カテゴリ:歌舞伎・文楽( 64 )

七月歌舞伎 in 松竹座

弾丸上京の日記書いてたら随分後回しになってしまった観劇日記です。

きっぱりと晴れた夏らしい休日に歌舞伎観劇。

仁左衛門さんがあまり観れなかったり、
歌舞伎というより時代劇みたいな演目がやや微妙だったりはしたものの、
席がすばらしくよかったので(最前列!)
役者さんの細かい表情も息遣いもわかって素直に楽しかった。
惜しむらくは第二の演目で振舞われた手ぬぐいをゲットし損ねたこと!
(>って、それ?w)。

つい習慣でイヤホンガイドを借りてしまったけれど、
よく考えたら双蝶々曲輪日記は何度も観ていたし、
二と三はわかりにくさゼロだし(爆)、
今日はいらんかったねえ、と言い合いながら。
実際、ほとんど耳から外してしまっていたし。
当たり前だけど、そのぶんぐんと舞台の音が迫ってきた。

終演後は法善寺横丁で遅い晩御飯。
タイムスリップしたみたいな浪花の夜模様でありました。

一、双蝶々曲輪日記  井筒屋 米屋 難波裏 引窓

    南与兵衛後に南方十次兵衛  
      仁左衛門、藤屋都後に女房お早  孝太郎
      濡髪長五郎  染五郎
      山崎屋与五郎  愛之助
      藤屋吾妻  春 猿
      三原伝造  段治郎
      平岡丹平  猿 弥
      おせき  吉 弥
      母お幸  竹三郎
      放駒長吉  翫 雀

関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)道頓堀芝居前  
   
      幹部俳優出演

三、竜馬がゆく 風雲篇

      坂本竜馬  染五郎
      武市半平太  愛之助
      西郷吉之助  猿 弥
      寺田屋お登勢  吉 弥
      おりょう  孝太郎

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by tigersandcatlover | 2010-07-23 07:37 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その3~新橋演舞場五月花形歌舞伎

 もうええ加減にせいや、と思われる節もございましょう。別の観劇予定(Dreamgirls)と絡めて上京するついでに欲張ってこちらも足を運んでみた。

一、一谷嫩軍記  熊谷陣屋(くまがいじんや)  
 熊谷直実;染五郎、源義経 ;海老蔵、相模;七之助、藤の方;松也、
 梶原平次景高;錦吾、堤軍次;亀三郎、白毫弥陀六;歌六

 何度か観た演目なれど、いつも泣ける熊谷陣屋。染五郎さんなんだよね?とちと意外な気持ちで熊谷に魅入ってしまった。

二、うかれ坊主(うかれぼうず) 
 願人坊主;松緑

 お弁当のあとって少し眠くなってしまうことが正直多いのだけれど、松緑さんが一人で踊るだけのこのシンプルな演目で、全く眠くならず。我ながらちょっと意外だったな~。

三、歌舞伎十八番の内  助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)  三浦屋格子先より   水入りまで            
 花川戸助六;海老蔵、三浦屋揚巻;福助、白酒売新兵衛;染五郎、
 くわんぺら門兵衛;松緑、三浦屋白玉;七之助、福山かつぎ;亀三郎、
 朝顔仙平;亀寿 、番頭新造白菊;歌江、通人里暁;猿弥、
 国侍利金太;市蔵、遣手お辰;右之助、三浦屋女房;友右衛門、
 髭の意休;歌六、曽我満江;秀太郎、口上;左團次

 珍しく水入りまで観れるということで、この公演を観ることにしたってえくらいのお待ちかねの助六。口上から入るというのがいかにも江戸歌舞伎らしい。成田屋さんが助六を演じるときの専売特許(?)とも言える河東節も初めて聴くのでわくわく。どうしても昨年の南座顔見世での仁左衛門さん助六・玉三郎さん揚巻という独断的には最強ペアを観てしまったのでつい比べてしまうけれど、やはりそれはそれ。楽しい時間でありました。個人的には染五郎さんの熊谷とのギャップにニンマリ。

 発売から時間たって購入したのでかなり後ろの席だったのだけれど、隣が大向こうさんだったので、幕間にいろいろ教えてもらえて面白かった。これもまた歌舞伎観劇の醍醐味なり。
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by tigersandcatlover | 2010-05-26 08:32 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その2~御園座 五月花形歌舞伎

 てことで、忘れないうちにどんどん行きます。

 雨の水曜日の午後、亀治郎さんの蜘蛛の精みたさに行ったといっても過言ではない、名古屋御園座。

一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序 幕 住吉鳥居前の場  二幕目 難波三婦内の場  大 詰 長町裏の場
 
  団七九郎兵衛;愛之助、徳兵衛女房お辰;亀治郎、一寸徳兵衛;亀鶴、
  玉島磯之丞;薪車、 傾城琴浦;宗之助、三婦女房おつぎ;吉弥、
  団七女房お梶;門之助、釣舟三婦;翫雀

 二度目の夏祭り~。一度目はこんぴら歌舞伎で海老蔵さんが団七とお辰の二役をするという珍しい趣向だったのだが(さすがにお辰がニューハーフみたいに見えちゃったけど>笑)、あの金丸座での泥に水だから凄いというほかなかった。で、今回。

 ともかく愛之助さんがものすごくはまり役。二枚目で強いだけじゃなくて、でもどこか不運やかっこ悪さがある役がここまで似合うのってニクイよねえ。亀治郎さんはこのお辰でもやっぱり笑いをとっていてこれまた別の意味で凄かった。ここで笑うか?というところでも劇場のあちこちでくすくす笑いが。

二、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)  市川亀治郎六変化相勤め申し候
 童熨斗丸・薬売り彦作・番頭新造八重里・座頭亀市・傾城薄雲実は女郎蜘蛛の精;亀治郎、
 平井左衛門尉保昌;愛之助、坂田主馬之丞金時;亀鶴、卜部勘解由季武;種太郎、
 碓井靭負之丞貞光;男女蔵、 源頼光朝臣;門之助

 実はこの演目、去年の二月に松竹座で一度観ている(リンクはそのときの拙日記)。なので今回は亀治郎さんの早代わりをしっかりだまされないように(?)見た。いやー、でもネタがわかってもやっぱり早くてかわいくて妖しい。松竹座ではカーテンコールがあったが、今回はなし。あったらもちろんうれしいが、ないのも歌舞伎らしくていい(どっちやねん)。
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by tigersandcatlover | 2010-05-25 21:32 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その1~團菊祭

 別にそうと狙ったわけではないが、歌舞伎観劇強化週間となってしまった5月のある週末から週末。まずは大阪松竹座;團菊祭 昼の部。

 歌舞伎座の改築に伴って、今回初めて関西で開催される團菊祭。ありがたいことです。ロビーには関東からのお客さんもたくさん来ておられた様子。

演目・出演者は以下の通り。

一、摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)  合邦庵室の場
  玉手御前;菊之助、俊徳丸;時蔵 、浅香姫;梅枝、
   奴入平;團蔵、母おとく;東蔵 、合邦道心;三津五郎

 途中どうなるねんこれ?というくらいの玉手御前の憎憎しさ。そのぶん最後の告白で涙涙。元は人形浄瑠璃だというのが本当によくわかる動き。

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)           
  武蔵坊弁慶;團十郎、富樫左衛門;菊五郎 、
  亀井六郎;家橘、片岡八郎;権十郎、駿河次郎;高麗蔵、常陸坊海尊;秀調、
  源義経;藤十郎

 ほとんど関西でしか歌舞伎を観たことがない私。恥ずかしながら生團十郎さんは初めてでうれしい。ただ勧進帳自体はむちゃくちゃ心惹かれる演目ではないので(様式美は素晴らしいと思うものの)、ちょっとぼやーと観てしまったかも。

三、天衣紛上野初花  河内山(こうちやま)
  河内山宗俊;三津五郎 、松江出雲守;錦之助、宮崎数馬;巳之助、
  腰元浪路;右近、北村大膳;團蔵、高木小左衛門;東蔵

 数年前に南座顔見世で仁左衛門さんの河内山を観たのでつい比べてしまう。いかんいかん、邪念なり。三津五郎さんのほうが、高僧と間違われても納得、かも。

 ずいぶんあっさりとした感想になってしまった。やはり観劇日記は早く書かないといけませんな。
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by tigersandcatlover | 2010-05-25 08:47 | 歌舞伎・文楽

三月花形歌舞伎~骨寄せの岩藤

e0164774_10504391.jpg 中日劇場での観劇後そのまま名古屋に一泊して、翌日は京都南座で上演中(3月27日まで)の三月花形歌舞伎へ。遠征~移動~連荘、と自分で書いてて呆れるわ・・・。

 さて、他の舞台と違って歌舞伎の場合は、昼と夜とで上演する演目が異なることが多い。そのため、普段は昼夜どちらの公演を観るか悩むことになるのだが、今回はまさに即決。絶対夜の部!とばかりに、通し狂言 加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)へ、いざ、ぁ、いざ~~(←歌舞伎口調)。

 というのも、猿之助十八番に数えられるこの狂言、大好きな(ええ、もうそう言っちゃいますよ!)亀治郎さん七役早替りの出ずっぱり。

 まずは美しい御台梅の方で美しく登場したかと思うと、お殿様である多賀大領に。そうかと思うと奴伊達平で大立ち回りし、悪役;望月弾正で不敵に高笑い。鳥居又助でコミカルだったりほろりとさせたりの一方、きりっと長谷部帯刀で登場。そしてそして圧巻はやっぱり怪しく憎憎しく、けれど何故かかわいらしく見えてしまう岩藤の霊。「花の山の場」では、この岩藤の霊が傘を片手に足をパタパタとさせながら蝶と共にふわふわと宙を行く趣向の宙乗りなのだけれど、これがもうなんとも怪しくてかわいい。そうかと思うと、祟るシーンでは歯をむき出して怨霊そのもの。なのに、ちらと見せるいじわるそうなコミカルな表情に観客がどっと受ける。そして、身のこなしの軽快なことよ!もうこれは亀治郎さんならではの芸やわあ~~。正直、N○K大河ドラマの演技では全然惹かれなかったのに、もうラヴです、ラヴ。

 その他の配役は以下のとおり(敬称略)。

安田隼人;獅童、二代目中老尾上;笑三郎 、花房求女;松也、又助妹おつゆ;壱太郎、谷沢数馬/花園姫;宗之助、蟹江主税;亀鶴 、蟹江一角;男女蔵、お柳の方;翫雀

 この日は特別席(一階桟敷席)で観劇。靴脱いでリラックスして、幕間には席でのんびりお弁当食べて。至福・至福の一夜だったことよのう~(またも歌舞伎口調)。
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by tigersandcatlover | 2010-03-16 22:28 | 歌舞伎・文楽

寿新春大歌舞伎~仮名手本忠臣蔵

 恒例の松竹座での寿新春大歌舞伎へ今年も行って参りました。

 去年のこの新春歌舞伎は昼・夜観にいったのだけれど今年は予定が詰まっていて夜の部のみ。本当はせっかくの通し狂言だし、昼夜通しで観なくてはいけないようなプレッシャーと、配役も上方歌舞伎でお馴染みのかたばかり(悪く言えばちと見慣れすぎ?)ってのもあって、当初はパスしようかな~と思っていたんだった。けれどやっぱり行くことにしちゃったのは、ズバリ『七段目』が観たかったから!ええ、討ち入りの段じゃなくて?と訊かれそう。実は2008年の秋に桂米團治さんの『七段目』(リンクはそのときの日記)を観てから、今なら別の目で楽しめるやろうなあと思って、上演されるのを待っていた演目だったのだ。すんません、順当な見方じゃありませんわね。

 さて、演目というか、以下の通りの段と配役(ちなみに九段目は今回は上演されず)。
 
七段目  祇園一力茶屋の場

大星由良之助;藤十郎、寺岡平右衛門;翫雀、
千崎弥五郎;薪車 、大星力弥;壱太郎、遊女おかる;秀太郎

 通し狂言なのでどれがどうと言うのも変だけど、時間的にも面白さ的にもこの七段目が特筆していた。笑ってドキドキしてヒヤヒヤして泣ける。秀太郎さん、時折痰の絡んだ席をしてはって、心配になったけど台詞では一切それを感じさせず。凄い!

八段目  道行旅路の嫁入

戸無瀬;藤十郎 、小浪;扇雀、奴可内;翫雀

 継母と娘の嫁入りのための道行の踊り。お弁当のあとだったので、ちょっと意識消失。

十段目  天川屋義平内の場

天川屋義平;我當、女房おその;吉弥、
千崎弥五郎;薪車、大星由良之助;藤十郎

 松嶋屋さんらしい我當さんのカッコよさ。『天川義平は男でござる~~』がぴったり決まって大拍手。余談だけど薪車さんがすぐ弥五郎だとわかってしまうので、義平の息子を斬ろうとしててもドキドキできなくて困った。

十一段目 師直館表門討入の場・同 広間の場・同 柴部屋本懐焼香の場

大星由良之助;藤十郎、大星力弥;壱太郎、
千崎弥五郎;薪車、寺岡平右衛門;翫雀
 
 ほんの20分ほどの演目なのに二回の場面展開。でも主たる登場人物すべてに見せ場があって大円団。焼香の匂いまでもが届くくらいの席だったので、妙にそのシーンでじんわり来てしまった。視覚聴覚はもちろんだけど、匂いってダイレクトに心に来る気がする・・・。

 以前も書いたけど、やっぱり通し狂言はどっぷり嵌れていいねえ。そして僭越なれどあっぱれ、と思ったのが、藤十郎さんの出ずっぱりなこと。ちなみに昼の部も全段出演していた。ひえー。
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by tigersandcatlover | 2010-01-23 08:28 | 歌舞伎・文楽

吉例顔見世興行

 京都の年末の風物詩、南座での顔見世興行を観て来た。去年は昼・夜とも行ってしまったが、今年は自制して(?)夜の部のみ。演目と出演者は以下のとおり。

第一 天満宮菜種御供(てんまんぐうなたねのごくう) 時平の七笑            
藤原時平;我 當 判官代輝国;進之介  頭の定岡;亀三郎  藤原宿祢;亀 寿  三好清貫;薪 車  春藤玄蕃;亀 鶴  左中弁希世;竹三郎  菅原道真;彦三郎

第ニ 新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)       
僧智籌実は土蜘の精;菊五郎  源頼光;時 蔵  侍女胡蝶;菊之助   渡辺源次綱;愛之助  坂田公時;権十郎  碓井貞光;男女蔵  ト部季武;亀三郎   巫子榊;梅 枝  番卒次郎;團 蔵  番卒藤内;松 緑  番卒太郎;翫 雀  平井保昌;梅 玉

第三 助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら) 三浦屋格子先の場           
花川戸助六;仁左衛門   三浦屋揚巻;玉三郎
くわんぺら門兵衛;左團次  通人里暁;翫 雀  福山のかつぎ;松 緑  三浦屋白玉;菊之助  朝顔仙平;愛之助  三浦屋傾城八重衣;吉 弥  同 浮橋;宗之助  同 愛染;亀 鶴   遣手おたつ;竹三郎  若衆艶之丞;團 蔵  母満江;東 蔵  髭の意休;我 當  白酒売新兵衛;藤十郎

第四 石橋(しゃっきょう)            
獅子の精;翫 雀  獅子の精;愛之助


 全体的な印象としては、去年に比べて舞台展開がない演目ばかりだったなーということ。<時平の七笑>も<助六>もセットは豪華なのだけれど。特に<土蜘>は能舞台を模したシンプルな中で観客が場の見立てていかなければいけない。だからというわけではないが、ちと眠くなってしまった。えーん、だって菊五郎さんもちょっとしか出てこないんだもん。

 まあ、でもそんなことはどうでもよくて、ともかく今回は仁左衛門さんの助六が大目当てで夜の部へ行くことにしたのだったよ。いやー、もう期待通り。惚れ惚れホレボレ。あまり細かくは書かないけれど、藤十郎さんとのデコボコ曽我兄弟ぶりが笑えた。でもって、翫雀さんの十二夜と被るタメのある過剰な演技といい、玉三郎さんの花魁のなんともかわいらしい気の強さ振りといい、愛之助さんの笑えるっちゃ笑えるけどちと勿体ない使われかたといい、書きたいことが多過ぎる。ともあれ、この<助六>一本だけで、大大満足な一夜でありました。

 惜しむらくは、隣の親子連れだよ!(と言っても中年と老年)もーう、ずっとしゃべりっぱなしだわ、ビニール袋をガサガサ言わすわ(膝の上に弁当抱えて観劇するのは止めて欲しい)、双眼鏡をいちいちケースに入れたり出したりでマジックテープをバリバリ言わすわ、あげく、幕間にコーヒーを買って戻ってきたはいいが、飲みきれず手で持っていたのをこぼしていた(泣)。彼らがしゃべるたびに、私の真後ろのおっさんが、『しー!』と言うのも気が散る。おっさん、その警告は敵には一切届いてないよ!(涙目)。と、なんか罰ゲームのような席だった。それでも、<助六>の間は舞台上に完全に集中できていたのだから、我ながら切り替えが早いというか、ゲンキンというか、でしたけどね(苦笑)。
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by tigersandcatlover | 2009-12-11 07:24 | 歌舞伎・文楽

七月大歌舞伎 NINAGAWA十二夜

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 シェイクスピアの喜劇を蜷川幸雄氏が歌舞伎仕立てに演出して、ロンドンでも大喝采を浴びての凱旋公演との前評判の 十二夜 を観て来ました。場所は松竹座。当初はね、パスしようかな~と思っていたんですよ。というのも、この春のムサシ(リンクはそのときの日記)で蜷川さんの喜劇のセンスは、どうも私にはわかりにくい・・・と思ってしまったから(ファンのかた、すいません!)。でも、やはり亀治郎さんの演技は見たい・・・、と散々迷った末、結局行くことに。発売からかなりたって決心したので、二階のかなり端っこの席。でも最前列だったので、視界は良好。さあて、どうなりますやら。

~あらすじ~ (歌舞伎美人のHPより)
 航海中、嵐に遭い、難破して双子の兄斯波主膳之助(しばしゅぜんのすけ)(菊之助)と離ればなれになってしまった琵琶姫(菊之助)は、舟長の磯右衛門(段四郎)の助けで、男装して獅子丸と名乗り、大篠左大臣(おおしのさだいじん)(錦之助)に小姓として仕えはじめます。
 大篠左大臣は、大納言家の織笛姫(おりぶえひめ)(時蔵)に想いを寄せています。しかし、姫は左大臣の愛に見向きもしません。その上左大臣の使者である獅子丸に一目惚れしてしまいます。その獅子丸、すなわち男装の琵琶姫は、ひそかに左大臣を恋い慕っているものの、男の姿ではどうにもなりません。
 いっぽう織笛姫の叔父の左大弁洞院鐘道(さだいべんとういんかねみち)(左團次)は、何かと小うるさい家老の丸尾坊太夫(まるおぼうだゆう)(菊五郎)に目の敵にされています。坊太夫が姫に心を寄せていると知った洞院(とういん)は、恋人の腰元麻阿(まあ)(亀治郎)、右大弁安藤英竹(うだいべんあんどうえいちく)(翫雀)らと日ごろの仕返しにと一計を企み、その計画にまんまとはめ、坊太夫は散々な目に遭ってしまいます。
 その騒動の最中、嵐の中、海賊に助けられ、九死に一生を得た主膳之助が現われます。獅子丸と瓜ふたつの主膳之助の出現に、織笛姫、大篠左大臣、獅子丸の恋の思惑が絡んで、周囲は大混乱。さて恋の行方は――。


斯波主膳之助/獅子丸実は琵琶姫 尾上 菊之助
     織笛姫  中 村 時 蔵
     右大弁安藤英竹  中 村 翫 雀
     大篠左大臣  中 村 錦之助
     麻阿  市 川 亀治郎
     役人頭嵯應覚兵衛  坂 東 亀三郎
     従者久利男  尾 上 松 也
     海斗鳰兵衛  河原崎 権十郎
     従者幡太  坂 東 秀 調
     比叡庵五郎  市 川 團 蔵
     舟長磯右衛門  市 川 段四郎
     左大弁洞院鐘道  市 川 左團次
     丸尾坊太夫/捨助  尾 上 菊五郎

 幕があくと、そこには鏡に映りこむ客席の光景。実はこれはマジックミラーになっていて、ふいにミラー越しに圧倒的なボリュームの枝垂桜のセット。あっというまに、物語に引き込まれる。この鏡というのがこの舞台では重要な役割を持っている。鏡に映るがごとく瓜二つの双子の兄妹のテーマでもあり、織笛姫が自分の気持を琵琶姫が扮する獅子丸に伝えるときに用いたり。舞台でもこの鏡が実に有効に使われている。同じ場面なのに鏡の場所を変えたり、マジックミラーの性質を上手に使って襖越しに登場人物の幻影を見せたり。うまいっ!といちいち唸りながら見ていた。

 さて、肝心のお芝居役のほう。菊之助さんが主役の双子を一人二役で演じる。妹のほうの琵琶姫を演じるときは、女性が男装しているという、のを男性が演じるわけで、ややこしいったら!でもそこはさすが、なんであった。最後は二人のご対面シーンなのだが、これはまあ、ちと笑ってしまう演出だったな(実際、感動のシーンのはずなのに、客席からは笑いが止まなかった)。
 
 菊五郎さんの二つの道化役の早変わりも翫雀さんの徹底的な三枚目役も、まあ笑えたが、一番笑えたのはともかく麻阿の亀治郎さんの演技。始めは、あれ?亀治郎さんがこんな役?勿体無いなあ~と思ったのだが、なんのなんの。舞台を食うとは、こういうことなのだろうか。登場シーンを重ねるにつれ、麻阿ばかり見てしまう。もう仕草・表情の何もかもが可笑しくて、本来は麻阿が中心のシーンじゃないのに、動くたびに・表情を変えるたびに客席から笑いが止まらない。いやはや、怪演でありました。もう一度、彼の演技を見るためだけに行きたいくらい。

 や~。強烈に満足しました。これまでいくつか見た蜷川作品の中では一番好み。食わず嫌いしないで本当によかった。やはり、役者の力の差というもなのかもな、とややいじわるに思ったりもしたけれど。
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by tigersandcatlover | 2009-07-12 09:43 | 歌舞伎・文楽

花形歌舞伎 in 京都南座

ひさしぶりの歌舞伎ネタ。京都南座で上演されている、花形歌舞伎を観てきました。京都は5月の週末にしては際立った混雑でもなく、ちと複雑な心持ち。そりゃ~空いてるほうが楽だけどね。
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小笠原諸礼忠孝 通し狂言 小笠原騒動

~あらすじ~歌舞伎美人より)
 ここは九州・豊前国。小笠原家では、お家乗っ取りを企む執権・犬神兵部(ひょうぶ)(橋之助)とお大(だい)の方(七之助)一味の陰謀が着々と進んでいた――。
 そんな中、狩りに出た藩主の小笠原豊前守(ぶぜんのかみ)(勘太郎)が白狐を射ようとするのを家臣の小笠原隼人(はいと)(愛之助)は押し止め、また藩政の乱れを意見するが、兵部やお大の方の言いなりとなっている豊前守の逆鱗に触れ閉門を言い渡される。
 兵部は、大望の妨げになると隼人に刺客を差し向ける。絶体絶命に陥った隼人の前に、最前助けた白狐の化身である奴菊平(愛之助)が現れ隼人を救い出す。

 隼人から分家小笠原遠江守(とおとうみのかみ)(萬次郎)への密書を託された召使のお早(七之助)は、その道中で兵部に加担する足軽の岡田良助(橋之助)に殺され密書を奪われる。

 妻のお早を殺された飛脚の小平次(勘太郎)は、すぐさま敵が良助と知る。一方の良助は、お早の怨霊にとりつかれた末に自らの愚かさを悟り、真人間に改心するが、女房のおかの(萬次郎)をはじめ、家族を一度に失ってしまう。
 それを知らない小平次は、水車小屋で激闘の末、良助を討つのだが、断末魔の良助から遠江守へ届ける兵部一味の連判状と訴状を託される。

 程なく通りかかる遠江守の行列に小平次は直訴をするのだが、その瞬間、一発の銃声が辺り一面に響いたのだった……。


~配役~
犬神兵部/岡田良助  中村 橋之助
小笠原隼人/奴菊平  片岡 愛之助
小笠原豊前守/飛脚小平次  中村 勘太郎
お大の方/小平次女房お早  中村 七之助
隼人妹小萩/林数馬  中村 壱太郎
良助母お浦  上村 吉 弥
良助女房おかの/小笠原遠江守  市村 萬次郎

配役からお分かりのように多くの役者さんが二役を演じている。愛之助さんは早代わりが何回かあって大忙し。狐姿がかわいい!(怪しいと言うよりも)。もうそれだけで結構満足だったりして(爆)。

もちろんそれだけではなく、人情あり、立ち回りあり、で4時間があっという間でありました。特に、四幕目第二場では水車小屋の仕掛け(小さなプールを舞台上に作るがごとく)を使って、水を盛大に観客席にまき散らかしながらの橋之助さん・勘太郎さんの大立ち回りが大迫力。

いや~、通し狂言って、やっぱ楽しい!

などと言いながら、通し狂言を観たのは、今回が二度目(だと思う)。今年の新春歌舞伎・夜の部(リンクは拙ブログ)で仁左衛門さんがウルトラ悪役を演じた霊験亀山鉾・亀山の仇討が初めてじゃないかな?舞台の有名どころの幕をみせるレビューのような公演ももちろんいいが、どっぷりその世界に浸れるというのが、なんと言っても通しの醍醐味だよなあ。それは昨日の読書日記を書きながらふと思ったように、やはりダイジェストや、シングルカットのようなものより、オリジナルなそのものを味わってみたい、という贅沢な欲望なのかもしれん。

ところで、今回は発売からかなりたってからチケットを購入したのだが、特別席がまだ空いていたので迷わずそこにした。昨年の顔見世で初めて座ったのだが、本当に楽。いわゆるボックス席みたいなスペースで、靴を脱いであがるのだが、掘りごたつ式になっていて机があるのだ。この机のおかげで妙にリラックスできるんですよね~。幕間のお弁当なんかもゆっくり楽しめるし。しかも少し高い場所なので前の人の頭が邪魔になって見えないということもないし。正面から観たい、という人も多いだろうけど、私はできたら特別席がいいな~。

てことで、特別席でこそ、の二段式のお弁当にしてみましたよ。
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by tigersandcatlover | 2009-05-24 10:01 | 歌舞伎・文楽

ブラヴォー、亀ちゃん!(二月花形歌舞伎 in 松竹座)

松竹座で今月25日まで公演されている
二月花形歌舞伎へ行ってまいりました。

花形とは、はなやかで人気のある人や物のこと(Wikipediaより)。

花形歌舞伎といえば華やかさだけにとどまらず、
若手の登竜門としての舞台として知られています。
登竜門といっても今回の面々を見て頂いたらわかるように
みなさんもうすでに実力・人気とも折り紙付きの役者さんぞろい。

(写真は歌舞伎美人のHPより)
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今回観劇したのは夜の部であります。
演目は以下の通り。

一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
              直吉  愛之助
             おえん  七之助
              助蔵  獅 童

吹雪の中、おえんと助蔵が命からがら小屋に辿り着いて暖をとっていた。
実はおえんは助蔵の兄貴分・直吉の元女房。
二人は密通ののち、駆け落ちしたんだった。
そこへ偶然、直吉も同じように小屋にやってくる・・・。


歌舞伎と言うより、お芝居。
それもそのはず、1935年初演で比較的新しい演目。

獅童さんの大げさな咳やら息遣いとか悲鳴には苦笑してしまったが
七之助さんの悪い女ぶりと、愛之助さんのええ男ぶりなことよ!

舞台上で猛烈に吹雪を舞わせていたため、
前から5列めくらいまでのお客さんの頭も服も真っ白になってはりました。

二、源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)
            斎藤実盛  勘太郎
              小万  亀治郎
             九郎助  亀 蔵
             小よし  吉 弥
             葵御前  亀 鶴
            瀬尾十郎  男女蔵

戦死した源義賢の妻・葵御前は臨月で、九郎助の館に匿われていた。
そこに、詮議のため、瀬尾と実盛がやってくる。
葵の子供が男の子なら生かしてはおけない、と言うわけだ。
けれど実は実盛は密かに源氏に気持ちを寄せていたのだった・・・。


勘太郎さんの独壇場のような舞台。
明るくあっけらかんとした感じの実盛で、死人も出るのだが、決して暗くない。
子役の動きのかわいらしさに観客(大部分がおばちゃん)大喜び。

三、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
  市川亀治郎六変化相勤め申し候

     傾城薄雲 ・ 童 ・ 薬売り
     番頭新造・座頭・蜘蛛の精  亀治郎
            平井保昌  愛之助
            碓井貞光  獅 童
            卜部季武  七之助
            坂田金時  亀 鶴
             渡辺綱  男女蔵
             源頼光  勘太郎

病床の源頼光には物の怪がついているらしい。
主人の警護をしていた貞光と金時の前に、怪しい童、薬売り、
新造、座頭、が次々とやってくる。
どうやら、それらは蜘蛛の精の変化らしい・・・。


今回の花形たち7人勢ぞろいの楽しい舞台。

亀治郎さん、凄すぎ。
早変わりのスピードはもちろんのこと
(ご本人は障害物レースのようなものと解説されてましたが)、
かわいらしさ、おかしさ、妖艶さ、怪しさ、美しさ、おどろおどろしさ、の
変わりようも凄い。

普段、歌舞伎の舞台にはカーテンコールはない。
けれど、今日は幕が降りても拍手が鳴り止まず、
なんとカーテンコール~スタンディングオベーション。
7人の花形たちが手を振って、まるで普通の舞台のよう。
けれど最後は歌舞伎らしく膝をついての礼。

伝統を守るという意味では?なのかもしれないけれど
うれしいサービスでありました。
なんか、若い力でこだわりなく変わっていくのって、いいね。
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by tigersandcatlover | 2009-02-19 08:33 | 歌舞伎・文楽


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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