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ソーラー イアン・マキューアン 著

e0164774_1635641.jpg イアン・マキューアンの、これまでの彼の作品とは一風変わった新作を読んだ。

 これまで読んだ彼の小説は「贖罪」「セメントガーデン」「アムステルダム」「土曜日」(リンクは拙読書日記)・・・かな?他にもたくさん著作はあるんだけど読んだ範囲で感じる彼のイメージは、スノッブな作家さんやな~ということ。少し洗練され過ぎててイヤミな感じがしないでもない。

 さてさて、そんな勝手な一読者のイメージをあっさり気持ちよく裏切ってくれたこの小説。とにかく主人公がこれでもか!というくらい、やーなおっさんなんである。あらすじはこんなふう。

 若くしてノーベル化学賞を受賞したマイケル・ビアードはその過去の栄光を背にだらだらと生きている。もはや50台に差し掛かり、研究所の名誉職を勤めてはいるものの、新しい研究は全くしていない。ジャンクなお菓子が大好きで太って禿げて決して色男でもないのに、なぜか女性にもてる(と自分自身思っているし、なぜか女性がほっておかないのだ)彼は、その好色さが祟って5番目の妻との仲もうまくいっていない。さらには、同僚の発明した新しい太陽光発電のアイデアを横取りして一儲けしようと目論む始末。ホンマにとことんしゃあないおっさんなのだ。

 まーぁ、ここまで滑稽なくらい俗っぽくて、本能の赴くままというかやりたい放題で世渡りしてるってえのに、不思議と憎めないことよ!それは彼のドジなところとか、妙に不運なところとか、何をやらせてもスマートには行かないところとかをものすごく巧く物語の端々に挟んでいるからだと思う。実に狡猾で自分勝手でしたたかな面がマスクされてしまってるというか。

 そして太陽光発電を絡めるとは、なんともタイムリーではないか。そしてなんとも泥沼なラストに、欲望のままに膨れて・ごまかして・自らは変化することのできない今の日本社会の状況を重ねてしまう・・・のは考えすぎかな?

 読了後の感想。マキューアンって、スノッブなだけでなく、かなりしたたかな作家さんなんやわ。
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by tigersandcatlover | 2011-09-28 22:04 | 読書

九月大歌舞伎 夜の部

 西(博多)から東(横浜)へと遊び呆けてた9月の連休もおしまい。そのラストに、地元関西は松竹座で歌舞伎観劇してまいりました。演目は以下の通り。

一、猿之助四十八撰の内 華果西遊記(かかさいゆうき)
                 孫悟空  右 近
                 猪八戒  猿 弥
                 沙悟浄  弘太郎
        女王妹芙蓉実は妹蜘蛛の精  春 猿
        西梁国女王実は姉蜘蛛の精  笑三郎
              玄奘三蔵法師  笑 也


二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
               武蔵坊弁慶  海老蔵
                 源義経  翫 雀
                亀井六郎  友右衛門
                片岡八郎  男女蔵
                駿河次郎  亀三郎
               常陸坊海尊  市 蔵
               富樫左衛門  團十郎


三、幸助餅(こうすけもち)
               大黒屋幸助  翫 雀
               女房おきみ  猿 弥
                 妹お袖  壱太郎
           三ツ扇屋帳場平兵衛  亀 鶴
               芸者秀ゆう  春 猿
            三ツ扇屋女将お柳  笑三郎
               世話役安吉  男女蔵
              叔父五左衛門  右之助
              関取雷五良吉  右 近

 もともとは海老蔵さん復帰後初の関西公演ということで、ちとミーハーな邪念ありで臨んだのだけれど、席のよさ(三列目)と明るい演目ばかりというのもあって、素直に楽しめた。西遊記と幸助餅での右近さんが目立つ形になったかな?

 團十郎と海老蔵の勧進帳は弁慶;團十郎、富樫;海老蔵バージョンは観たことがあったが、逆は初めて。個人的には今回のほうがしっくりきた。海老蔵のやんちゃなキャラが後半の酒を飲んだり踊ったりの弁慶にあっていた、と書くとちと問題かしらん?酒がなくなって哀しそうな目をする弁慶が妙にツボやったわぁ。
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by tigersandcatlover | 2011-09-27 08:50 | 歌舞伎・文楽

ロベルト・デヴェリュー~バイエルン歌劇場来日公演

e0164774_2338225.jpg 台風一過で一気に秋の空気が入った秋分の日、素晴らしい舞台を観ました。ほんの二週間前のボローニャ歌劇場来日公演ではびわ湖畔のホールでの観劇だったが、この日は横浜の山下公園越しに海が臨める神奈川県民ホールにて。

~キャスト~

エリザベッタ:Edita Gruberova
ロベルト・デヴェリュー:Alexey Dolgov
サラ:Sonia Ganassi
ノッティンガム公爵:Devie Cecconi
セルシ卿:Francesco Petrozzi
グヮルティエーロ:Steven Humes
ロベルトの使い:Niclolay Borchev
ジャーコモ(スコットランド王):Johannes Klama

指揮;Friedrich Haider
演出;Christof Loy
演奏;バイエルン国立管弦楽団
合唱;バイエルン国立歌劇場合唱団

 同じ演出のDVDを購入して予習していたので、物語の時代設定を無視した衣装だったり舞台構成だったりに面食らうことはなかったが、男性陣はメインキャストですら同じようなスーツ姿なので(ロベルトの使いのジャージ姿は除く)予習してなければ登場シーンなんかを見逃していたかもしれない。特にジャーコモの存在は最後にぐっと利いてくるだけに(彼は歌わないが、物語の進行にかなり大切な役割を担っている)分かってみていたほうが楽しめるだろうな、と思った。ちなみにDVD版(2005年)でジャーコモを演じたヨハネス・クラマが今回来日していて、独特の存在感。つい彼の動きを目で追ってしまったよ・・・。

 けれどなんといっても今回の舞台のお目当てはグルベローヴァ。正直、登場したときは鬘がイマイチ合ってないのと相まって(DVD版よりパーマがキツイ大阪のおばちゃんみたいになってた<涙)、ああ、やっぱり年齢相応な感じかな(御歳64歳)と思ってしまったのだけれど、なんのなんの。どこまでも澄んで伸びのある美しい声。高音でもぎりぎり感がないというか、心底安心して聴いていられた。いやそんな表現では足らないなぁ。歌っている内容は恐ろしいのに、いつまでもいつまでも聴いていたい感じ。

 ロベルト役のドルゴフ氏は、若々しさが前面に出ていて、女王に愛されていることに甘えた尊大で投げやりな難しい雰囲気を上手くだしてた。いい意味で甘いというよりも硬質な声質もロベルトにぴったり。サラ役のガナッシとの二重唱では、やや声量で負けてしまっていたけれど、満足!

 やー、もうとにかく、素晴らしいとしかいいようがなかった。貧弱な語彙が情けない。でもよくよく思い返してみると、雑食的にいろんな舞台を観ていても、時間を忘れるような、諸手をあげて「素晴らしい!」と言い切れる舞台に出会うことって実はそんなに多くはない。特にオペラの場合は、個人的には物語と歌を少し切り離して考えてしまっているところがあったもしれない。ええと、つまり、物語に入り込むというよりは、歌の素晴らしさを主に楽しむというような。今回はその多くはない「入り込める」幸運に巡りあえたことを心より噛み締めたい、と思う次第でありますよ。
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by tigersandcatlover | 2011-09-26 00:04 | その他の舞台

初マツダスタジアム・初ビジター

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 今回の広島滞在の最大の目的はマツダスタジアムでの阪神vs広島戦観戦だった(え?わかっとった、って?)。甲子園には年10回近く通うワタクシではありますが、よくよく考えてみるとアウェイ(野球ではビジターか)での観戦って全くの初体験かも!?

 プレーボール2時間前くらいからちらほらと観客が球場に向かっていく姿が客室の窓から見えて気分も盛り上がってくる。
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 ホテルから球場までは徒歩15分ほど。赤いユニフォームに紛れて少し遠慮がちに歩く。ローソンまでも赤い!
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 広々とした敷地にゆったりと建つ球場はすこぶる開放的。メジャーリーグの球場を参考にしたというだけあって、余分な屋根も少なく、フェンスは最小限で、座席もゆったりめ。そして何よりも内野の芝生の美しさよ。雨の影響をうけないドームは便利ではあるけれど、やはり野球場はこうでなくっちゃ。
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 ネットでチケットを予約して、当日入場券売り場で引き取るシステムなのだが、それまで座席の場所はわからないので(もちろん三塁側内野席、といった程度情報はあるものの)ちと不安だったのだが杞憂。視界良好!甲子園で言うとグリーンシートの三塁側みたいな感じかな。

 プレーボール!
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 先発は阪神;メッセンジャー、広島;バリントン。この日の主役は金本兄貴。2回のライトへのツーランホームランに続いて、5回には2打席連続となる同じくライトへのソロホームラン。6回もブラゼルのタイムリーで1点をあげ、ゆったりと観戦できるかと思いきや。広島の攻撃は5回表の石井スリーベースのあと石原のセカンドゴロのあとの1点に続き、栗原・廣瀬のヒットで2点。助かったのはこのあとの広島の運の悪さ。石井がさらにセンターにヒットを放つも2塁走者の廣瀬が本塁でタッチアウト。8回には福原が二つのヒットとデッドボールで招いたノーアウト満塁の場面で石井が放ったレフトフライで三塁走者の栗原がまたもタッチアウト。逆に阪神は7回の先頭打者藤井のスリーベース・林のファーボールのあと、代走上本の二盗が効いて、二つのライト犠打で2点を追加の効率のよさ。最後は藤川が三人できっちり〆。

 今回は三塁側内野席からの観戦。当初は日差しがじりじりと腕や首筋を直撃していたが、5回くらいから太陽がスタンドの影に隠れてくれたおかげで一気に快適に。風の通りやすい構造も幸いしてか、実に気持ちいい観戦日和になった。9回裏には夕立が降ってきて帰り道と合わせてずぶぬれになってしまったけれど、それもまた良し(勝てばなんでもええんかい?)。

 広島のラッキーセブン。赤で統一された風船が迫力~。
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そういや、7回表にはちゃんとスコアボードのタイガースのマークと共に六甲颪を流してくれるというサーヴィスに感動。甲子園もそれくらいのビジターへの配慮があってもええんちゃうかなぁ。
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 選手たちがベンチ前で応援する姿が見えるのも楽しかった。
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 是非また来たい~!!
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by tigersandcatlover | 2011-09-22 13:04 | 野球(タイガース)

シェラトン広島に泊まる

e0164774_16291567.jpg 博多から約1時間。深夜に新幹線みずほで到着したのは広島であります。

 新幹線口を降り立つとすぐに見えるのが今回の宿泊先、シェラトンホテル広島。今年三月にオープンしたばかりの真新しい匂いのするホテル。

 エントランスを入るとサーヴィスデスクがあるだけで、そこからエレベーターで7階に上がる。カフェやインターネットができるスペースの間を縫ってさらに奥まで行くとそこがフロントになっていた。客室にはそこからカードキーによるセキュリティ完備のエレベーターで昇る仕組み。

 部屋はスタンダードツイン。
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部屋に入るとまずドドンと洗面台!という構造にびっくり。ち、ちょっと落ち着かない・・・。当然ベッドのほうからも脱衣姿や洗面姿が丸見え。おしゃれなんだけど、せめて必要に応じてスクリーンでやわらかに仕切れるようにくらいはして欲しいな~。他にもいくつか女性目線に欠けた部分があったのが少々残念。
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DVDプレイヤーあり(BDではない)。余談だけれどテレビは東芝だった。ちょっと珍しい気がする。
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 あと面食らったのが、ルームサーヴィスに一回あたり1000円の届け料を取るというシステム。もちろんサーヴィス料10%は別途チャージなのだ。チップと考えてもあまりの値段ではないか。もちろんそんなわけで今回利用はしなかったが、そんなに注文して欲しくないんだったら(そうとられてもしかたないよね)いっそルームサーヴィス辞めちゃえば??と思ってしまった。

 でもま、それ以外(って結構けちょんけちょんに書いてるけどw)は部屋もなかなか快適やったし、ラウンジはそこそこ充実していたし、スタッフもまだ完全には慣れていない風ではあったけれど、好感がもてた。

 部屋からの眺めは開放的。
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ちょうどマツダスタジアムが見渡せてワクワク(えっ?)。
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by tigersandcatlover | 2011-09-21 16:40 | 国内旅行

三銃士 in 博多座

e0164774_96837.jpg 9月の連休。なかなか盛りだくさんな休日を過ごしてきました。まずは土曜日。博多座で公演中のミュージカル「三銃士」へ。

~キャスト~

ダルタニャン ;井上芳雄
アトス ;橋本さとし
アラミス; 石井一孝
ボルトス; 岸祐二
リシュリュー枢機卿; 山口祐一郎
ミレディ; 瀬奈じゅん
ルイ13世; 今拓哉
アンヌ王妃; シルビア・グラブ
コンスタンス; 和音美桜
ロシュフォール; 原慎一郎
バッキンガム公爵; 伊藤明賢
役者・ジェームス; 坂元健児

 デュマの原作だけとぎれとぎれに読んではいたものの、帝劇公演での前評判なども全く下調べすることなくストンと劇場に行ってしまった。どれほど予習不足かというと、井上くんと山口さんが出演することくらいしか知らなかったほど(汗)。なんかここんとこの来日オペラ公演のキャストでヤキモキしていたこともあり、役者さんを役の向こうに透かして見ることなしに、舞台そのままを楽しむことを欲していたのかも。いや、単に不精なだけですわね、すいません。でも予習いらず、というか、何も考えないで気楽~に楽しめる作品で今の自分には丁度よかったように思う。

 細かいところはパス。井上くんのお茶目な青年ぶりと、坂元くんのコメディセンスと、山口さんの想像以上の弾けぶりとが印象的だったな~。個人的にはトレヴィルが登場しないことにびっくりしたし、ダルタニャンのお父さんのエピソードは余分な気もしたし、ミレディはもっととことん悪女であって欲しかったし、ポルトスとアラミスがもう少し活躍してもよかったなぁとは思ったけれど、あの長い物語を一本のミュージカルによくぞまとめたよなぁ、うん。 

e0164774_1001890.jpg 終演後、三人の役者さんたちが日替わりで出てくる銀橋トーク、この日は井上くん、和音さん、今さんだった。和音さんの天然ぶりで笑い、井上君のツッコミ上手と相まってなかなか楽しいひとときを過ごしたあと、新幹線で今度は次の目的地へ(そう、次があるんです)。

 写真は私が乗車したやつではないんだけど、同じホームに停車していた九州新幹線の車両。ホームにいた人たちが次々と撮影するという人気ぶり。今度はこちらに乗ってみたいな~~。
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by tigersandcatlover | 2011-09-20 12:31 | ミュージカル

清教徒~ボローニャ歌劇場来日公演vol.2

 土曜日のカルメンに続いてのオペラ連荘。なんと贅沢な週末であろうか。ということで、日曜日の午後。この日も暑いびわ湖ホールへ。この日の演目はベッリーニのI Puritani;清教徒。この日も総裁の挨拶から。

 演出はピエラッリ。Overtureが始まると同時に幕が上がり、清教徒の兵士達が点々と横たわっているという演出。かなりな傾斜の八百屋舞台にまず目がいく。踏ん張りにくくて歌いにくいやろうな~と思ったりして。全体通して深みのある青色が基調のシンプルな舞台装置。大掛かりな階段や屋敷の中を思わせるような家具調度などはなし。けれどそのぶん幻想的な美しさがあったように思う。
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~主要キャスト~

アルトゥーロ;Celso Albelo (←Juan Diego Florez
エルヴィーラ;Désirée Rancatore
リッカルド:Luca Salsi(←Alberto Gazale)
ジョルジョ;Nicola Ulivieri

指揮;Michele Mariotti

e0164774_16155761.jpg 今回の目玉キャストであったフローレスの降板のピンチヒッターであるアルベロ。フローレスの高音を期待してチケットを購入した人が多いだろう(私もその一人)。なのでドキドキしながら彼の始めのアリアの高音部を待つような感じだった。でもそこはさすがに前シーズンフローレスと同じこの役をボローニャで演じていた彼だけのことはあって、全くの杞憂。最後の第三幕での聴かせどころで、後ろから二つめの高音(ハイF)でさすがにギリギリな感じではあったけれど、地声を響かせてくれた。それ以外は全くドキッとすることもなく、うっとりと聴き入らせてもらいました。満足!当初9月10・12日の日程で北京のNational Center for Performing Artsで「愛の妙薬」のNemorimo役を演ずる予定だったのをキャンセルしてという荒業な登板だったのだけれど、それだけアルトゥーロは歌える歌手が限られた難しい役なんだろう。

 ランカトーレはとにかく可憐。考えようによっちゃ、KYな主人公もこれだとしゃあないかな、と思ってしまう(オヤジか!)。そして見事な高音。ただ、中音部で地声になるような瞬間があってその声がちょっと異質で個人的にはそれが耳障りに感じてしまった。ちょっとアヒルっぽい声というかなんというか。でもかわいいから許す!(ってまたまたオヤジな発言)。カーテンコールでも一番感極まっていたのは彼女で、涙を拭う姿も。そういや、三幕のアルトゥーロとの二重唱では拍手がなりやまずショーストップとなってしまい、二人して笑顔で観客席を見渡して控えめに投げキッスしていた。こういうのって無くは無いけど珍しいような気がする。 
 
 リッカルド役のサルシ、ジョルジョ役のウリヴィエーリもいぶし銀な感じでよかった。二人の二重唱なんかわくわくして聴き入ってしまった。サルシは立ち姿がなかなかカッコよく、エルヴィーラ、彼でもええやん?と思ってしまった(笑)。

 最後の最後にマリオッティのこと。ボローニャ歌劇場の主席指揮者である彼はなんと1979年生まれ!は~。時世の感があるなぁ。パンフレットに掲載されていたインタビューで印象的だったのはスコアのfやpを無視して彼なりに解釈して変えるというスタンス。もうちょっとオケの音が聴きわけられたらその辺も面白かったに違いない。

 なんやかんやと始まる前のガッカリや不安はありつつも、終わってしまえばしっかり楽しんでしまった。耳が肥えた長年のオペラファンは不満もあるかもしれない。けれど、私のようは初心者には充分過ぎる2日間でありました。 
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by tigersandcatlover | 2011-09-13 08:43 | その他の舞台

カルメン~ボローニャ歌劇場来日公演vol.1

 オペラにアンテナを張り出したのはほんのここ数年のこと。けれど常設歌劇場がある欧州の都市とは違い、哀しいかな、日本でオペラを楽しもうとすると、ごく限られた・しかもチケットが高価な来日公演を楽しみにする他ない。それでもスター歌手を目玉にしての公演はお祭り気分と相まって嬉しく有難い気持ちになることは事実。ああ、これぞカモってことなのかしらん。

 そんなカモ(泣笑)を哀しませることになってしまったボローニャ歌劇場来日公演。当初公演詳細が発表された時点とは半数以上の主要キャストが変更となる異常事態。すべては地震~原発事故のせいとわかっていても、どうにもやりきれないよなぁ・・・と半ば醒めた気持ちを抱きつつ、会場であるびわ湖ホールへ向かった。

~主要キャスト~

ドン・ホセ;Marcelo Álvarez (←Jonas Kaufmann
カルメン; Nino Surguladze
エスカミーリョ; Kyle Ketelsen (←Paulo Szot )
ミカエラ; Valentina Corradetti (←Alessandra Marianelli)

指揮;Michele Mariotti

 右は当初予定されていたキャスト(恨みがましい?)。ま~ぁ、よくぞここまで変わったもんだ。

 さて、ホールに入ると緞帳がまんまキューバの国旗になっていた。というのも、オリジナルは1820年頃のセビリヤが舞台なのだが、今回のアンドレイ・ジャガルスによる演出では、カストロ政権下のキューバという設定なのだった。そんなわけで、このキューバ国旗がいたるところにそれを思い出させるように多用されていた。エスカミーリョ(闘牛士ではなく、ボクサーという設定になってる)のボクシンググラブとか、3幕のカルメンの衣装とかにまでも(余談だけれど、この衣装はちと個人的には趣味悪っ、と思ってしまった)。
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舞台は仕切りを多用していて奥行きを巧く出していた印象。4階席から見下ろしていたせいで余計そう感じたのかもしれない。

e0164774_11204358.jpg 肝心のキャスト。アルヴァレスは去年のトリノ王立歌劇場来日公演のラ・ボエーム以来二回目。南米(アルゼンチン)出身の彼のルックスと相まって、今回の演出のドンホセにはぴったり。個人的にはあまりカッコ良すぎないちょっと情けなくて母性本能そそる役が似合いそう~と思っているので、キャラ的にも合ってたなぁ。ってべた褒め過ぎ?でもやっぱり彼の声自体が好みなんだろうな、と自己分析。

 カルメンのスルグラーゼはルックスはカルメンぴったり。細い!でもそのぶん、やはり声も少し細くて彼女の歌でうっとり~とは残念ながら行かなかった。でもよく考えたらカルメン自体にはそれほど聴かせる曲がもともとあるわけじゃないからしょうがないか。

 それに対してミカエル役のコッラデッティはルックスこそはかなり太めで、今回の演出の若作りな(爆)衣装が似合わなくてかわいそうなくらいだったが、声は素晴らしくよかった。やっぱりオペラ歌手はこれくらいの体型じゃないといい声でないのかしらね~~。カーテンコールでもひときわ拍手を浴びていてかなり嬉しそうだったのが印象的。

 エスカミーリョ役のケテルセンはちょっと声が弱くてオケにかき消されていたのが残念~。この役ってかなりカリスマ的な魅力がないと物語に説得力ないんだもん。

 これだけのキャスト変更があったせいか、当初からそういう予定だったのかわからないが、ボローニャ歌劇場の総裁フランチェスコ・エルナーニから開幕前に挨拶があった(通訳の女性と息が合ってなくてちょっとグタグタしてはりましたw)。ブーイングが出ちゃうかもな、と少し心配したけれども、そういうことも全くなく温かい拍手。もちろんカーテンコールでも。出演者が皆一様に心からほっとしたような表情を浮かべていた。当初醒めた気持ちで、だなんて言ってたわりに、こちらまでなんだかほっとしたりしてね。

 そうそう。春のMET来日公演同様、キャスト変更が多いという理由でパンフレットが無料配布になっていた。中を見ると、カウフマンのキャンセル直後に編集されたものらしく、間違いなく準備されていたであろう彼のインタビュー記事は見事にカットされていた(フローレス他は間に合わなかったようでそのまま)。ちょっと読みたかったような気もするけど。
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by tigersandcatlover | 2011-09-12 14:11 | その他の舞台

ジパング展

 秋晴れの爽やかな午後、大阪高島屋で開催中(~9月12日迄)の ジパング展 へ行ってきた。
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 会場であるグランドホールは催し物売り場の一番奥。折りしも ごはん生活vsパンライフ などという夕食前には誘惑的に過ぎるイベントが開催されており、平日の夕方という時間帯のためか、はたまたそのイベント会場にトラップされてしまうのか、ホールの中は5人ほどの鑑賞者がいるのみ。すべての作品独り占め状態で、すこぶる快適にじっくり作品と向き合うことができた。おお、贅沢!

 会場内は31人の日本人アーチストたちによる現代アートがずらりと、けれどゆったりとスタイリッシュに配置されていた。

参加アーティスト;会田誠、青山悟、池田学、石原七生、上田順平、O JUN、岡本瑛里、風間サチコ、樫木知子、熊澤未来子、鴻池朋子、近藤聡乃、指江昌克、染谷聡、棚田康司、束芋、天明屋尚、南条嘉毅、藤田桃子、町田久美、三瀬夏之介、宮永愛子、森淳一、山口藍、山口晃、山﨑史生、山本太郎、山本竜基、吉田朗、龍門藍、渡邊佳織

 ここ数年、こういった日本人による現代アートを少しずつ見ているせいか、見知った名前、見たことのある作品もちらほら。やはりとっかかりがあるほうが何事もすんなり心に入って来やすい気がする。

 ※ このあと京都髙島屋に巡回;9月28日(水)~ 10月10日(月・祝)

e0164774_1094333.jpg 目を肥やしたあとは、腹も肥やすべく、近鉄上本町駅から徒歩3分ほどの VINO BAR CIRCA なるカウンターだけの、カジュアルかつ隠れ家的なお店へ。
ここはまた再訪したいな、の自分メモ的に。

 写真はグラスシャンパンのあとに空けた1本。パスタに秋刀魚を選ぼうとしたら、マスター(ちょっと山口晃さん似?)が軽く口を噤んだので「止めといたほうがいい?」と訊くと「うさぎのラグーのほうをおすすめしたいな、と」と控えめに誘導されてあっさり方向転換。確かにこのワインにはうさぎのほうが合いました。こういうのもカウンター席ならではですわね。
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by tigersandcatlover | 2011-09-08 14:23 | おでかけ

見てるだけ~、のお菓子教室

台風12号の雨が激しく降る週末の午後、お菓子教室の卒業生限定講習へ参加してきた。と言っても先生のデモンストレーションを見学して・試食するだけ、という無精者の私にぴったりな講習(笑)。

 一時もおしゃべりする口を止めることなく、流れるように手を動かす先生に見とれながらの3時間弱。気づくと5種類ものお菓子が出来ていた。

(写真上から)アールグレー・ロール、カラメル・ムース、シナモン・ロール、
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 クロッカン、ノワゼット・ショコラ。
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 シナモン・ロール以外はどれもレッスンで作ったことのあるメニューの一ひねりなんだけど、なんだかむちゃ新鮮。って復習不足のせいですわね、はい(反省)。

 至福で愉快な試食時間もあっという間に、気づくと雨も小降りになっていた。
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by tigersandcatlover | 2011-09-06 22:59 | Sweets中毒


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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