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戦火の馬

 スピルバーグ制作・監督の映画 戦火の馬 (原題;War Horse)を観た。マイケル・モーパーゴが1982年に発表した小説が原作で先に舞台化もされている。

 貧しい農家の少年アルバートの家にある日、サラブレッドがやってくる。農耕馬を買うための競りに出かけた父が一目惚れして買ってしまったのだ。ジョーイと名付けられたその馬はアルバートと信頼関係を結んで行くが、第一次世界大戦の始まりとともに、軍馬として売られて行ってしまう・・・。
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 始めはイギリス軍、そしてドイツ軍へ。その主は変わっても馬たちは事情がわかるはずもなく、ただ言われるまま前に進むだけ、黙々と生きて行くだけ。その半ば使い捨てのようにされていく姿が辛い。でもよくよく考えるとそれは一兵卒などの若い軍人も同じなんだよな。ああ〜、わかっちゃいるけどしんどいなぁと思いながら観ていた。そのしんどさが強くて、「泣き」のシーンも心から、というわけにいかんかった。いや、もちろん静かには泣けたんですがね。

 甘っちょろいと言われそうだが、戦争を扱った映画や舞台はいつだってしんどい。だからだろうか、去年NYへ観劇旅行(ええもうそう言っちゃっていいでしょうw)したときに、この物語の舞台版のポスターをあちこちで見かけたものの、そのときはあまり興味が湧かなかったのだった。惜しいことしたかな。さて次なるチャンスはありますかどうか。舞台はナマモノやからねぇ。
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by tigersandcatlover | 2012-03-28 22:32 | 映画

とるにたらないものもの 江國 香織 著

e0164774_1656286.jpg こういう本は江國さんの独壇場だよな~と思う。

 鞄、食器棚、輪ゴム、運動靴、鉛筆、バスタオル、、、。生活のディテールを彩るものに対してのほんの数ページの意味づけ。読み終わったあと<そのもの>を見ると彼女の視線が留まったあとのような錯覚に。なんかマーキングみたい。

 図書館で借りたのだったか、友人に借りたのだったかで一度は読んでいたのだけれど、手元に残したくて文庫を買った。一時期、旅行のたびに彼女の既読の本を一冊鞄に入れて出かけていたことがあったっけ。「ホリー・ガーデン」とか「ウエハースの椅子」とか、そのくらいの時期の作品を、それも単に主人公の日常のこまこましたシーンを読み返したいだけの気持ちで。この本とそんなふうに一緒に出かけることになるかはわからねど、そんな思惑もあり。
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by tigersandcatlover | 2012-03-27 23:00 | 読書

秀山祭三月大歌舞伎

 関西で初めてとなる秀山祭を南座まで観に行ってきた。今回の公演は三代目 中村又五郎(中村歌昇改め)と 四代目 中村歌昇(中村種太郎改め)の襲名披露公演となる。
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 我々が観たのは午後の部。16時半開演〜20時終演、途中休憩も約1時間と歌舞伎公演にしては少し短め。

〜この日の演目〜
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一、俊寛

  俊寛僧都    吉右衛門
  海女千鳥    芝 雀
  丹波少将成経  種太郎改め歌昇
  平判官康頼   吉之助
  丹左衛門尉基康 錦之助
  瀬尾太郎兼康  歌 六


 悲しみの演技が似合う吉右衛門さんの俊寛。よたよたとのたうち回って嘆き悲しむさまに歌舞伎観劇では珍しくホンマにもらい泣きしてしもた。直後の口上では少しお疲れのご様子?「流刑地から戻りましたところで」と笑いを誘ってはりました。

二、口上
  歌 昇改め又五郎
  種太郎改め歌 昇
  幹部俳優出演


  播磨屋の役者さんたちの他、愛之助さんに翫雀さんたちを加えての口上。

三、新歌舞伎十八番の内 船弁慶

  静御前/平知盛の霊  歌 昇改め又五郎
  源義経       愛之助
  舟子岩作  種太郎改め歌昇
  同浪蔵       壱太郎
  亀井六郎       桂 三
  片岡八郎       種之助
  伊勢三郎       米 吉
  駿河次郎       隼 人
  武蔵坊弁慶       翫 雀
  舟長三保太夫      吉右衛門


 又五郎さんは静御前の静かで哀しい舞と知盛の霊の荒々しさとの対比で見応え十分。

 恥ずかしながら「能楽もの」って結構眠くなってしまうことが多い(今回も前段の静御前の舞ではちと危なかった)。が、漁師たちが出てくる間狂言のあたりから変化がぐぐっと出てきて後段の盛り上がりにつながっていくので全く飽きなかった。幕が引かれてからの知盛の花道での舞は、ちょうど花道真横の席だったこともあり、安全と分かっていても本能的に身体をよけてしまうほどの迫力。悪霊退散!とばかりに必死に吹き鳴らす笛と太鼓との掛け合いも面白かったなあ。
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by tigersandcatlover | 2012-03-25 11:01 | 歌舞伎・文楽

ああ、なつかしの「新宿鮫」

e0164774_17552369.jpg 雑食な読書遍歴のワタクシ。ハードボイルドだって読んじゃう。で、一時期新刊が出るたびに追っかけてた「新宿鮫」シリーズの短編集が本屋に平積みになってるのを見かけて手に取った。このシリーズは今も脈脈と続いていて現在10作目まで出版されているのだけれど、カッパノベルズから通常の単行本として出版されるようになったくらいから面白くなくなったように感じて、興味を失ってしまっていたんだった。でもぱらぱらっと頁を繰ってみると、ちょうどシリーズが始まったころの若い鮫島の姿が描かれていたりして懐かしさのあまり。

 収録されてるのは10篇。ちょっとええっ?と思うような登場人物が出てきたりもするが(「こち亀」の両津勘吉とか「シティ・ハンター」の冴羽獠とか)、人気シリーズの、それも短編集ならではの遊び心ってやつだろう。長編でこれやられると白けちゃいそうだけどねw  

 今確認したら4作めの「無間人形」までしか読んでなかった。ヒマなときに続きを読んでみてもええかもしれん。読まんでええかもしれん(どっちやねん)。(↓↓↓こちらがシリーズ最新作↓↓↓)
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by tigersandcatlover | 2012-03-23 23:00 | 読書

スリル・ミー

e0164774_7434684.jpg きりっと冷えた三月の休日、上京して ミュージカル;スリル・ミー(Thrill Me)を観た。

 昨年の日本初演の好評を得て、再演となったこの舞台。今年の7月には天王州の銀河劇場での再々演がすでに決まっているが、今回の再演は初演と同じアトリエ・フォンティーヌで(今年の6月で閉館になってしまうらしい)わずか12公演という限定なもの。

 さてそのアトリエ・フォンティーヌは麻布十番にある収容人数120名という小さなイベントスペース。入り口を入ると狭い階段をどんどん地下へ降りていく構造で文字どおりのアングラ劇場ってわけだ。でも文字だけじゃなくて雰囲気もまさにそんなふう。客席はみっちりと椅子が並んでいて舞台が近い。いや、舞台にそのまま一緒に座っているようだったな。

 舞台上には四角く少し高くなったスペース。まんなかにスチール階段。まわりの一段下がったところにベンチや電話が並んでいる。ほんとうにみっちり、という感じ。でその濃密な感じが息苦しいテーマと相まってずっしり来てしまった。

 物語は1924年にシカゴで実際に起こった青年二人による残虐な少年誘拐殺人事件を題材にしている。刑務所での囚人の仮釈放審議会で「私」は37年前に犯した自らの罪について語り始める。それまでは単に「スリルを味わいたかったから」とだけと証言していた奥に隠されていた真実を。それは共犯者である「彼」との物語だった・・・。

「私」;田代万里生
「彼」;新納慎也

ピアノ伴奏;落合崇史 

原作/音楽/脚本:STEPHEN DOLGINOFF
演出:栗山民也
翻訳・訳詞:松田直行

以下はつらつらと感想を(ネタバレあり)
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by tigersandcatlover | 2012-03-21 23:00 | ミュージカル

ウィーン・ミュージカルコンサート

 先日M.クンツェ&S.リーヴァイの世界~2nd Season~ ウィーン・ミュージカルコンサート を観に名古屋は中日劇場へ行ってきた。大阪でも公演があったのだが、日程の都合上プチ遠征(ええもう、名古屋だったら「プチ」に感じてしまう自分が恐ろしいw)。

 曲目はミュージカル『エリザベート』『モーツァルト!』『レベッカ』『マリー・アントワネット』より。

山口祐一郎
新妻聖子
石川禅
一路真輝
パトリック・シュタンケ(スペシャルゲスト)
土居裕子
井上芳雄
武岡淳一(司会)

 土居さんと聖子ちゃんの美声にうっとりし、パトリックくんのパンチのある歌声に魅了され、井上くんのルドルフを観たことがない私には嬉しい彼の「闇が広がる」にわくわくし、やたら若く見える禅ちゃんにドキドキし、山口さんと一路さんに懐かしくなり。休憩入れて三時間とまあまあ長い上演時間なのに本当にあっという間だった。

 パトリックはドイツ語で歌っていたが二重唱でも合唱でも全く違和感なし。なので是非とも東宝さんには某公演の海外からの客演キャストのドイツ語歌唱のご英断をいただきたいものだわ~。

以下は自分メモとしての曲目羅列です。
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by tigersandcatlover | 2012-03-19 22:30 | ミュージカル

週末のスナップ

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ちょっと日記さぼり中。
だけとそこそこ活動はしとります。
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by tigersandcatlover | 2012-03-15 21:52 | 海外旅行 アジア

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

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 久しぶりに映画を観た。原題 Extremely Loud and Incredibly Close (リンクは公式HP)。この直訳な和題が印象的。

 ニューヨークに住むオスカー(トーマス・ホーン)はちょっと恐がりで繊細(神経質と言われちゃうかもしれない)な9歳の少年。彼のお父さん(トム・ハンクス)は楽しいことを考える天才みたいな人だ。中でも捜索ゲームは、オスカーの勇気を育もうという仕掛けがいっぱい詰まっている、けれど子供の遊びの域を超えた本格的なもの。そんな大好きな父が、9.11のテロに巻き込まれて亡くなってしまう。その傷が癒せないまま一年が経ったある日、オスカーは父のクロゼットで花瓶の中に隠されたBlackと書かれた封筒の中に小さな鍵を見つける。それが彼へのメッセージと信じたオスカーはその鍵で開く扉を捜索することに夢中になっていく・・・。監督は「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー、脚本は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のエリック・ロス。
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これで良くないはずはない、と予想できてしまう映画。そして案の定、冒頭のお父さんとオスカーのあれこれだけで涙とまらず。あとはずっとハンカチを握りしめたままになってしまった。
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 母親(サンドラ・ブロック)、アパートの向かいに住む父方の祖母(ええ味だしてる!)、言葉のしゃべれない祖母の同居人、そしてたくさんのBlackさんたち。登場人物が皆それぞれちょっとユニークで、そして温かい。あ〜もう、あまり細かいことは書きたくない気分。オーケストラ!(リンクは拙日記)ぶりにノックアウトされた映画と言っていいでありましょう。

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 ジョナサン・サフラン・フォアの原作を強烈に読みたくなったが図書館は60人待ち、amazonでも2~4週間で配送となっている。そんな中、原著がペーパーブック価格になっていたのでKindleで購入。まだ最初の数章を読み始めたところだけれど、物語の大半がオスカーの一人称で書かれているので英語も難しくなく、視覚的にも凝った構成(名刺や新聞の切抜きや写真などが挟み込んであったり、行間を自由自在に変えていたり)になっているので、むしろ原著がオススメかも。オスカーが集めたものをスクラップしたノートを覗き見てるような、ちと不安定で胸を掴まれるような気持ちになってしまうけれど。
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by tigersandcatlover | 2012-03-07 22:30 | 映画

bis, bis!

 雨の日曜日、お菓子教室へ。bis (再び、とか二度目とかいう意味)と名付けられた卒業生対象のレッスンに参加するのもこれで二度目。てことでbis, bis(bis再び)というわけですな。

 メニューはオレンジピールをたっぷり敷き詰めたムース・ショコラ・オランジュ。
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 デモンストレーションは塩キャラメル・タルト。
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 先日デパ地下の誘惑に負けて某パティスリーのチョコレートケーキを購入したものの、あまりのしつこさに半分食べきれず(涙)。ああ、もうこういうのがしんどいお年頃になってきたんかな〜とやや寂しく思ったりもしていたのだけれど、この日の試食ではムースもタルトもしっかりぺろりと食べられた。やっぱり先生のレシピは極上なんだわ、と再確認。

 参加メンバーの平均年齢がやや高め(もちろん私を含めて)ということもあり、うっかり物忘れとか老眼の話で盛り上がったってのがお菓子教室というどこか可愛らしいイメージから大いにずれる、けれど愉快な午後でありました。
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by tigersandcatlover | 2012-03-05 23:30 | Sweets中毒

おとなしいアメリカ人 グレアム・グリーン 著

e0164774_21381957.jpg 読書サーフィンとでも言うんだろうか。いろんなとっかかりから今さらのように読んだ一冊。もとはといえば、TL上での森瑤子さんの話題→彼女の著作「情事」→題名繋がりで昔読んだグレアム・グリーン「情事の終わり」を読み返す→実家の書庫を物色してたときに本著を見つける、という具合なんだけど。

 内容(「BOOK」データベースより)
ヴェトナム戦争直前のサイゴンで一人のアメリカ人青年が無惨な水死体となって発見された。引退間際のイギリス人記者ファウラーは青年と美しい地元娘を争っていたものの、アジアを救うという理想に燃えていた純真なライバルの死に心を痛める。しかし、ファウラーには警察の捜査に協力できない秘密があった―無邪気なアメリカと老獪な欧州の報われない邂逅を人間ドラマとして紡ぎあげ、巨匠の転換点となった記念碑的名作。


 ファウラア(中年英国人ジャーナリスト)の目を通して冒頭で水死したアメリカ人:パイルの生前の様子が語られていくのだけれど、無邪気で正義感でいっぱいで、でも無神経でややもすると独善的な彼はアメリカ人というひとくくりにするより、若さというものの象徴のよう。で、その自分(たち)がやってることが正しいと信じて疑わないパイルをファウラアは眩しく苦々しい思いで見つめている。それをアメリカとイギリスのメタファーみたいにとらえることもできるけど、もっと単純に<若いって傍若無人だよな~>と思って読んでいた。もう私はパイルのような無邪気さには戻れない(寂)。

 余談だけど、ファウラアの一人称が「おれ」となっていて、主語が省略できるような文脈でも「オレオレ」と目立つのがちと違和感。「わたし」のほうがしっくりきそうな陰険な(笑)人物像だっただけに。ついでに女性が「~ですわ」とか年寄りが「~じゃよ」という語尾で統一されてるのも読んでてちとイラっとしてしまった。ま、古い翻訳(昭和53年)やからしゃあないか。文庫本は20年もしたらボロボロになってしまうけれど、単行本はさすがに強いな~と妙なことに感心したりして。
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by tigersandcatlover | 2012-03-02 21:38 | 読書


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


by tigersandcatlover

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