このあと団七はどうなってしまうんやろ」という部分も見せてもらえたし(やはりどうなってしまうのかという問題は残るにしても)。

 あとはやっぱり太夫さんやな~。交代はするものの一人での語りということを忘れて舞台に入り込んでしまった。さすがに長町裏の段は義平次と団七はわけて語ってはりましたが。その団七役の竹本千歳大夫さんが、も~う表情豊かで目が離せなかった。邪道とは思いつつも人形そっちのけで彼をちらちらと見てしまったくらい。

 少々腰が痛くなりつつもあっという間の4時間(休憩入れて)でありました。

 近松の「曽根崎心中」とか「女殺油地獄」とか、好きなんだけれど歌舞伎だと生々しくて胸が苦しくなってしまうような演目も文楽で観てみたいかもな、と思った。これ以上手を広げるのは危険やな~とは思いつつも。
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by tigersandcatlover | 2010-07-29 08:22 | 歌舞伎・文楽


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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