<   2010年 01月 ( 27 )   > この月の画像一覧

ウーマン・イン・ホワイト

 Andrew Lloyd-Webberが曲を手がけたサスペンスミュージカル ウーマン・イン・ホワイト を観てきた。場所はシアターBRAVA。2007年日本初演からの再演になるこの作品。ヒロインの玲奈ちゃん以外はガラリとキャストが変わっている(と言っても前回は観ていないんだけど)。

~キャスト~

マリアン・ハルカム;笹本玲奈 
ウォルター・ハートライト;田代万里生
ローラ・フェアリー;大和田美帆
フォスコ伯爵;岡幸二郎
アン・キャスリック;和音美桜
パーシヴァル・グライド卿;パク・トンハ
フレデリック・フェアリー;光枝明彦 

 席につくと、幕の向こう下手の二階席くらいの高さにオケが設置されているのが見えてびっくり。幕が開いて万里生くんが『誰か~~♪』と歌いだした途端、ああ~ALWの舞台や~~と思った。むちゃくちゃ難しそうな、でも耳に残る曲。ストーリーは基本的にミステリーで暗い曲調が多いのだけれど、マリアンとローラの異父姉妹と屋敷に雇われた画家・ハートライトの淡い恋模様シーンの三重唱の美しいこと。これはたぶんに万里生くんのテノールの美しさに負うところが大きいかな?

 玲奈ちゃんは貫禄すら感じさせる演技で36歳の設定に違和感を感じなかったほど。そして岡さん!
怪しいイタリア人医師を半ば楽しむように演じてはりました。彼が出てきただけでくすくす笑い声が劇場に起こっていた。

 ストーリーはあとから考えると多少ツッコミどころはあるにせよ、最後までかなりハラハラドキドキ引き込まれて観ていた。結末を知ってから観るのも味があるやろうな~~。とすでにリピート推薦(笑)。でも悲しいかな、大阪公演はたったの三回で、しかもこの大阪で大千秋楽なのだった。再演、ありますように!

 終演後、プリンシパル7人勢ぞろいのトークショーがありました。指揮の塩田さんが司会(?)でちょっとぐだぐたな感じのもちろん楽しい時間でした。パクくん、噂には聞いていたけど、むちゃくちゃおもしろい!大和田さんの天然ぶりも、和音さんの関西弁まるだしおばちゃんトークも味わい深く。ともすれば暗くて切ない物語のあとだったせいもあって、涙が出るほど笑ってしまったよ。
 
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by tigersandcatlover | 2010-01-31 09:34 | ミュージカル

絵画の庭~ゼロ年代日本の地平から

 JRの構内に目が吸い寄せられるような少女の絵が掲載された展覧会のポスターがあった。ちょっと怒ったような目の異様に大きいおかっぱの女の子の顔。このポスターの絵に遭いたくて、中ノ島の国立国際美術館で開催中の(4月4日迄)絵画の庭~ゼロ年代日本の地平からへ行って来ました。きっかけってそんなもんだよな。

  中ノ島に移転して5年目となった国立国際美術館。普段は二つの展覧会を並行して開催していることが多いのだけれど、今回は5周年記念ということもあってか、地下三階~二階にかけての展示室すべてを存分に使って、28人の日本人現代アート作家の作品がずらりと展示されていた。

<出品作家(敬称略>
会田誠、青木陵子、秋吉風人、厚地朋子、池田光弘、岩永忠すけ、O JUN、小沢さかえ、加藤泉、加藤美佳、草間彌生、栗田咲子、後藤靖香、小林孝亘、坂本夏子、杉戸洋、タカノ綾、中山玲佳、奈良美智、長谷川繁、花澤武夫、はまぐちさくらこ、法貴信也、牧嶋武史、正木隆、町田久美、村瀬恭子、森千裕


 印象的だった絵のタイトルをメモがわりに羅列させてください。

After the Acid Rain 奈良美智(2006) 目がキラキラと文字通り光っていて、むちゃかわいい。テーマには毒あれど。
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Around Liliac Rock#4 村瀬恭子(2009) こういう系統の色を使った絵に何故か惹かれる気がする。
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優しいひとたち 町田久美(2007) なんでこれが<優しい>んだ?と思いながら目が離せない感じ。
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あぜ道 会田誠(1991) 本当はジューサーミキサー(2001)のほうがぞわぞわと嫌悪感湧いて印象的だったんだけど、にっこり出来るほう、ってことでこれ。
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そして目指す少女の絵(本当は人形製作~撮影~創作の手順を踏んだ人形の絵とのことだが);カナリア 加藤美佳(1999)は案外ひっそりと普通に展示されていた。
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想像より大きい作品で、もう少しゆったりしたスペースで見たかったかも。

 駅や街角に貼られているポスターにはもう一つのバージョンがあって(実はこっちのほうをよく目にした)、それは奈良美智氏のThe Little Judge (2001)。
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よく考えたら、これもおかっぱのちょっと怒ったような眼差しの女の子やなあ。まあ、偶然とは思うけど。実際展示でも地下に降りるエスカレーターからも見える一番目立つ広々とした空間にに一点だけ置かれていて、まさに特別扱い。

 ところで、展覧会のタイトルからの第一印象では、シックでやや和の要素の入ったものを想像してしまったのだけれど、どうしてそんな風に思ったのか今となっては自分でもよくわからない。いずれにせよ、全くそのイメージとはいい意味でかけ離れていた。総じて動線がよく・混雑もなく、快適に鑑賞できました。もう一度きてもいいかな。どうかな。
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by tigersandcatlover | 2010-01-29 22:00 | おでかけ

井上雄彦 最後のマンガ展 重版大阪版

 勤めていた病院に週刊モーニングを毎週購入していた同僚がいたのでチェックはしていたものの、第二章の小次郎編あたりからは遠ざかってしまっていた『バガボンド』。まだ連載中と聞いて感慨深い思いを抱いたりしつつ 井上雄彦 最後のマンガ展 重版大阪版 (3月14日迄)へ行って来た。場所はもう来ることはないと思っていた(リンクは拙日記)サントリーミュージアム。いや、実は2009年末で休館だと思ってたんですよ。あと一年あったんや。失礼いたしました。
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 週末はかなりの行列で入場制限ありとのことだったが、平日の夕方だったため待ち時間ゼロで、かなりゆったりと鑑賞できた。いや、でも入場制限の意味がよくわかった。これはじっくりゆっくり観るべき、いや、<読むべき>マンガ展やわ。

 漫画の展覧会と言うと、まあちょろちょろっと表紙に掲載されたカラー挿絵をパネルにしたものや原画が並べられているのを想像するわけだが、これがこれが。もう、びっくりするぐらい予想を覆す展示だった。バガボンドの最終話(もしくは番外編?)のようなものをまるまま体感するような感じ。原稿サイズのコマ割りのページあり、特大パネルあり、和紙に描かれた等身大の人物画あり、ごくわずかながら立体までも。すべてオリジナルというからまた凄い。

 空間の使い方にも唸る。一枚の絵を長い廊下の向こうに見せるような演出があったと思ったら、ハッと大きい空間に投げ出される。サントリーミュージアムは2フロアなので途中に階段があるのだが、それがまたものすごくいいタイミングでうまくつかわれていた。そしてその階段の壁に直にイラストがいくつもいざなうように描かれていてびっくり。ようこんなこと出来たなあ。

 先が気になってしょうがなくてどんどん進む。けれど何度もそこからしばらく動けない頁(と言っていいだろう)、立ち返ってしまう頁もある。これってまさに夢中で漫画を読んでるときの感覚だよな。映像でも絵画でも小説でもない、漫画にしか出来ない<文章と絵の融合>みたいなものをまざまざと見せられたような気がする。・・・ああ、なんと稚拙な感想だろうか(恥)。ともかく、がっしりと作品の世界に入り込む錯覚を覚えてしまいました。いやー、正直ちょっぴり軽い気持ちで挑んだことを猛省。まずは原作をちゃんと読まねば!

 前回立ち去るときに見納めと思ったこの場所に、ひょっとしたら、また来てしまうかもしれない。ぞくぞく。
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by tigersandcatlover | 2010-01-28 08:40 | おでかけ

フーコーの振り子 ウンベルト・エーコ著

 気紛れに本を読んでいたらどうしても偏った本ばかり読むことになっていく。もちろん読書は嗜好だから、そういうもんだし、それでいいとも思う。でも時々はフッと全く読んだことのない世界の本を読みたい気持ちがむくむく湧くいたりする。そんなとき、以前なら友人から薦められたり、新聞や雑誌の読書欄を参考に選ぶことが多かった。けれど最近は巡回しているブログやメルマガなどのネットからの情報から読みたいな~と思うことが多い。本との出会いの形も変わってきている気がする。そんなわけで、この本はtwitterのTLでタイトルを目にして読もうと思ったのだった。

e0164774_9365351.jpg~amazon.comより~

「追われている。殺されるかもしれない。そうだ、テンプル騎士団だ」ミラノの出版社に持ち込まれた原稿が、三人の編集者たちを中世へ、錬金術の時代へと引き寄せていく。やがてひとりが失踪する。行き着いた先はパリ、国立工芸院、「フーコーの振り子」のある博物館だ。二千年王国を夢みるテンプル騎士団。秘密の記号にこめられた世界制覇への野望とは?


 テンプル騎士団・カバラ・セフィロト・・・etc.なかなかとっつき難いというか、あまり個人的に馴染みのない言葉がザクザク出てくる。登場人物たちの記憶力のよさともの凄くややこしいことを澱みなく会話しているのにツッコミ入れそうになりながら。だって、最近の同級生との会話って、『あの人なんて名前やったっけ~』とか『こないだ読んだ本面白かった、ええとタイトルが思い出せない!』とかばっかり言うてるもん。そして小説の大部分がこういった登場人物の会話の形態で謎解きが進むため動きが少なく、途中はちとその説明口調が退屈に感じてしまった。ヒロインの1人であるロレンツァに魅力を感じられないのも難。同じ著者の作品なら『薔薇の名前』に軍配が上がるかな。でも冒頭にクライマックスの片鱗を見せるという力技(?)のせいで、まんまとやられて最後までぐいぐいと読んでしまった。

 わからない言葉を一つ一つググりながら読んでいく。こういう読書の仕方って今だから出来るようなもんで、この本が出版された1993年に出会っていたら途中で投げ出していたに違いない。ともかくもチビチビとでも確実に読み進めていったのだった。なんか読書というより勉強したみたいな気分。

 これじゃ、本の内容への感想じゃなくて、本との付き合い方とインターネットについての感想ですわね(笑)。
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by tigersandcatlover | 2010-01-26 21:25 | 読書

精霊たちの家 イザベル・アジェンデ 著

e0164774_11174180.jpg ジェレミー・アイアンズ、メリル・ストリープ、ウィノナ・ライダー、アントニオ・バンデラスの豪華キャストで映画化されたこの小説(タイトルは『愛と精霊の家』になっていたが)。映画は未見なのだけれどmint2さま にお奨めいただいて読みました(いつもツボな本を教えてくださってありがとうこざいます!)。

あらすじ~amazon.comより~

不思議な予知能力をもつ美少女クラーラは、緑の髪をなびかせ人魚のように美しい姉ローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにしてから誰とも口をきかなくなる。9年の沈黙の後、クラーラは姉の婚約者と結婚。精霊たちが見守る館で始まった一族の物語は、やがて、身分ちがいの恋に引き裂かれるクラーラの娘ブランカ、恐怖政治下に生きる孫娘アルバへと引き継がれていく。アルバが血にまみれた不幸な時代を生きのびられたのは、祖母クラーラが残したノートのおかげだった―幻想と現実の間を自在に行き来しながら圧倒的な語りの力で紡がれ、ガルシア=マルケス『百年の孤独』と並び称されるラテンアメリカ文学の傑作。軍事クーデターによって暗殺されたアジェンデ大統領の姪が、軍政下で迫害にあいながらも、祖国への愛と共感をこめて描き上げた衝撃のデビュー作。


 クラーラの時代のわくわくするような、残酷さとおかしさの混ぜ合わさったような始めの章で一気に引き込まれてしまった。後半はややキツイ感じになっていくんだけど(先日観劇した『蜘蛛女のキス』と言い、南米ってこういう独裁やら恐怖やらの政治が生々しい名作が多い気がする)、ラストは救いと強さがあった。

 ガルシア・マルケスの『百年の孤独』と比較する書評が多かったけれど(この本のあとがきももちろんそうだった)、個人的には桜庭一樹氏の『赤朽葉家の伝説』(リンクは拙読書日記)を思い出しながら読んでいた。ほんの三世代前なのだけれど、神や霊と言ったものがもっと身近だった時代。急激な近代化に翻弄されるようにどんどんその不思議な力を失っていく女系の血のつながり。

 それにしても、この本を含む池澤夏樹氏個人編集の世界文学全集は装丁も魅力的で(特に色!)全巻揃えたい誘惑に駆られて困る。新潮クレストブックスと並んで出版が楽しみなシリーズなのです。
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by tigersandcatlover | 2010-01-24 23:17 | 読書

寿新春大歌舞伎~仮名手本忠臣蔵

 恒例の松竹座での寿新春大歌舞伎へ今年も行って参りました。

 去年のこの新春歌舞伎は昼・夜観にいったのだけれど今年は予定が詰まっていて夜の部のみ。本当はせっかくの通し狂言だし、昼夜通しで観なくてはいけないようなプレッシャーと、配役も上方歌舞伎でお馴染みのかたばかり(悪く言えばちと見慣れすぎ?)ってのもあって、当初はパスしようかな~と思っていたんだった。けれどやっぱり行くことにしちゃったのは、ズバリ『七段目』が観たかったから!ええ、討ち入りの段じゃなくて?と訊かれそう。実は2008年の秋に桂米團治さんの『七段目』(リンクはそのときの日記)を観てから、今なら別の目で楽しめるやろうなあと思って、上演されるのを待っていた演目だったのだ。すんません、順当な見方じゃありませんわね。

 さて、演目というか、以下の通りの段と配役(ちなみに九段目は今回は上演されず)。
 
七段目  祇園一力茶屋の場

大星由良之助;藤十郎、寺岡平右衛門;翫雀、
千崎弥五郎;薪車 、大星力弥;壱太郎、遊女おかる;秀太郎

 通し狂言なのでどれがどうと言うのも変だけど、時間的にも面白さ的にもこの七段目が特筆していた。笑ってドキドキしてヒヤヒヤして泣ける。秀太郎さん、時折痰の絡んだ席をしてはって、心配になったけど台詞では一切それを感じさせず。凄い!

八段目  道行旅路の嫁入

戸無瀬;藤十郎 、小浪;扇雀、奴可内;翫雀

 継母と娘の嫁入りのための道行の踊り。お弁当のあとだったので、ちょっと意識消失。

十段目  天川屋義平内の場

天川屋義平;我當、女房おその;吉弥、
千崎弥五郎;薪車、大星由良之助;藤十郎

 松嶋屋さんらしい我當さんのカッコよさ。『天川義平は男でござる~~』がぴったり決まって大拍手。余談だけど薪車さんがすぐ弥五郎だとわかってしまうので、義平の息子を斬ろうとしててもドキドキできなくて困った。

十一段目 師直館表門討入の場・同 広間の場・同 柴部屋本懐焼香の場

大星由良之助;藤十郎、大星力弥;壱太郎、
千崎弥五郎;薪車、寺岡平右衛門;翫雀
 
 ほんの20分ほどの演目なのに二回の場面展開。でも主たる登場人物すべてに見せ場があって大円団。焼香の匂いまでもが届くくらいの席だったので、妙にそのシーンでじんわり来てしまった。視覚聴覚はもちろんだけど、匂いってダイレクトに心に来る気がする・・・。

 以前も書いたけど、やっぱり通し狂言はどっぷり嵌れていいねえ。そして僭越なれどあっぱれ、と思ったのが、藤十郎さんの出ずっぱりなこと。ちなみに昼の部も全段出演していた。ひえー。
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by tigersandcatlover | 2010-01-23 08:28 | 歌舞伎・文楽

レオナール・フジタ展

 昨年6月から巡回しているレオナール・フジタ展が神戸大丸に来ているので行って来た(~28日木曜日まで)。

 彼の描く裸婦像の独特の乳白色の肌も、80年ぶりに日本で公開される行方不明になっていた群像大作「構図」と「争闘」も、ランスの平和の聖母礼拝堂(展示後半の主題)も、もちろん食い入るように見つめた。見つめたのだけれど、一番ツボだったのは彼が晩年を過ごしたエソンヌ県の小村ヴィリエ=ル=バクルの“ラ・メゾン=アトリエ・フジタ”におかれていた小物たちや、そのアトリエがそのまま再現されたコーナー。もう、フジタ氏は作品だけでなく、人物や彼の生活そのものが興味の対象になっているんやなあ。

 そして個人的にはというか、ありがちと言うか、私にとってはフジタ氏は<猫の画家>なんだった。彼の描く、水墨画のような猫の絵が大好きで、額装されたプリントを部屋に飾っているくらい。なのでグッズショップで散々時間をかけたあげく、購入したのは猫の本と猫と一緒のポートレイトだったりして。
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by tigersandcatlover | 2010-01-21 21:45 | おでかけ

入院グッズ考

 震災15年目の節目に避難グッズをあれこれ考え直す機会があった。でも短期戦に必要なものと長期戦に必要なものは違うし、自宅で過ごす場合と避難所で過ごすため持ち出す場合でも変わってくる。また被災する場所によっても当然変わる。ああ、キリがない!そんなわけで、ごちゃごちゃと荷物を出したり入れたりしていたのだが、その時もう一つの緊急時のキャリーケースの中もついでに整理することにした。それは緊急入院グッズ。

 震災は一生遭わないで済む人もいるだろうが、残念ながら入院はこの限りではない。急病や事故で緊急入院したときに、家族が自宅にいるとは限らない。また男性ならば奥さんがやってくれるかもしれないが、逆の場合は?妻の衣類がどんな風にしまわれてるか把握している夫ばかりではないだろう。基本はホテルに宿泊するのと同じような感じ、と思っておられる人も多いだろうけど、意外なものが必要だったりするんである。こういうのって病院勤務しているときは当たり前のように思っていたのだけれど、今になると違和感を覚えるものもいくつかある。やはり第三者的な目は必要かもしれない。

 私が勤務していたいくつかの病院の<入院に必要なものリスト>を参考にちょっと転記してみるとします。

健康保険証、その他の医療受給者証 
服用(使用)中の薬や薬の説明書
印鑑(認め印)

湯のみ・箸・はきもの(スリッパは不可)・パジャマ・タオル・バスタオル・下着類
ティッシュペーパー・筆記用具・
シャンプー・リンス・石鹸・歯磨きなど洗面用具・洗濯石鹸


 納得できるものもあれば、ええ?そんなもの?と思うものもありませんか?

 まず忘れがちなのが印鑑。もう、入院になるとそれはそれはいろんな誓約書やら同意書でこれがないとどうしようもない。印鑑がなければ拇印ってことになるのだが、それもねえ。なので三文判でいいから入院用バッグにほりこんでおくといいかも。

 次に薬のこと。持病があって他院で薬を処方してもらってる人はそれを持ち込んで内服することになる。病院だから薬は出してくれるだろうと思われがちだが、実は昨今の病院はマルメと言って病名ごとに診療報酬が決められてしまうのでなるべく入院中に薬を出したがらないのだ。ちなみに検査も同じで、入院してるからついでにこの検査もして欲しい~というのもダメなことが多い。なんと世知辛いけれど、今の入院医療は診療報酬を押さえられてる分、余裕がないんだった。安かろう悪かろう、というのは嫌な言葉だけど、本当にそうだと思う。

 そして、ここからはちょっと悲しいというか情けない話になるわけですが、この余裕のない日本の病院というのは今の生活水準からいうとびっくりするようなことが<してもらえない>

 まずちょっと驚くのが湯のみや箸、ティッシュペーパーの下りだ。まあ、そういう人のためにちゃんと病院の売店にはそれらのものが売ってはいますけどね。なんかなあ。それくらい自前で持っていかなくていいようにして欲しいですよね。また、ここには箸としか書いてないが、もちろんスプーンもフォークも出ない病院が多い。しんどいときにお箸なんか使えないし、お粥が出てくることも多いからスプーンは必要。飲み物は病室ごとにお茶を配ってくれるにはくれるが、病院によっては日に数度しかもってきてくれないところもあるので、温かいお茶が飲みたければ小さな魔法瓶を用意したほうがいい。

 あと案外めんどくさいのが衣類やタオルの洗濯。ええ、洗濯も基本自分で(もしくは家族が持ち帰って)やるんですよ。だから家族が来れない患者さんには洗濯石鹸も必要。で、この院内の洗濯機ってえのがまた台数が少ないのよ!なので自分で洗濯する患者さんが同じ病棟に何人もいると待つこと延々という情けないことに。お金かかってもいいから全部まとめて病院でやってくれたらいいのに。面倒ということもあるが、汚物が着いてしまうことも多々あるわけだから。とりあえず、自衛策としてはパジャマは自前より借りれるなら借りたほうがちょっとでも洗濯しなくて済むかな。と言ってもレンタルのパジャマはペナペナで薄いので、この季節にはもう一枚カーディガンなどの羽織るものは必需。あと下着は使い捨てれるくらいたくさん持参すべし。タオルに関してはお風呂はある程度元気にならなければ入れないので、バスタオルはそれほどいらないかな。退院直前に一度入れればいいほうかも、なのでとりあえず一枚あったらいいんでは?ただ清拭には患者さん自前のタオルを使われることが多いので、小さめのタオルはたくさんあって困ることはない。ちなみに銀行の景品で貰うような薄いタオルが一番清拭には向いとります。

 最近手術のための入院生活を経験した看護師さんに訊いてみると、S字フック(ベッド柵にゴミ袋をかけられると便利)、安全ピンか髪を留めるためのクリップのようなもの(レンタル病衣は襟元が開いてしまうのでそれを留めるため)、自分の耳にあったコードが長めのイヤホン(テレビがベッドからやや離れているため)、洗濯バサミ(トイレにタオルやエアータオルのようなものがないため、そのつどタオルを手早く持っていって、また乾かせるように)とつらつら~と上げてくれた(経験者にはきいてみるもんだ)。

 その彼女の目から見ても、病棟の看護師さんたちは余裕があまりなくて、患者さんが快適に過ごせるようにという配慮は残念ながらできていなかったらしい(そんな風にいうと、それは看護師の仕事じゃない、と言われそうだが)。ちなみにその病院は某地域の基幹病院だから、決してそこだけがそんな残念な状態というわけでもないと考えたほうがいいだろう。

 さっきの入院中の薬や検査の話じゃないけれど、一事が万事で本当に最低限のことしか病院ではしてもらえないというのは、肉体的・精神的に結構堪える。hospital(病院)とhospitality(もてなし)は語源的には同じ言葉。それが空しく思えないようになって欲しいなあ。

☆上記のリストはあくまで実例で、施設によっては寝巻きは全員病院指定のもの着用のこともあるし、箸は用意してくれるところも多いです。 またもちろん病状によって不要なものもあります。
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by tigersandcatlover | 2010-01-20 21:32 | 医療のハナシ

蜘蛛女のキス

 マヌエル・プイグの原作~そして映画で、目を背けたくなるのに強い印象が残る物語『蜘蛛女のキス』。プイグ自身により戯曲化されたのち、「シカゴ」「キャバレー」の作詞・作曲家であるジョン・カンダーがミュージカル作品に仕上げてトニー賞7部門を受賞したとは言え、<あの物語をミュージカルに??>とは思ったものだ。正直、かなり重い腰を上げて、でも石井さんのモリーナと金さんの蜘蛛女を観たい気持ちで、梅田芸術劇場へ足を運んだ。
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まずちょっと面食らったのがロビーの売り場がほとんど何もなかったこと。一角でパンフレットを販売しているのみ。これが普通なんだろうけれど、いかに普段観ている作品はメジャーどころばかりだったか、としみじみ思った。

 劇場内に入ると、Chet Baker歌うMy funny Valentineがかかっており、幕はなく、刑務所の牢のセットが暗く設置されていた。上手の壁が出たり入ったりしながら、時折そこに映写機からの映像が映し出されたり、テロップが流れたり、最後は映画のラストのようにキャストやスタッフの名前が流れるようになっていた。舞台奥はいろんな場面に変わっていくが、彼ら二人の入っている房は最後まで舞台下手にあって動かない。どこへも行けない感じがそこからもひしひしと伝わる。

~あらすじ~梅田芸術劇場HPより

ファシズムが台頭する南米の刑務所。ここで同房となった、若き政治犯ヴァレンティンと、映画を愛するゲイのモリーナ。価値観も生き方もことごとく違う二人は激しく対立する。が、極限状態の中で共に過ごすうち、二人は次第に打ち解けていく。モリーナが大好きな映画の話しで、わずかな楽しみをわかちあう二人。しかし、モリーナは刑務所長から、仮出獄と引き換えにある取引をもちかけられていた・・・。モリーナが心の支えとする憧れの映画スター“オーロラ/蜘蛛女”が、妖しく冷たく彼の人生を繰っていく・・・・。


 舞台は、看守が囚人に暴力を振るうシーンで始まる。当然覚悟はしていたが、耐えれるかなあ、とやや不安になる。どうしても映画版と比べながら先を考えてしまうのだった。根本的に異なるのは蜘蛛女がものすごく頻繁に登場して現実とモリーナの逃避~夢の世界がウエイトが大きいことと、母や恋人の姿が舞台の上に登場すること、そしてモリーナの命じられた役割がかなり冒頭から明らかにされていること。

キャストは以下のとおり(敬称略)

モリーナ;石井一孝 オーロラ/蜘蛛女;金 志賢 ヴァレンティン;浦井健治
モリーナの母;初風 諄 刑務所長;今井朋彦 マルタ(ヴァレンティンの恋人)朝澄けい 
他 縄田 晋 ひのあらた 田村雄一照井裕隆 笹木重人 長内正樹 辻本知彦

 石井さんが案外普通にゲイを演じていて違和感なかった(爆)。ワイルドな浦井君は初めて観るので新鮮だったし。ああ、でもやっぱり映画版のモリーナを演じるウィリアム・ハートの何を考えてるか最後まで読めない感じ(だからこそ最後の彼の行為に胸をつかまれる)やヴァレンティンを演じるラウル・ジュリアの飢えたような熱さと比べて物足りなく感じてしまったなあ。

 ただやはり、金さんの歌唱力は圧倒的。彼女のソロのあとでのみ、拍手が起こっていた(他の場面では拍手しにくい演出だったせいもあるけれど)。空想の中の女・スクリーンの中の女をドキドキするような妖しさで見せて・聴かせてくれました。ま、それだけでも良かった、かな。
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by tigersandcatlover | 2010-01-19 08:28 | ミュージカル

てんぱり・テンパリング!

 日本人がわらわらとチョコレートに群がるこの季節。そんな1月のお菓子教室のメニューは大好きな(もしくは中毒な)チョコレート菓子、でありました。教えてもらったのは、チェリーボンボン、型抜き・テ(白いもの)、トリュフ・ラム、パヴェ・ド・ショコラ、オランジェ(細長いヤツ)の五種。うちパヴェ・ド・ショコラ以外はテンパリング作業を要するものでした。
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 テンパリングとは、チョコレートに含まれるカカオバターの結晶を最も安定した状態にする温度調整作業のこと。<いっぱいいっぱい>ってえ意味の<てんぱり>ではありません。カカオバターは温度が低すぎると固まってしまって思う形にできないし、高すぎると温度が低下するのに時間がかかってしまい、仕上がる際に表面に斑点状のしみが出来てしまう(これをブルームと言う)。なので固形にはならないぎりぎりの温度(大体30度前後)で作業をするのが美しいチョコレートを作るポイント、とのこと。

 いや~、一定の温度での作業というのが、これほど時間との戦いで、簡単に見えて手が抜けない、ということがつくづく身をもってわかった。まったくいっぱいいっぱい、すなわちまさに<てんぱり>ながら。しかし、これ自分で出来るかなあ。はなはだ怪しいねえ。

 デモンストレーションメニューはこちらも大好きなタルト・タタン。先生のレシピはあまりカラメルの苦味がなく、いくらでもいけそうで危険・危険(笑)。
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広実香織お菓子教室 Conversation
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by tigersandcatlover | 2010-01-18 07:53 | Sweets中毒


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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