カテゴリ:歌舞伎・文楽( 60 )

三月花形歌舞伎~骨寄せの岩藤

e0164774_10504391.jpg 中日劇場での観劇後そのまま名古屋に一泊して、翌日は京都南座で上演中(3月27日まで)の三月花形歌舞伎へ。遠征~移動~連荘、と自分で書いてて呆れるわ・・・。

 さて、他の舞台と違って歌舞伎の場合は、昼と夜とで上演する演目が異なることが多い。そのため、普段は昼夜どちらの公演を観るか悩むことになるのだが、今回はまさに即決。絶対夜の部!とばかりに、通し狂言 加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)へ、いざ、ぁ、いざ~~(←歌舞伎口調)。

 というのも、猿之助十八番に数えられるこの狂言、大好きな(ええ、もうそう言っちゃいますよ!)亀治郎さん七役早替りの出ずっぱり。

 まずは美しい御台梅の方で美しく登場したかと思うと、お殿様である多賀大領に。そうかと思うと奴伊達平で大立ち回りし、悪役;望月弾正で不敵に高笑い。鳥居又助でコミカルだったりほろりとさせたりの一方、きりっと長谷部帯刀で登場。そしてそして圧巻はやっぱり怪しく憎憎しく、けれど何故かかわいらしく見えてしまう岩藤の霊。「花の山の場」では、この岩藤の霊が傘を片手に足をパタパタとさせながら蝶と共にふわふわと宙を行く趣向の宙乗りなのだけれど、これがもうなんとも怪しくてかわいい。そうかと思うと、祟るシーンでは歯をむき出して怨霊そのもの。なのに、ちらと見せるいじわるそうなコミカルな表情に観客がどっと受ける。そして、身のこなしの軽快なことよ!もうこれは亀治郎さんならではの芸やわあ~~。正直、N○K大河ドラマの演技では全然惹かれなかったのに、もうラヴです、ラヴ。

 その他の配役は以下のとおり(敬称略)。

安田隼人;獅童、二代目中老尾上;笑三郎 、花房求女;松也、又助妹おつゆ;壱太郎、谷沢数馬/花園姫;宗之助、蟹江主税;亀鶴 、蟹江一角;男女蔵、お柳の方;翫雀

 この日は特別席(一階桟敷席)で観劇。靴脱いでリラックスして、幕間には席でのんびりお弁当食べて。至福・至福の一夜だったことよのう~(またも歌舞伎口調)。
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by tigersandcatlover | 2010-03-16 22:28 | 歌舞伎・文楽

寿新春大歌舞伎~仮名手本忠臣蔵

 恒例の松竹座での寿新春大歌舞伎へ今年も行って参りました。

 去年のこの新春歌舞伎は昼・夜観にいったのだけれど今年は予定が詰まっていて夜の部のみ。本当はせっかくの通し狂言だし、昼夜通しで観なくてはいけないようなプレッシャーと、配役も上方歌舞伎でお馴染みのかたばかり(悪く言えばちと見慣れすぎ?)ってのもあって、当初はパスしようかな~と思っていたんだった。けれどやっぱり行くことにしちゃったのは、ズバリ『七段目』が観たかったから!ええ、討ち入りの段じゃなくて?と訊かれそう。実は2008年の秋に桂米團治さんの『七段目』(リンクはそのときの日記)を観てから、今なら別の目で楽しめるやろうなあと思って、上演されるのを待っていた演目だったのだ。すんません、順当な見方じゃありませんわね。

 さて、演目というか、以下の通りの段と配役(ちなみに九段目は今回は上演されず)。
 
七段目  祇園一力茶屋の場

大星由良之助;藤十郎、寺岡平右衛門;翫雀、
千崎弥五郎;薪車 、大星力弥;壱太郎、遊女おかる;秀太郎

 通し狂言なのでどれがどうと言うのも変だけど、時間的にも面白さ的にもこの七段目が特筆していた。笑ってドキドキしてヒヤヒヤして泣ける。秀太郎さん、時折痰の絡んだ席をしてはって、心配になったけど台詞では一切それを感じさせず。凄い!

八段目  道行旅路の嫁入

戸無瀬;藤十郎 、小浪;扇雀、奴可内;翫雀

 継母と娘の嫁入りのための道行の踊り。お弁当のあとだったので、ちょっと意識消失。

十段目  天川屋義平内の場

天川屋義平;我當、女房おその;吉弥、
千崎弥五郎;薪車、大星由良之助;藤十郎

 松嶋屋さんらしい我當さんのカッコよさ。『天川義平は男でござる~~』がぴったり決まって大拍手。余談だけど薪車さんがすぐ弥五郎だとわかってしまうので、義平の息子を斬ろうとしててもドキドキできなくて困った。

十一段目 師直館表門討入の場・同 広間の場・同 柴部屋本懐焼香の場

大星由良之助;藤十郎、大星力弥;壱太郎、
千崎弥五郎;薪車、寺岡平右衛門;翫雀
 
 ほんの20分ほどの演目なのに二回の場面展開。でも主たる登場人物すべてに見せ場があって大円団。焼香の匂いまでもが届くくらいの席だったので、妙にそのシーンでじんわり来てしまった。視覚聴覚はもちろんだけど、匂いってダイレクトに心に来る気がする・・・。

 以前も書いたけど、やっぱり通し狂言はどっぷり嵌れていいねえ。そして僭越なれどあっぱれ、と思ったのが、藤十郎さんの出ずっぱりなこと。ちなみに昼の部も全段出演していた。ひえー。
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by tigersandcatlover | 2010-01-23 08:28 | 歌舞伎・文楽

吉例顔見世興行

 京都の年末の風物詩、南座での顔見世興行を観て来た。去年は昼・夜とも行ってしまったが、今年は自制して(?)夜の部のみ。演目と出演者は以下のとおり。

第一 天満宮菜種御供(てんまんぐうなたねのごくう) 時平の七笑            
藤原時平;我 當 判官代輝国;進之介  頭の定岡;亀三郎  藤原宿祢;亀 寿  三好清貫;薪 車  春藤玄蕃;亀 鶴  左中弁希世;竹三郎  菅原道真;彦三郎

第ニ 新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)       
僧智籌実は土蜘の精;菊五郎  源頼光;時 蔵  侍女胡蝶;菊之助   渡辺源次綱;愛之助  坂田公時;権十郎  碓井貞光;男女蔵  ト部季武;亀三郎   巫子榊;梅 枝  番卒次郎;團 蔵  番卒藤内;松 緑  番卒太郎;翫 雀  平井保昌;梅 玉

第三 助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら) 三浦屋格子先の場           
花川戸助六;仁左衛門   三浦屋揚巻;玉三郎
くわんぺら門兵衛;左團次  通人里暁;翫 雀  福山のかつぎ;松 緑  三浦屋白玉;菊之助  朝顔仙平;愛之助  三浦屋傾城八重衣;吉 弥  同 浮橋;宗之助  同 愛染;亀 鶴   遣手おたつ;竹三郎  若衆艶之丞;團 蔵  母満江;東 蔵  髭の意休;我 當  白酒売新兵衛;藤十郎

第四 石橋(しゃっきょう)            
獅子の精;翫 雀  獅子の精;愛之助


 全体的な印象としては、去年に比べて舞台展開がない演目ばかりだったなーということ。<時平の七笑>も<助六>もセットは豪華なのだけれど。特に<土蜘>は能舞台を模したシンプルな中で観客が場の見立てていかなければいけない。だからというわけではないが、ちと眠くなってしまった。えーん、だって菊五郎さんもちょっとしか出てこないんだもん。

 まあ、でもそんなことはどうでもよくて、ともかく今回は仁左衛門さんの助六が大目当てで夜の部へ行くことにしたのだったよ。いやー、もう期待通り。惚れ惚れホレボレ。あまり細かくは書かないけれど、藤十郎さんとのデコボコ曽我兄弟ぶりが笑えた。でもって、翫雀さんの十二夜と被るタメのある過剰な演技といい、玉三郎さんの花魁のなんともかわいらしい気の強さ振りといい、愛之助さんの笑えるっちゃ笑えるけどちと勿体ない使われかたといい、書きたいことが多過ぎる。ともあれ、この<助六>一本だけで、大大満足な一夜でありました。

 惜しむらくは、隣の親子連れだよ!(と言っても中年と老年)もーう、ずっとしゃべりっぱなしだわ、ビニール袋をガサガサ言わすわ(膝の上に弁当抱えて観劇するのは止めて欲しい)、双眼鏡をいちいちケースに入れたり出したりでマジックテープをバリバリ言わすわ、あげく、幕間にコーヒーを買って戻ってきたはいいが、飲みきれず手で持っていたのをこぼしていた(泣)。彼らがしゃべるたびに、私の真後ろのおっさんが、『しー!』と言うのも気が散る。おっさん、その警告は敵には一切届いてないよ!(涙目)。と、なんか罰ゲームのような席だった。それでも、<助六>の間は舞台上に完全に集中できていたのだから、我ながら切り替えが早いというか、ゲンキンというか、でしたけどね(苦笑)。
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by tigersandcatlover | 2009-12-11 07:24 | 歌舞伎・文楽

七月大歌舞伎 NINAGAWA十二夜

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 シェイクスピアの喜劇を蜷川幸雄氏が歌舞伎仕立てに演出して、ロンドンでも大喝采を浴びての凱旋公演との前評判の 十二夜 を観て来ました。場所は松竹座。当初はね、パスしようかな~と思っていたんですよ。というのも、この春のムサシ(リンクはそのときの日記)で蜷川さんの喜劇のセンスは、どうも私にはわかりにくい・・・と思ってしまったから(ファンのかた、すいません!)。でも、やはり亀治郎さんの演技は見たい・・・、と散々迷った末、結局行くことに。発売からかなりたって決心したので、二階のかなり端っこの席。でも最前列だったので、視界は良好。さあて、どうなりますやら。

~あらすじ~ (歌舞伎美人のHPより)
 航海中、嵐に遭い、難破して双子の兄斯波主膳之助(しばしゅぜんのすけ)(菊之助)と離ればなれになってしまった琵琶姫(菊之助)は、舟長の磯右衛門(段四郎)の助けで、男装して獅子丸と名乗り、大篠左大臣(おおしのさだいじん)(錦之助)に小姓として仕えはじめます。
 大篠左大臣は、大納言家の織笛姫(おりぶえひめ)(時蔵)に想いを寄せています。しかし、姫は左大臣の愛に見向きもしません。その上左大臣の使者である獅子丸に一目惚れしてしまいます。その獅子丸、すなわち男装の琵琶姫は、ひそかに左大臣を恋い慕っているものの、男の姿ではどうにもなりません。
 いっぽう織笛姫の叔父の左大弁洞院鐘道(さだいべんとういんかねみち)(左團次)は、何かと小うるさい家老の丸尾坊太夫(まるおぼうだゆう)(菊五郎)に目の敵にされています。坊太夫が姫に心を寄せていると知った洞院(とういん)は、恋人の腰元麻阿(まあ)(亀治郎)、右大弁安藤英竹(うだいべんあんどうえいちく)(翫雀)らと日ごろの仕返しにと一計を企み、その計画にまんまとはめ、坊太夫は散々な目に遭ってしまいます。
 その騒動の最中、嵐の中、海賊に助けられ、九死に一生を得た主膳之助が現われます。獅子丸と瓜ふたつの主膳之助の出現に、織笛姫、大篠左大臣、獅子丸の恋の思惑が絡んで、周囲は大混乱。さて恋の行方は――。


斯波主膳之助/獅子丸実は琵琶姫 尾上 菊之助
     織笛姫  中 村 時 蔵
     右大弁安藤英竹  中 村 翫 雀
     大篠左大臣  中 村 錦之助
     麻阿  市 川 亀治郎
     役人頭嵯應覚兵衛  坂 東 亀三郎
     従者久利男  尾 上 松 也
     海斗鳰兵衛  河原崎 権十郎
     従者幡太  坂 東 秀 調
     比叡庵五郎  市 川 團 蔵
     舟長磯右衛門  市 川 段四郎
     左大弁洞院鐘道  市 川 左團次
     丸尾坊太夫/捨助  尾 上 菊五郎

 幕があくと、そこには鏡に映りこむ客席の光景。実はこれはマジックミラーになっていて、ふいにミラー越しに圧倒的なボリュームの枝垂桜のセット。あっというまに、物語に引き込まれる。この鏡というのがこの舞台では重要な役割を持っている。鏡に映るがごとく瓜二つの双子の兄妹のテーマでもあり、織笛姫が自分の気持を琵琶姫が扮する獅子丸に伝えるときに用いたり。舞台でもこの鏡が実に有効に使われている。同じ場面なのに鏡の場所を変えたり、マジックミラーの性質を上手に使って襖越しに登場人物の幻影を見せたり。うまいっ!といちいち唸りながら見ていた。

 さて、肝心のお芝居役のほう。菊之助さんが主役の双子を一人二役で演じる。妹のほうの琵琶姫を演じるときは、女性が男装しているという、のを男性が演じるわけで、ややこしいったら!でもそこはさすが、なんであった。最後は二人のご対面シーンなのだが、これはまあ、ちと笑ってしまう演出だったな(実際、感動のシーンのはずなのに、客席からは笑いが止まなかった)。
 
 菊五郎さんの二つの道化役の早変わりも翫雀さんの徹底的な三枚目役も、まあ笑えたが、一番笑えたのはともかく麻阿の亀治郎さんの演技。始めは、あれ?亀治郎さんがこんな役?勿体無いなあ~と思ったのだが、なんのなんの。舞台を食うとは、こういうことなのだろうか。登場シーンを重ねるにつれ、麻阿ばかり見てしまう。もう仕草・表情の何もかもが可笑しくて、本来は麻阿が中心のシーンじゃないのに、動くたびに・表情を変えるたびに客席から笑いが止まらない。いやはや、怪演でありました。もう一度、彼の演技を見るためだけに行きたいくらい。

 や~。強烈に満足しました。これまでいくつか見た蜷川作品の中では一番好み。食わず嫌いしないで本当によかった。やはり、役者の力の差というもなのかもな、とややいじわるに思ったりもしたけれど。
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by tigersandcatlover | 2009-07-12 09:43 | 歌舞伎・文楽

花形歌舞伎 in 京都南座

ひさしぶりの歌舞伎ネタ。京都南座で上演されている、花形歌舞伎を観てきました。京都は5月の週末にしては際立った混雑でもなく、ちと複雑な心持ち。そりゃ~空いてるほうが楽だけどね。
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小笠原諸礼忠孝 通し狂言 小笠原騒動

~あらすじ~歌舞伎美人より)
 ここは九州・豊前国。小笠原家では、お家乗っ取りを企む執権・犬神兵部(ひょうぶ)(橋之助)とお大(だい)の方(七之助)一味の陰謀が着々と進んでいた――。
 そんな中、狩りに出た藩主の小笠原豊前守(ぶぜんのかみ)(勘太郎)が白狐を射ようとするのを家臣の小笠原隼人(はいと)(愛之助)は押し止め、また藩政の乱れを意見するが、兵部やお大の方の言いなりとなっている豊前守の逆鱗に触れ閉門を言い渡される。
 兵部は、大望の妨げになると隼人に刺客を差し向ける。絶体絶命に陥った隼人の前に、最前助けた白狐の化身である奴菊平(愛之助)が現れ隼人を救い出す。

 隼人から分家小笠原遠江守(とおとうみのかみ)(萬次郎)への密書を託された召使のお早(七之助)は、その道中で兵部に加担する足軽の岡田良助(橋之助)に殺され密書を奪われる。

 妻のお早を殺された飛脚の小平次(勘太郎)は、すぐさま敵が良助と知る。一方の良助は、お早の怨霊にとりつかれた末に自らの愚かさを悟り、真人間に改心するが、女房のおかの(萬次郎)をはじめ、家族を一度に失ってしまう。
 それを知らない小平次は、水車小屋で激闘の末、良助を討つのだが、断末魔の良助から遠江守へ届ける兵部一味の連判状と訴状を託される。

 程なく通りかかる遠江守の行列に小平次は直訴をするのだが、その瞬間、一発の銃声が辺り一面に響いたのだった……。


~配役~
犬神兵部/岡田良助  中村 橋之助
小笠原隼人/奴菊平  片岡 愛之助
小笠原豊前守/飛脚小平次  中村 勘太郎
お大の方/小平次女房お早  中村 七之助
隼人妹小萩/林数馬  中村 壱太郎
良助母お浦  上村 吉 弥
良助女房おかの/小笠原遠江守  市村 萬次郎

配役からお分かりのように多くの役者さんが二役を演じている。愛之助さんは早代わりが何回かあって大忙し。狐姿がかわいい!(怪しいと言うよりも)。もうそれだけで結構満足だったりして(爆)。

もちろんそれだけではなく、人情あり、立ち回りあり、で4時間があっという間でありました。特に、四幕目第二場では水車小屋の仕掛け(小さなプールを舞台上に作るがごとく)を使って、水を盛大に観客席にまき散らかしながらの橋之助さん・勘太郎さんの大立ち回りが大迫力。

いや~、通し狂言って、やっぱ楽しい!

などと言いながら、通し狂言を観たのは、今回が二度目(だと思う)。今年の新春歌舞伎・夜の部(リンクは拙ブログ)で仁左衛門さんがウルトラ悪役を演じた霊験亀山鉾・亀山の仇討が初めてじゃないかな?舞台の有名どころの幕をみせるレビューのような公演ももちろんいいが、どっぷりその世界に浸れるというのが、なんと言っても通しの醍醐味だよなあ。それは昨日の読書日記を書きながらふと思ったように、やはりダイジェストや、シングルカットのようなものより、オリジナルなそのものを味わってみたい、という贅沢な欲望なのかもしれん。

ところで、今回は発売からかなりたってからチケットを購入したのだが、特別席がまだ空いていたので迷わずそこにした。昨年の顔見世で初めて座ったのだが、本当に楽。いわゆるボックス席みたいなスペースで、靴を脱いであがるのだが、掘りごたつ式になっていて机があるのだ。この机のおかげで妙にリラックスできるんですよね~。幕間のお弁当なんかもゆっくり楽しめるし。しかも少し高い場所なので前の人の頭が邪魔になって見えないということもないし。正面から観たい、という人も多いだろうけど、私はできたら特別席がいいな~。

てことで、特別席でこそ、の二段式のお弁当にしてみましたよ。
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by tigersandcatlover | 2009-05-24 10:01 | 歌舞伎・文楽

ブラヴォー、亀ちゃん!(二月花形歌舞伎 in 松竹座)

松竹座で今月25日まで公演されている
二月花形歌舞伎へ行ってまいりました。

花形とは、はなやかで人気のある人や物のこと(Wikipediaより)。

花形歌舞伎といえば華やかさだけにとどまらず、
若手の登竜門としての舞台として知られています。
登竜門といっても今回の面々を見て頂いたらわかるように
みなさんもうすでに実力・人気とも折り紙付きの役者さんぞろい。

(写真は歌舞伎美人のHPより)
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今回観劇したのは夜の部であります。
演目は以下の通り。

一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
              直吉  愛之助
             おえん  七之助
              助蔵  獅 童

吹雪の中、おえんと助蔵が命からがら小屋に辿り着いて暖をとっていた。
実はおえんは助蔵の兄貴分・直吉の元女房。
二人は密通ののち、駆け落ちしたんだった。
そこへ偶然、直吉も同じように小屋にやってくる・・・。


歌舞伎と言うより、お芝居。
それもそのはず、1935年初演で比較的新しい演目。

獅童さんの大げさな咳やら息遣いとか悲鳴には苦笑してしまったが
七之助さんの悪い女ぶりと、愛之助さんのええ男ぶりなことよ!

舞台上で猛烈に吹雪を舞わせていたため、
前から5列めくらいまでのお客さんの頭も服も真っ白になってはりました。

二、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)
            斎藤実盛  勘太郎
              小万  亀治郎
             九郎助  亀 蔵
             小よし  吉 弥
             葵御前  亀 鶴
            瀬尾十郎  男女蔵

戦死した源義賢の妻・葵御前は臨月で、九郎助の館に匿われていた。
そこに、詮議のため、瀬尾と実盛がやってくる。
葵の子供が男の子なら生かしてはおけない、と言うわけだ。
けれど実は実盛は密かに源氏に気持ちを寄せていたのだった・・・。


勘太郎さんの独壇場のような舞台。
明るくあっけらかんとした感じの実盛で、死人も出るのだが、決して暗くない。
子役の動きのかわいらしさに観客(大部分がおばちゃん)大喜び。

三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
  市川亀治郎六変化相勤め申し候

     傾城薄雲 ・ 童 ・ 薬売り
     番頭新造・座頭・蜘蛛の精  亀治郎
            平井保昌  愛之助
            碓井貞光  獅 童
            卜部季武  七之助
            坂田金時  亀 鶴
             渡辺綱  男女蔵
             源頼光  勘太郎

病床の源頼光には物の怪がついているらしい。
主人の警護をしていた貞光と金時の前に、怪しい童、薬売り、
新造、座頭、が次々とやってくる。
どうやら、それらは蜘蛛の精の変化らしい・・・。


今回の花形たち7人勢ぞろいの楽しい舞台。

亀治郎さん、凄すぎ。
早変わりのスピードはもちろんのこと
(ご本人は障害物レースのようなものと解説されてましたが)、
かわいらしさ、おかしさ、妖艶さ、怪しさ、美しさ、おどろおどろしさ、の
変わりようも凄い。

普段、歌舞伎の舞台にはカーテンコールはない。
けれど、今日は幕が降りても拍手が鳴り止まず、
なんとカーテンコール~スタンディングオベーション。
7人の花形たちが手を振って、まるで普通の舞台のよう。
けれど最後は歌舞伎らしく膝をついての礼。

伝統を守るという意味では?なのかもしれないけれど
うれしいサービスでありました。
なんか、若い力でこだわりなく変わっていくのって、いいね。
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by tigersandcatlover | 2009-02-19 08:33 | 歌舞伎・文楽

壽 新春歌舞伎 夜の部

先日の新春歌舞伎・昼の部(リンクはその時の日記)。
仁左衛門さん目当てだったものの
彼の出番はそれほど長くなかった。

でも寂しくは感じなかったんですよねー。
それは、今回は(も?)夜の部もチケット買ってたから。

てなわけで、いざ、夜の部へゴー!

(写真は歌舞伎美人のHPより)
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このポスター。仁左衛門さん一色やん。
それもそのはず、今回は通し狂言で彼が二役を演じるのだ。

場と役者さんは以下のとおり。

一、通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)
  亀山の仇討

  序 幕 甲州石和宿棒鼻の場より
      播州明石網町機屋の場まで
  二幕目 駿州弥勒町丹波屋の場より
      同 中島村焼場の場まで

  中 幕 春寿松萬歳

  三幕目 播州明石機屋の場
  四幕目 江州馬渕縄手の場
  大 詰 勢州亀山祭敵討の場


  藤田水右衛門/隠亡の八郎兵衛  仁左衛門
      丹波屋おりき/貞林尼  秀太郎
           掛塚官兵衛  翫 雀
            石井兵介  進之介
         源之丞女房お松  孝太郎
    石井源之丞/石井下部袖介  愛之助
        轟金六/大岸主税  薪 車
         六之進妻おなみ  吉 弥
           芸者おつま  扇 雀
        大岸頼母/仏作介  段四郎
            藤田ト庵  我 當

              萬歳  藤十郎

序幕から大詰の5つの場に挟んで中幕として
お正月らしい藤十郎さんの舞の演目が重い演目の休憩のように
入っています。

さて、元禄14年に石井源蔵・半蔵の兄弟が
父の敵を討った”亀山の敵討ち”という実話を基に作られたこのお芝居。
まずは代官の前での敵討ちのシーンから始まります。

石井兵介が兄をやみ討ちにした藤田水右衛門に挑むのだが
立会人が水右衛門とぐるになっていて、兵介に毒を盛ったため
彼は返り討ちにあってしまう。
兵介の甥の源之丞が、この無念を引き継ぐのだが
水右衛門の策略にはまり、敵討ちを助けてくれていた
芸者おつまや轟金六共々、またしても返り討ちに・・・。
てな具合で、どんどん石井家の人々が返り討ちされてしまいます。

仁左衛門さん演じる水右衛門。
代官とつるむわ、後ろから斬りつけるわ、身ごもっているおつまを殺めるわ、
あげくにこれまで手にかけた石井家の面々を思い返して
指折り数えてほくそ笑むわ。
ともかく悪人なんである。
幕が閉まる度に、”いや~、悪いやつやねえ”と
連れと言い合うくらいに。

最終的には父を袖介に殺されて逆上し、
まんまと罠にはまって仇討ちされてしまわけですが
なぜかちょっぴりかわいそうに見えるのは
やはり仁左衛門さんの
いっそ潔いくらいの徹底した、
しかもかっこいい悪役さ加減のせいでしょう。

彼のもう一つの役、八郎兵衛は
水右衛門と面相が似ているために
芸者おつまに仇討ちの相手と疑われて
正体を探るために言い寄られてしまう商人。
こうやって書くと巻き添えを食うかわいそうな人物のようだが
いやいや、こちらも実は悪者。
ともかく、徹底して悪いオトコを生き生きと怪演しておられました。

愛之助さんがその敵役として、
二枚目の源之丞とちょっとワイルドな袖介(最終的に仇討ちを成立させる人物)
を演じておられて、これがまたよかった。
登場時間は彼が一番長く、しかもいい役なので
実は彼が主演のようなもんなのだ。

仁左衛門さん、愛之助さんの二役早代わりがあったり、
焼き場のシーンでは舞台に水が降ったり、と
演出も凝っていて楽しい。

登場人物の多さで混乱するかもと思ったけれど杞憂なくらい
どっぶりと通し狂言の世界に入って楽しめました。
まさに江戸時代へのトリップ。これぞ、歌舞伎の醍醐味。

花道近くのかなり前の席だったのでかぶりつき。
兵介返り討ちのあとに配られた号外を
貰っちゃいました。
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この席で道成寺だったら手ぬぐいもらえたかも~と
ちとせこいことがチラと頭をかすめつつ、
ますます歌舞伎にはまっちまいそうです。
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by tigersandcatlover | 2009-01-18 09:14 | 歌舞伎・文楽

壽 新春大歌舞伎

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冬の晴れた日。

年の始めの
恒例・松竹座での
新春大歌舞伎へ
行って参りました。

東京と比べて、
関西での歌舞伎の公演は
数が限られている。
なので、
なるべく都合をつけて
選り好みせずに観にいく。
あまり演目・配役で
選ぶことはしない
(と言うかできない)。



けれど今回は南座の顔見世に引き続き
大好きな仁左衛門さんが出演されるということで楽しみにしていた。

わくわく、いそいそ。

今日の演目は以下のとおり。

一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  鳥居前

      佐藤忠信実は源九郎狐  翫 雀
             源義経  愛之助
           武蔵坊弁慶  薪 車
             静御前  孝太郎

人気の義経千本桜の狐忠信登場の段。
都落ちする義経を追って静御前が伏見稲荷までやってくるが
初見の鼓の調べ緒で縛られ置かれてしまう。
そこへ土佐坊の家来たちがやってきて静を捕らえようとしたところに
狐忠信登場。怪しい術を繰り出してバッタバッタと手勢を倒す。
立ち回りの見得がたくさんあってとっても華やか。

二、良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
  二月堂

           良弁大僧正  我 當
             僧順円  吉 弥
             同法善  薪 車
             渚の方  秀太郎

30年前に鷹にさらわれた息子を探す老女が東大寺の大僧正のもとへ。
実はこの二人、生き別れた親子なんであった・・・。

昼ごはん前に眠くなってしまうことは少ないのだが、
不覚にも少し居眠りしてしまう。
疲れていたのか、それともやや動きの少ない演目だからか。
ちなみに相方もぐらぐらと舟を漕いでいた(汗)。

三、玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう)
  吉田屋

          藤屋伊左衛門  扇 雀
         吉田屋喜左衛門  段四郎
           女房おきさ  竹三郎
            扇屋夕霧  藤十郎

(写真は歌舞伎美人のHPより)
e0164774_23362685.jpg
遊女夕霧に入れ込んで勘当されてしまった若旦那・伊豆左衛門。
おちぶれてしまったが病に臥せった夕霧に会いたいあまり、
吉田屋へやってくる。

扇雀さんの男前かつコミカルな動きが楽しい。
この写真。藤十郎さん、喜寿超えなんだよなあ(驚)。

四、お祭り(おまつり)     
              鳶頭  仁左衛門
              芸者  孝太郎

待ってましたの、仁左衛門さん。
お祭りのほろ酔いの演技ですらかっこいい。うっとり。
ああ、でもいかんせん、短い演目。

去年は昼の部の最後が伊賀越道中双六沼津
26年ぶりの親子の再会が敵同士であったことからくる悲劇だったため
正月早々しんみりとしてしまったのですが、
今日はどれも後味のいい演目ばかりだったので
幸せな気持ちで帰路につくことが出来ました。

惜しむらくは仁左衛門さんをもう少し観たかったということですが
それはまた、夜の部で(って、夜も行くんかい?)。
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by tigersandcatlover | 2009-01-12 08:51 | 歌舞伎・文楽

またまた顔見世

こないだ行ったとこですが・・・はい。

実は今回の顔見世、
夜の部の最後の最後に魅力的な演目が。

今年は源氏物語千年記念。
それにちなんで夕顔の章をかけるというではないか。
しかも、光源氏;海老さま、六条の君;玉三郎さま。
ひえ~、こりゃあ、即日完売するはずだよ。

これだけでもちょっと観たいかも・・・と思っていたら
友人よりA席でよかったらチケットとったよ~との悪魔のささやき。

午前の仕事を終えて、いろいろあって、
始めの演目には間に合わないのと、
終演がかなり遅くなるので翌日がしんどいやろうなあ、と
逡巡していたのですが
なかなか取れないチケットだし、無駄にするのも、と
思い切って行って参りました。
e0164774_833235.jpg
e0164774_8333917.jpg




鴨川沿いに
ぽっかり浮かぶ夜の南座は
幻想的でわくわく。










e0164774_8385929.jpg

席は三階。
けれど南座自体が
ちんまりしているので
舞台がそれほど遠く感じない。
そればかりか舞台面が見えるので
一階では見えなかった
仕掛けもわかるので楽しい。

周りには大向うさんがたくさん。
お値段のことを考えたら
リピーターにはうれしい席だ。

以下演目と感想を述べています。
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by tigersandcatlover | 2008-12-18 08:47 | 歌舞伎・文楽

顔見世でござる

e0164774_17474999.jpg


京都の冬の名物詩、
南座での吉例顔見世興行が
始まりました。

今年は夜の部が
超人気で即日完売。
その分、昼の部は
ものすごくいい席が空いていた。
顔見世が一種の年末の行事と
なっている私たちは
よろこんで昼の部へ行くことにした。

四条あたりは大賑わい。
さすが紅葉の季節の京都。



いい席と言うのは特別席。いわゆる桟敷席であります。
ええと、堤燈があるあたりの席ですね。
e0164774_175179.jpg
ドアを開けると5人ずつくらいのボックスになっていて靴を脱いであがる。
畳に座椅子に座布団だけど、掘りごたつ式なので正座はしなくていい。
卓がついてるのでお茶やら、番附やら、イヤホンガイドやらが置けて便利。
自宅で過ごすようなくつろぎモードで舞台が観られるだなんて夢みたい。
もう、ここに住みつきたいくらいやわ~。

さて、アホなこと言うてないで、はじまり、はじまり。

以下演目と感想であります(案の定長い)。
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by tigersandcatlover | 2008-12-07 21:19 | 歌舞伎・文楽


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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