Hamlet (2016.1に追記)

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 さて弾丸ロンドン旅行の大トリ&きっかけはベネディクト・カンバーバッチさんが演ずるハムレット。このチケットは昨年の6月に販売開始と同時に購入したんだった。一年以上前だよ! それもわざわざ先行で購入できるBarbicanの会員にまでなったという気合いの入れよう。彼の熱狂的ファンというわけではないのだが、テレビドラマで観る彼と、NTライブ(フランケンシュタイン)で観た彼の「異形感」みたいなものをこの目で確かめたくて。って言い訳がましいか。単にミーハー魂炸裂ってだけですわね。

 劇場は前日も訪れたBarbican Hall の真向かいのTheatre。これが面白い構造で各列にドアがあってそこから劇場に入って行く。座席は背もたれが低いもののクッションがよくてゆったりで、妙にリラックスして観劇できてしまい、途中ちょっと正直睡魔が・・・(汗)。幕のかわりに殻のような構造の壁が上下に開いて舞台が顔を出すというのもユニーク。私が選んだのは2列目だったのだけれど、きちんと傾斜がある上に1列目はやや舞台を見上げる姿勢になってしまう高さだったので、この2列目というのはベストポジションだったかも。

 舞台は20世紀前半〜半ばくらいの舞台設定の感じ(オフィーリアが今で言うとアンティークなカメラで写真を撮ったりしていたり、フォーティンブラス率いる軍隊の制服の感じから)。舞台が始まるとまずハムレットが父の死を嘆いているところにホーレシオがやってくるというシーンから始まるのがシェイクスピアの原作とは違うけれども、あとはほぼ原作通りのプロットになっていたかな(後日NT liveを日本語字幕付きで観てこの感想が全く的外れだったことを知り汗 ということでこの日記の最後に追記をば)。セットは城の中だけなんだけど、それをいろんな場所に見立てつつ、城の中が・世界が・登場人物たちの心が荒廃していくさまを効果的に見せていて、ああ洗練されてるなあと思った。印象的だったのが音楽の使い方。レコードとハムレット、オフィーリアとピアノ。特にピアノは彼女のエピソードに絡むほんの数シーンだけ使われるのだけれど、それがもの凄く効果的だったなあ(オフィーリアのシーンで自分の涙腺がこんなに緩むとは!)。演出は現地ではあまり評判がよくない、というのも小耳に挟んだけれど、個人的には全くそういう不満はなかった。やっぱりシェークスピアの国ということで観客の目が厳しいのだろう。

 さて、タイトルロールのカンバーバッチ・ハムレット。もう始まってすぐの結婚披露宴のシーンでじっとしているところから彼に目が行く。なんかもう異質、なんだよなあ。ふとNAのSwan Lakeでマルセロが出て来た途端の異質感を思い出した。それが舞台で光るってことなんだろう。一挙手一投足が他の役者さんからいい意味で浮いて目が離せない。あとともかくなんか可愛いのよ。興奮しても怒っても狂うふりしても可愛い。ブリキの兵隊とお城と一緒に持って帰りたかったくらいに(笑)。映像を通じての彼の姿はもちろん魅力的だけど、その上舞台でさらにオーラと生き生きとした輝きを増すという希有な役者さんなんだなあ〜〜。

 とにかく、いいもの見せてもらいました!って感じ。当時は途方もなく先と感じたチケット買った去年の自分を褒めてやりたいw ミーハー万歳!だわ。

Hamlet; Benedict Cumberbatch
Claudius; Ciaran Hinds
Gertrude; Anastasia Hille
Horatio; Leo Bill
Ophelia; Siân Brooke
Laertes; Kobna Holdbrook-Smith
Polonius; Jim Norton
Fortinbras; Sergo Vares
 



追記)2016 1月にNTliveを観て

 後日NTliveを日本語字幕付きで観た。一緒に観た友人がストレートプレイ好きでハムレットの原作にも明るかったので教えてもらえたのだが、ほとんどすべてのシーンにおいてスクリプトがバラバラに構築し直されてるとのこと。ひえ〜、全然気付かなかったよ。いかに自分が大筋としてしか物語を把握してなかったかってことよね(汗)。そして逆に原作と違うな〜と思った冒頭部分がスクリプト通りだったということ。つまり、冒頭のハムレットが部屋で音楽を聴いているところに Who's there?から始まってホーレシオが部屋に入ってくるシーンの台詞は、実は見張りのフランシスコとバナードの台詞をハムレットの言わせている、つまりはスクリプトは全く変えずに読み替えている、というものだったことを知ったのだった(このあたりはパンフレットに掲載されている松岡和子さんの解説から)。一事が万事でそんな感じに読み替え、省略、順序の入れ替え、が全編通じで散りばめられていたことをやっと理解した・・・。

 いやはや。別に観劇の仕方に優劣や正解はないにしても、やはりこういったことがわかるとわからないでは面白さもかわってくるなあ。いや、違うな。ハムレットを観るのが初めての人も、数えきれないほど観て目が肥えた人も、びっくりすることができる舞台だったんだろう。
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by tigersandcatlover | 2015-09-27 22:46 | 15/NY・VIE・London・DRS


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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