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ルーヴル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画

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 大阪中ノ島のルーヴル美術館展~美の宮殿の子どもたち~(リンクは過去の日記)と対をなす?、京都市美術館ルーヴル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画~へ行ってまいりました。

 京都市美術館は平安神宮の真南。京阪東山駅からのんびり歩いて10分くらい。小学生の頃、京都に住んでたのもあって、京阪電車のこの辺りは路面電車だったな、とか、この川をプールみたいにして子供たちが泳いでいたなあ、とか懐かしく思い出す。それにしても、当時はなんとも思わなかったけど、つくづくこの巨大な鳥居のある風景はいかにもシュール。



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 平日の午後だったのだが、会場は大混雑。入場制限も緩くかけられていて、10分ほど待っただろうか。けれど制限も虚しく会場内はエライことに。びっしり人・人・人・・・。先日のゴーギャン展の混雑がかわいらしく思えるくらい。

 さて展示自体だが、ベラスケスの<王女マルガリータの肖像>、レンブラントの<縁なし帽を被り、金の鎖を付けた自画像>、ルーベンス<ユノに欺かれるイクシオン>、などが71点。近くに寄っていくのに苦労しながら。中にはルーヴル宮にあってはこんなに熱い視線で見られることのない作品もあったかもしれない(失礼!)。

 で、みなさんお目当てはこの二つよね。

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(画像は公式HPより)

 この『レースを編む女』作品と、あと数点だけはアクリルケースに入っていた(涙)。しゃあないんやろうけど。なんとなくパリで観たときより高い位置に展示されているせいか、顔つきが変わって見えた。





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 『大工ヨセフ』はルーヴルでは見落としてしまった作品(それとも貸し出されてた??確かめてないけど)。なのでかなりうれしい。上目遣いでじっとイエスを見つめるヨセフの何かを見透かしたような目の光が印象的。







 いや~。ほんま混み混みでしたわ。休日はいかばかりなんでしょうか。それにしても、ルーヴルではラトゥールもフェルメールも完全に独り占めできたことの贅沢さを今更ながら思ったのでした。
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 展覧会のあとは、美術館のすぐ南にある、AU TEMPS PERDUで遅いランチ。腹ごしらえして、さあ!はしごだ!
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by tigersandcatlover | 2009-07-31 06:40 | おでかけ

ひさしぶりにネイルサロンへ

 むちゃくちゃ久しぶりにネイルサロンへ行った。10年ほど前に気まぐれに何度か通ったことがあるが、予約に融通が利きにくかったのと、店内が狭くてがちゃがちゃして落ち着かなかったので、継続するということにならなかったのだ。でも夏休み前にちょっと綺麗にしときたいな~とガラにもないオンナゴコロで急に思い立ち、ネットで調べて電話したところ、今からすぐでも行ける、とのこと。こういうのって勢いが大事よね。

 初めて行くサロンだったのだが、これがなかなか感じがいい。ヤン○ーっぽいごっついつけ爪してるおねえちゃんじゃなくて、フレンチネイルをさりげなく施したスタッフたちが広々した店内でにこやかにお出迎え。最近のんって皆こんな感じなのかな?10脚ほどすわり心地のよさそうな椅子がゆったりと設置されている。巷によくあるハンドネイルだけするようなカウンター式の施術台はなく、手だけの場合もこの椅子で出来るとのこと。ズラリと横に並んでせせこましくネイルしてもらうのがイヤだったので、これはうれしいかも。

 ところで、本当はペディキュアだけしてもらうつもりが、並行してできますから同時に手のお手入れもどうですか?と言うので、形だけ整えてもらった。すると、今度は手のお手入れは1週間に1度来ていただくと、見違えるほど綺麗になりますよ、とさりげなく通院、もとい、定期的なお手入れに通うことをすすめてくる。ほー。これがセールストークというやつなんやな~。ご用心、ご用心。

 ・・・いや、でも私もよう考えたら同じようなことを日々言ってるなあ。『きちんと通って血圧を下げないと脳梗塞なんかになりやすくなっちゃいますから、ちゃんと通いましょうね~』とかさ。で、それは別に商売っ気というわけでなく、心からそう思っての言葉なわけで。となると、逆に私の言葉をセールストークと感じている患者さんがいてもしょうがない、ってことよね。

 とかなんとか、サーヴィス業の奥深さにしみじみとなりながら、の久しぶりのネイル体験でありました。で、通うのかって??へへへ。とりあえず、夏休みの前日に手も色を塗ってもらうことにして予約しちゃいました。派手な色、塗ってもらおうっと。・・・カモネギですねえ、我ながら。

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おまかせでかわいいと思うやつ塗って!と言ったら、黄色いスイカのごとくの色になった。これで黒いトング履いたら、まさにタイガースカラーやん?野球のハナシはせえへんかったはずやのになあ・・・。
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by tigersandcatlover | 2009-07-30 07:40 | 徒然やら日記やら

螻蛄 黒川博行著

e0164774_1752470.jpg この方に教えていただいてから、新刊が出るたびについ買って読んでしまう黒川博行さんの『螻蛄』を二晩かけて読んだ。

 タイトルの漢字、読めません~~(涙)。ええと、<けら>と読むらしい。Wikipediaによると、ケラ(螻蛄)は、バッタ目(直翅目)・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科(Gryllotalpidae)に分類される昆虫の総称で、特に地中での生活に特化したグループであるとのこと。ほほう(>意味不明な納得のため息)。

 ~あらすじ~(「BOOK」データベースより)
「疫病神」コンビ、待望の復活。自称「建設コンサルタント」の二宮とイケイケヤクザの桑原は、五百万の信者を擁する伝法宗慧教寺派の宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルを嗅ぎつける。絵伝を金にしようと画策する二人を待ち受けるのは、巨大宗派の蜜に群がる悪党たち。最後に笑うのは一番の悪党か、羊の皮をかぶった狸・二宮か。巧妙な罠、逆転に次ぐ逆転、想像も及ばぬ金儲けの手法…ページをめくる手が止まらない、大人気シリーズの新たなる頂点。ノンストップ・ノワール・エンタテインメント。

 またまた、ほほう(>エラソウ?)。『暗礁』以来の桑原・二宮疫病神コンビ復活かい!待っとったで~。

 昼休みにいそいそと本屋へ出向いて、午後の仕事が終わるのを待ちわびて、夕食もそぞろにテレビもつけずに本を開く。前作の『煙霞』を読んだときの二の舞にならんように、自宅での完璧な読書体勢を取ることにした。すなわち、ソファに寝転んで胸の上にクッション乗せてそこに本を置いて読む、という体勢である。だらしないことこの上ない。でもこれがなんとも具合いいんよね~。腕も疲れへんし、肩も凝らへんし。ああ、極楽。

 これまで、いろんな業界の裏を見せてくれた黒川氏だが、今回は僧侶の世界。ああ、こんなことありそうやな~、やらしいな~、と思いつつも、決して正義の味方ではない(いや、むしろ真逆)疫病神コンビが彼らの裏をさらにかく。毒をもって毒を制してるだけなのに、爽快、ってどういうことなん?

 そんなわけで、至福なる長い夜を二回、じっくり楽しませてもらいました。なんかまだ余韻たっぷりで、頭の中がびっしり大阪弁(それもややガラの悪い)で占拠されている。誤って口から出てこないようにせんとね!
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by tigersandcatlover | 2009-07-29 08:36 | 読書

続・無性に食べたくなるもの

 だいぶ前に、無性に食べたくなるものというエントリーを書いたっけ(たしか、そのときはオムライス、マクドナルドのハンバーガー、ヴィタメールのショコラ・ショーをあげたと思う)。さて、先週明けの食中毒からの病み上がりに、普段はちょっと栄養価的にどうなん?と我慢しがちなものを続けざまに食べた。自分を甘やかしたというか、本能に従ったというか。

1)たこ焼き 
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 大体関西人の家にはたこ焼き器があるもんや、という都市伝説(言葉の使い方間違ってる?)があるようだが、わが生家にはそんなうらやましいもんはなかった。子供心にたこ焼きへの憧れはあったものの、母が作ることも買うことも好まなかったため、たぶん実家を離れるまでの20年弱の人生で両手の指くらいしか食べたことがなかったと思う。そんなわけで、時々駅前なんかでミニバンの後ろにたこ焼き器載せて、作り売リしているおっちゃんに『たこ焼き一人前ね』とか注文するとき、大人ってええなあ、と思う。・・・ちっちゃ!


2)ラーメン

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 何度かチャレンジしたのにいつも満席で涙を飲んでいた六甲の名店 しゅはり の『チャーシュー1枚の塩ラーメン、半熟卵のせ』をついに味わうことが出来た。ここのんは、卵麺じゃなくてまるで韓国冷麺のような色合い・歯ごたえの独特の麺が特徴。美味。じつは恥ずかしながら、ラーメン屋さんに1人で入るのって初めて。大人って・・・(以下略)。






3)うなぎ
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 土用の丑に大好物の鰻を食べ損ねてしまったワタクシ。その後もなんやかやと機会なく、二週間遅れほどにもなってようやく鰻を食すことができた。三宮の丸高(山信の娘さん夫婦がされてるらしい)にて。呼び水となってしまったのか、今は本家・山信さんか、mさま御用達の芦屋の三佳さんの鰻が食べたくなってしまっている。

 ともあれ、健康でおいしく食べられるってなんと素晴らしいことであろうか。

麺道 しゅはり 
078-843-1806
神戸市灘区桜口町5-1-1 ウェルブ六甲道5番街1番館1F
11:30〜14:00、18:00〜23:00
休日 (月)、第2(火)((祝)の場合翌日)

丸高
078-221-0606
神戸市中央区雲井通7-1-1 ミント神戸 B1F
11:00~22:00(L.O.21:00)
定休日 不定休(ミント神戸に準ずる)
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by tigersandcatlover | 2009-07-28 20:51 | 外食しました。

優雅なハリネズミ ミシェル・バルベリ著

e0164774_1837574.jpg 『至福の味』でデビューしたフランス人女性作家の第二作め。今年1月に図書館に予約したのが、半年以上たって、ようやく順番が回ってきた。  

 ~あらすじ~(「BOOK」データベースより)

自分の知性をひた隠し、アパルトマン管理人の典型を生きようとする未亡人ルネ。大人たちの世界のくだらなさに幻滅し、自殺を志願する12歳の天才少女パロマ。二人は並外れた感性と頭脳を持ちながらも、世間との係わりを拒み、自らの隠れ家にこもっていた。しかし、ミステリアスな日本人紳士オヅとの突然の出会いによって、二人の未来は大きく開かれるのだった―哲学、映画、音楽、絵画、文学、そして日本文化へ自由自在に言及しながら、パリの高級アパルトマンに住む人々の群像をユニークに描き上げ、今世紀フランス最大のベストセラーを記録した感動物語。フランスの「本屋大賞」受賞。  

 ルネとパロマの一人称による短い章の積み重ねで物語は進んでいく。二人とも書籍やテレビから得た知識がパンパンに詰まっているような感じで、小難しいことは書いているのだが、どこか幼稚な考えが見え隠れして(パロマは12歳だからしょうがないとしても)、他者とのかかわりを持たないで暮らすことの蜜と不完全さを見せてくれる。でも、彼女たちのような生活にうっかり憧れてしまう部分が私自身にもあるかもしれない、と思わされて他人事じゃない。ゆるやかな引きこもり、とでも言おうか。  

 その彼女達の目を外に向けさせるキーパーソンとして登場する日本人・オヅ氏がスマート過ぎる!それを筆頭に、ちと日本人・日本文化を理想化し過ぎていて、むずむずするところもあるが、これはお互いさまと言うことで(われわれ日本人もフランス人を無闇に礼賛してしまってはいないだろうか)。
  
 作者は日本好きが昂じて、2008年より京都に移住しているとのこと!まあ、びっくり。日本で執筆された作品がどんなものになるか不安なような、楽しみなような。幻滅してはらへんかったらええんやけどね・・・。ま、基本的に日本人は西欧人には変に親切だから大丈夫かな??

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 ところで、なんとも映画的な小説だ、と思っていたら、すでにフランスで映画化されたらしい。2009年7月3日公開で、タイトルは Le hérisson (リンクは公式ページ;そのものズバリ、『ハリネズミ』の意)。オヅ氏のアパルトマンのインテリアが映像で見てみたい。
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by tigersandcatlover | 2009-07-27 16:11 | 読書

お菓子教室・個人レッスン?

 月に一度のお菓子教室の日。もともと一回のレッスンが定員5人のこじんまりした教室ではあったが、今回はなんと私一人。正真正銘の個人授業でありました。少し寂しく、でもむちゃ贅沢な時間。なんか教室というより、一緒にわいわいとケーキ作ってる、みたいなムードで。

 メインメニューはタルト・スリーズ
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へーゼルナッツパウダーの入った少し緩めのタルト生地を絞って形にしていく。中はアメリカンチェリーのジャム。パイじゃないんだけど、見た目はアメリカンパイのよう(本当のアメリカンパイはアップルパイなれど)。しっかり焼くので、巨大なクッキーと言ったほうがいいかな。一ヶ月くらい日持ちするらしいので、ちびちび楽しむこととしよう。

e0164774_2233324.jpg デモンストレーションメニューはサヴァラン。こちらは、シロップのたくさんかかったパンみたい。でもこれを冷やして食べると適度な甘みでむちゃおいしい。生地作って発酵させて成型して焼いてシロップに浸して絞ってアプリコットジャムを塗って、さらにクリームパティシエールを中に詰める。書いてるだけでその手間にクラクラしてきた。

 せっかくの試食タイム、私一人だと勿体無いな~と思い、近所に住んでいる卒業生さんに声をかけたところ、二つ返事で飛んできた(笑)。そこからしゃべるしゃべる。気づいたら2時間近く経っていた。ついついおしゃべりに夢中になってしまい、アメリカンチェリーのジャムを火にかけているのをすっかり忘れて焦がしてしまうくらいに。というわけで、こじんまりと、でも賑やかなレッスンとなりました。

Conversation 広実香織お菓子教室
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by tigersandcatlover | 2009-07-26 21:57 | Sweets中毒

鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人

 ゴーギャン展のあと、初台にある東京オペラシティアートギャラリーで開催されている『鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人』を観にいくことに。オペラシティ?初台??どこや???と思いながらも、東京の地理に疎くともiPhoneがあると初めての場所でもどんどん行けるような気がするから不思議。

  前々回の日記でも書いたが、実はこういった現代アートには全くもって疎い。申し訳ないが、鴻池さんの作品も今まで拝見したことがなかった。けれど、それがかえってまっさらな状態で観ることができて、よかったような気がする。

e0164774_2134525.jpg チケットを購入して、エントランスに進んでいくと、右手の窓際のソファに、『インタートラベラー』(撮影可能)が展示してある。私はSさんのブログで知っていたけれど、突然だとかなり ぎょ! とすると思う。

 <地球の中心への旅>ということで進んでいくこの展覧会。まずは、地表0mという小さな標識から展示室に入っていくと、真正面の白い壁に書かれている彼女の文章で、もうヤラレてしまった。詳しい内容はここでは書きませんが。右に目を向けるとモノクロームの開いた襖絵(『隠れマウンテン』)。天井の高い広々した空間に真っ白なカーテンがかかっている。その下には標本箱のようなケースが渦巻き型にたくさん並んでいて、シンとした空気。そうかと思うと、次の空間はにじり口から入るごとくの真っ赤な部屋に、圧倒的なカサブランカの匂いと一気に色彩の溢れる不思議な絵。濃密。
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第3章―遭難(画像は東京オペラシティアートギャラリーHPより)  左の物体は心臓。なんの?

 あとはもう書きません。これ以上書くと全部ネタバレしてしまいそう(まあ、私の記憶力・描写力ならバレたことにはならないだろうが)。ともかく、そんなふうに、開~閉、無彩色~鮮やかな色、無臭~濃密な匂い、明~暗、静~動、というようにどんどん感覚が揺さぶられていく。さしずめ、上質なテーマパークのアトラクションのように。地球の核たる『Earth Baby』は本当にちょっと眩暈になってしまいました。人間の視覚による錯覚を考えつくされてるわ~と思いながら(回転する光点の軸が複数あるために、脳が混乱を来たすのだ)。狼のカーテンはちと恐怖を感じてしまったが(なーんて言いつつ触っちゃったけど)。二箇所のモニターに映し出されるアニメーションは、是非通しでご覧になることをおすすめしたいです(みみお 『冬の最後の日』はじわりと効く)。

 あと、やはり鴻池さんによる、作品の解説の文章がともかくよかった。どれもが詩的で、ちょっと大仰で、なにやら意味ありげ、なんである。これがそのまま読めるなら、2009年9月出版予定の作品集『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』 を買ってもいいかと思うくらいに。ちょうど、萩尾望都や大島弓子や故三原順などの詩的で文字の多い70年代のコミックが好きな人間には溜まらん展示だろうな、と思ったのだった。え?私?もちろん、例に漏れず、でありますよ。

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その証拠のように、ポストカード三枚とオオカミのピンバッジを買ってしまったし。ひとつ関係ないのも混じってるけど。

鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人
KONOIKE Tomoko: Inter-Traveller
期間:2009年7月18日[土]─ 9月27日[日]
会場:東京オペラシティアートギャラリー(3Fギャラリー1・2)
開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日は開館)、8月2日(全館休館日)
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by tigersandcatlover | 2009-07-25 07:33 | 国内旅行

ゴーギャン展2009

 さて、連休最後の海の日。東京国立近代美術館で開催されているゴーギャン展2009へ。

 昨年秋に、バルガス・リョサ著 楽園への道(リンクは拙なる読書日記)を読んだ。この本はポール・ゴーギャンと、その祖母であるフローラ・トリスタン(労働組合の設立のためにフランス国内を奔走し、若くして逝去)の人生を、一章ごとに交互に物語を進めるかたちで、浮き彫りにしていく物語だ。ストイックに自分の理念を曲げず突き進んでいくフローラと、気持ちの赴くまま、これまた自分の欲望を決して曲げず半ば堕ちていくポール。この対照的な一方、ものすごく似ている二人の人生にクラクラした。その後、いくつかの展覧会や、美術館でゴーギャンの作品を観る機会があったが、それまでとは全く違う目で観てしまう自分がいた。作品の後ろに彼の人生を見てしまう、というか。もちろん、そういう風に芸術を鑑賞する楽しみを知っている人は多いだろう。けれど、舞台であれ、小説であれ、その作品の作者の人生をここまで透かしてみてしまうことは、私にはなかった。そんなわけで、ゴーギャンの絵そのものも勿論だが、彼の堕ちていく人生の片鱗が見たくて、一日余分に東京滞在して、この展覧会に行くことにしたんだった。もちろん、芸術新潮もしっかり買って読みましたよー。ああ、長い前置き。

 東京駅から近代美術館まではシャトルバスが運行されるということで、荷物をコインロッカーに入れて始発のんで行こう!と張り切っていたが、ここで目算が外れる。まず、駅構内のロッカーの空きがない!いや~、連休の東京って凄いねえ。カートをゴロゴロ転がす観光客が血眼になってコインロッカーを探している。ちょっと怖い光景でありました。もう荷物持って歩くか!と途方に暮れていた私の目の前で、荷物を出している女性がいたので、じっと後ろで待ってなんとか確保。そして、次はシャトルバス乗り場の場所がわからへん!八重洲口を出てしまったのだが、どうやら、日本橋口で発着するとのこと。まあ、そう言っても同じ一つの駅の出口だからそんなに距離はないだろう、と普通の駅の感覚で歩き出したのだが、いつまで東へ歩いても到達しない。なんか不安になってきたなあ~と半分くらい戻ってしまったり。結局、普通の駅のホーム三つ分くらいの距離を歩いてようやく到着。いや~、東京駅って大きいんだねえ。乗り場につくと、そこはすでに大行列。二台乗り過ごしてようやくバスに乗り込んだ時にはすでに10時半を回っていた。あ~疲れた。

 それでも会場の入り口はそれほどの混雑ではなく、すっと入れてほっとした・・・のもつかの間。中は大混雑。それも、初期のブルターニュでの作品~第一期タヒチ時代~ノアノアの原画のコーナーまでは大変なことになっていた。これ、入場制限したほうがええんとちゃうか?あまりのことに、呆然としながら、ええい、ともかくこれだけは観よう!と満員電車の中を掻き分けるようにして、我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか の展示スペースへ向かう。ここだけはこの一つの作品のために、巨大なスペースを用意してあったのでゆっくりとぐいぐいと前に行って最前列でじっくり鑑賞できた。
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やはり、これはゴーギャンの集大成なんやな~。これまでの彼の作品で繰り返し登場したモチーフ大集合。そして、これまでどちらかというと、ちゃらんぽらんで下半身だけで生きていて家族を省みることなどなかった彼が、娘を亡くした絶望からキャンバスに向かった作品と思うと余計に。まあ、身勝手極まりないわけだけどね。

 そのあとの最後の部屋までくると案外空いている。やや拍子抜けして、ここはじっくり堪能。ファア・イヘ・イヘ(おめかし)とか浅瀬(逃走)とか。このへんの作品が一番好きかも。
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このファア・イヘ・イヘ。なんか違和感?と思っていたら、タヒチ時代のゴーギャンの作品の中では珍しく、鮮やかな青が全くない。赤銅色の世界。図録などでみると、我々は~と同じような横長なので、大きい作品を予想していたら意外と小ぶり。

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 さすがにあまりに駆け足で最後まで来てしまったので、その後逆行して、かぐわしき大地(18歳の時に大原美術館で初めて観たのをよく覚えている)や、それとごくごくテーマが似通っている異国のエヴァに見入る。つくづく、ゴーギャンって同じようなポーズの絵をたくさん描いてるなあ。まあ、画家はすべからくそうですわね。みんなしつこいくらい、同じテーマ、同じ構図を延々呪われたように描き続けてるもん。あれ、どうしてなんやろう。いつまでも自分の思う完成形にならないからなんだろうか。




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 そして純潔の喪失(テーマはさておき、色合いが美しい)や、海辺に立つブルターニュの少女たち(この頃から、タヒチ時代の片鱗が垣間見えている)、ノアノアに収録された版画なんかも結局全部みてしまった。それでもやはり、後ろへいくほど空いている展覧会だったなあ。単に動線の問題なのかもしれない。

 
 ところで、余談だが、予想と違った点がいくつか。
1)当初、この展覧会はゴーギャンの作品発表順ではなく、テーマごとにまとめて展示されると聞いていたような気がする。ところが、ばっちり順列だった。いや、それだけ、ゴーギャンの生き様が絵に現れているんだろう。絵のテーマと人生が切り離せないくらいに。
2)会場は作品の保存のためにかなり寒くなっているとのことだったが、これが全く予想外。むしろ人いきれで暑苦しいくらいだった。人間ってむちゃエネルギー発生してるんやわー(ここで、ふと映画マトリックスを連想してしまった)。
e0164774_17442918.jpg3)それほど期待してなかった所蔵作品展『近代日本の美術』が案外よかった。空いてたし。藤田嗣治のパリ風景(1918年作;彼がパリに移り住んで数年後の作品で、泥水のようなパリの中を手押し車を押した男が歩いている)や、川田喜久治写真群ラスト・コスモロジー(モノクロの写真たち。偶然にもタヒチのゴーギャン美術館の一枚もあった)が印象深かった。

・・・さっ。次は初台だ!
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by tigersandcatlover | 2009-07-24 07:00 | 国内旅行

耐えて咲く?

3days TOKYOのレポが途中だが、野球観戦日記を先に書く。楽しい内容とちゃうけど・・・。

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 7月22日。部分日蝕を職場の窓から垣間見た日。前夜より激しい胃腸炎の症状を起こして、寝不足~脱水でよろよろと午前の仕事を終える。半ドンの水曜日、ランチ~甲子園という予定を立てていたが、無理っぽい・・・。ランチをキャンセルして、自宅で夕方まで寝た。本当は野球観戦もパスしようと思っていたが、幸い、熱も下がったし、お腹もだいぶマシになってきた。と言うわけで、『途中で帰ることになるかもよ!』と宣言しながら球場入り。苦しい苦しい試合だったが、なんとか最後まで応援した。

~今日の試合経過~
 先発は阪神・岩田、ヤクルト・館山。ヒット11本で5得点というヤクルトの効率いい攻撃に対し、タイガースは同じく11本のヒットを打ちながら、3回の併殺打や牽制アウトなどで、結局館山に4年ぶりの完封勝利をプレゼントしてしまう。岩田の足をひっぱるような守備のミスも目立った。


 前が通路という視界良好の席だったのと、風が気持ちよくて暑すぎなかったんで、自宅のテレビで悪態ついて中継みているよりは精神衛生上よかった(と思うことにしよう)。鳥谷が脚にデッドボールを受けたために、途中からショートに大和が出場したのだが、さっそくヒットを二本(うち一本はラッキーなポテンヒット)打ったのが、唯一未来へのいい材料かな。

 あまり食欲がなく、カレーや兄貴のスタミナハラミ丼は食べる気になれず、真弓監督プロデュースの焼きおにぎりセットを買って二つ入っているうちの一つだけ食べた。
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 なんかこの巾着に書かれた文字、意味深すぎへん?『咲く』かどうかは別にして、『耐える』て・・・。まさか開幕前からこの展開が弁当業界には見えていたのか??それとも真弓監督の予感か。むむう。
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by tigersandcatlover | 2009-07-23 07:49 | 野球(タイガース)

名和晃平さん個展と東京オフ会その2

 帝劇でのマチネのあと、もはや上京の度にお時間作って頂いてるSさま、そして初めましてとは思えないMさまと待ち合わせて、銀座エルメス・メゾン8階ギャラリーで開催されている名和晃平さんの「L_B_S」展へ。実は現代アート音痴のワタクシなのですが、Sさんと、そして彼のファンでもあるOさんのブログで拝見して、俄然興味が湧いたんだった。
 
 Liquid(液体)、Beads(ビーズね)、Scum(泡)の頭文字を並べたタイトルの展覧会。このテーマに沿って一つずつの作品が贅沢にスペースを使って展示されている。

 まず、目に入ったのが、Beads。画像はTOKYO ART BEATより
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この大小のビーズでエルクをびっちり覆った作品の前から離れられなかった。透明な泡の如くのBeadsごしに覗く毛皮や舌、目が生々しい。肉体だけでなく、魂を閉じ込めているみたい。はじめにそのスペースに入った時間帯はまだ明るかったためか、ビーズの光に隠れていたごとくのエルクが、夕暮れになっていくにしたがってゆらり、とその姿を現したかのようだった。

 その奥に展示されていたのが、Scum。さまざまな物体が、まるでボンベイの遺跡に残されたものたちのように小から大へと並べられている。今覚えているだけで、小さな箱・ライター・手榴弾・象のジョウロ・スーパーマリオ・ミッキーマウス・バナナ・スニーカー・鳥にうさぎの置物(エルクのことがあるけど、リアルちゃうよね??とか言いながら)・頭骨(と言うと一角獣を思い出すのがハルキスト)・掃除機もあったかな?・中国の寺の模型のようなもの・車椅子・彫像・仏像などなど。ひとつだけ、よくわからないのがあったなあ。

 そして、反対側のスペースにはLiquid。
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シリコンオイルに空気を通すことで破裂することのないシャボン玉を作っているような作品。子供の頃、壊れないシャボン玉があったらいいのに~と思ったっけ。ヘリにかがんでたくさんの虹の如くの泡の断面をじっと見ていたら、立ち上がるときにちょっと眩暈がした。周りにスツールなんかがあったら、ずっと泡を眺めていたと思う。

 実際この目で見るまでの今回の展覧会のイメージは、無機質・近未来的・幻想的なんかな?と思っていたのだが、これが全く違った。むしろ、むちゃ有機的で生々しく、生命の誕生やそれが朽ちていく時間ようなものを感じた作品たちでありました。つぶつぶイボイボが苦手な人は、ざわざわするやろうな~と、アホなことをちと思ったりして。

 エルメスの店内という魔境は片目を閉じてそそくさと出て、銀座の夕暮れ時を歩く。ヴィラモウラというポルトガル料理屋さんで、Oさまと合流して、4人で楽しく夕食を。鰯のパテ、ムール貝、グラタン(!)、鍋などを汗をかきながら平らげた。食事のあとは帝国ホテルの喫茶へ場所を移し、10時半くらいまでつきることなくおしゃべりしておりました。Halekulaniとの提携記念メニューがむちゃ気になりつつ、マンゴーチーズケーキをぺろり。Sさん、Mさん、Oさん、お付き合いありがとうごさいました!

L_B_S/名和晃平
会期:2009.6.19(金)-9.23(水)
月~土曜 11:00~20:00(最終入場19:30) 
日曜 11:00~19:00(最終入場18:30)
会期中無休(但し7月15日(水)、9月16日(水)除く)
入場無料
会場:メゾンエルメス8Fフォーラム 中央区銀座5-4-1

VILA MOURA
03-5537-3513
東京都中央区銀座6-2-3 ダヴィンチ銀座アネックスB1
月~金 ランチ11:30~15:00(L.O.14:00) 
ディナー18:00~23:30(L.O.22:00) 
土・日・祝 12:00~22:30(L.O.21:00) 
無休 
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by tigersandcatlover | 2009-07-22 09:28 | 国内旅行


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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