カテゴリ:歌舞伎・文楽( 68 )

平成中村座、ふたたび。

 大阪城は西の丸庭園に小屋を建てての平成中村座公演。10月の昼の部に引き続き、11月は夜の部へ行ってまいりました。いそいそ。

 この日の演目は夏祭浪花鑑。いかにも大阪らしい演目であります。演出は串田和美氏。

   団七九郎兵衛 中村 勘三郎
   一寸徳兵衛  中村 橋之助
   徳兵衛女房お辰 役人左膳  中村 勘太郎
   玉島磯之丞   中村 七之助
   傾城琴浦  坂東 新悟
   三婦女房おつぎ  中村 歌女之丞
   三河屋義平次  笹野 高史
   大鳥佐賀右衛門  片岡 亀蔵
   釣舟三婦  坂東 彌十郎
   団七女房お梶  中村 扇雀


 小屋に入ると幕はすでに開いていて、なにやら現代劇の舞台のよう。開演予定の15分くらいになったところで花道の太鼓にお囃子が賑やかになりだして俄然祭り気分のように盛り上がる。そうこうしているうちにぞろぞろと入場してくるお客さんに混じって役者さんたちが入ってきた。と思うと勘三郎さん演じる団七が喧嘩を始めて物語が始まっていく。じつに曖昧な開演(笑)。でもあっという間に舞台に入ってしまう。

 通常、歌舞伎だと三段目の鳥居前から突然物語が始まるのだけれど、面白かったのが一段目のお鯛茶屋の下りをあっさりとではあるが、冒頭で見せてくれること。これがあることで徳兵衛の役割がぐっと大きくなる気がする。それが八段目の田島町団七内に効いて来るんだよなあ~。

 他にも笹野高史さん演じる義平次がもうそのもの!で凄かったり、テンポの速さや照明のユニークさが印象的だったりと書き出すと切りがないが、11月公演も始まったばかりなのでネタバレせんようにこのへんで。決して楽観できるような状況の幕切れではないのに、団七と徳兵衛が夜の大阪城に向かって飛び立つ姿が、なにやら救いがあってスカッとさせてくれるから不思議。後味がいい、と言いましょうか。

 最後はスタンディングオべーションの中、何度もカーテンコール。時間と場所の勝ちってのもあるけれど、それを差し引いても本当にブラヴォーな舞台でした。

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よくぞ、この場所で!と思わずにいられない。 
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by tigersandcatlover | 2010-11-08 07:39 | 歌舞伎・文楽

平成中村座でござる!

e0164774_225345.jpg 大阪城は西の丸庭園に江戸時代さながらの芝居小屋を建てての平成中村座がやってきた。前回の来阪から8年ぶりになるらしい。それだけでもいかなあかん、と意気込むというもんなのに、10月11月の二ヶ月間の公演で途中演目が変わるというニクイ趣向。ああ、リピートしてしまうやんか。全くもって悩ましい(笑)

 10月連休の最終日。地下鉄谷町4丁目の駅から地上に上がると外は夏のような天気で歩くとじっとり汗ばんでくるほど。そんな中、着物やおしゃれ着で歩いている人たちの波についていくと目指す大阪城にたどり着く。公園に入った途端さっそくに中村座ののぼりが。城内になると役者さんののぼりが誘うように道々を彩っている。俄然気分もアガってくるというもの。


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芝生の向こうに小屋が見えてきた。
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敷地に入ると左手にお弁当やおみやげを販売する場所があって右手が芝居小屋だ。入ると中で靴を脱ぐという昔ながらのスタイル。
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 3年前にこんぴら歌舞伎を観にいったことがある。さすがにそこまでの器とは行かないが(ちょっとテーマパークみたいだな、と思った)、十分にその屋外と近い感じがわくわく感を増幅させてくれる。屋根がテントなので舞台の途中で飛行機やヘリコプターの音が聴こえたりもするけれど、それもまた良し(笑)。

 中村座特製の白がまぶしい幕。
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 さて、演目。

一、一谷嫩軍記
   熊谷陣屋

             熊谷直実  中村 橋之助
             源義経  中村 獅 童
             藤の方  坂東 新 悟
             堤軍次  中村 萬太郎
             弥陀六  坂東 彌十郎
              相模  中村 扇 雀


 熊谷陣屋は何度か観ていて、かなり好きな演目だ。わかっていても熊谷夫婦の悲しみのシーンで泣ける。この日は橋之助さんの登場~相模を見つけて立ち止まるシーンからじーんと来てしまった。ところで、この演目は幕が引かれたあとも花道で熊谷が引き込むまで間があるのだが、幕の中に設けられた席(桜席の上手側)ではそれが見えなくなってしまうことに。どうするのかな、と思っていたが、さすがに演出を変えることはせえへんかったか。

二、新歌舞伎十八番の内
  紅葉狩

     更科姫実は戸隠山の鬼女  中村 勘太郎
              山神  中村 鶴 松
             平維茂  中村 獅 童


 これはもう演出勝ち。この特設会場の特性を生かしてのエンディングに思わずため息が。


三、恋飛脚大和往来
  封印切

           亀屋忠兵衛  中村 勘三郎
         丹波屋八右衛門  坂東 彌十郎
            傾城梅川  中村 七之助
          槌屋治右衛門  中村 橋之助
          井筒屋おえん  中村 扇 雀


 お待ちかねの勘三郎さん登場。ちょっと声がかすれてしんどそうだった。が、やはり見事でありました。でもやっぱり彼には江戸っ子風情な役が似合うかもな~とか思いつつ。 以前、松竹座でこの演目を観たときは橋之助さんが八右衛門を演っていたので、治右衛門が登場したときに一瞬あれ?と混乱してしまった。
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 舞台の丁度正面にある大阪城。行きと帰りとでは幾分印象が変わった気がする。

 やー。ホンマにこの場所での歌舞伎とは、まさに「夢だ、ぁ夢であったなぁ」。
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by tigersandcatlover | 2010-10-13 07:38 | 歌舞伎・文楽

義経千本桜

 京都南座での九月大歌舞伎 通し狂言 義経千本桜 を観てきた。海老蔵さんが今年6月にロンドンとローマで忠信・知盛・権太の三役演じたこの演目。今回はその凱旋公演ということらしい。

 そんな話題性というだけでなく、義経千本桜はそれ自体結構好きな演目だ。と言っても通しで観たことはなく、鳥居前・道行初音旅・川連法眼館と蔵王堂をバラバラにしか知らない。本当は昼の部も観たいのは山々だったが日程的にどちらかということになると、やはり宙乗りの見せ場がある川連法眼館は外せない、ということで夜の部を選んだ。

四幕目 木の実 小金吾討死

五幕目 すし屋


 いがみの権太  海老蔵
 弥助実は三位中将維盛  門之助
  梶原平三景時  男女蔵
       お里  梅 枝
      主馬小金吾  薪 車
       小せん  吉 弥
     鮓屋弥左衛門  市 蔵
        おくら  右之助
      若葉の内侍  友右衛門


大 詰 川連法眼館 市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候

  佐藤忠信/源九郎狐  海老蔵
        源義経  翫 雀
       亀井六郎  亀三郎
       駿河次郎  亀 寿
         飛鳥  竹三郎
       川連法眼  家 橘
        静御前  玉三郎

    猿之助四十八撰の内 蔵王堂

       佐藤忠信  海老蔵
        源義経  翫 雀
       亀井六郎  亀三郎
       駿河次郎  亀 寿
        静御前  壱太郎
      武蔵坊弁慶  権十郎
 横川覚範実は能登守教経 我 當
 

 やー、やっぱ四の五の言うても、海老蔵さんは華があって絵になるねえ。江戸っ子風情のいがみの権太がいなせでかっこいいなんて思えるとは!狐忠信も当初はちょっとイメージとは違うなあ~とは思ったけれど、ちゃんと切なくかわいかった(笑)。宙乗りであそこまで全身使って喜ぶって凄い。

 惜しむらくは玉三郎さんがちょっぴりしか観れなかったことかなー。まま、贅沢は言うまい。

 この日はなんと最前列。松竹座では何度かあるが南座では初めて。ちょっと舞台が高いためか足元が見えにくいという難点があるものの、さすがの大迫力でありました。この日は暑かったせいか、皆さん汗だくでの大熱演。滴る汗の粒までも見える席で存分に堪能いたしました。
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by tigersandcatlover | 2010-09-12 09:56 | 歌舞伎・文楽

初文楽!

e0164774_9145086.jpg ここ数年、歌舞伎に片足嵌っているが、その演目の元となっていることが多々ある人形浄瑠璃は未体験だった私。それがちょっと縁あって初めて国立文楽劇場に足を運ぶことになった。演目は歌舞伎では何度も観ている夏祭浪花鑑。なんにせよ、初めてのものというのは少しの緊張とたくさんのワクワクがあるねえ。

 まず驚いたのが舞台の大きさ>ってそこ??。いや、不見識ゆえに、勝手にこじんまりした舞台を想像していたのだった。劇場の大きさも花道がないだけでほとんど歌舞伎と変わらない。違うのは義太夫と三味線の場所が舞台上手にどどんと立派にあること。語りと三味線が交代するたびに、黒子さんが「とざい、と~ざ~い~」の声とともに呼び出し(?)したり、そのたび拍手で迎えるのが新鮮。

 そしてもちろん人形。顔の表情は団七の眉が動くだけなのになんと表情豊かなんだろう!

夏祭浪花鑑 

住吉鳥居前の段  内本町道具屋の段  釣船三婦内の段  長町裏の段  田島町団七内の段
 

  内本町道具屋と田島町団七内の段は歌舞伎では省略されることが多いので、私自身は初めて観ることになったのだが、これがあるとないとでは物語が全然変わってくる気がした。これまで歌舞伎では唐突に思えた部分がすとんすとんと気持ちよく納得できた。徳兵衛の役割があとで効いて来るところとか、義平次の小賢しさとか哀しさとか、磯之丞の色男ぶりと情けなさとか。長町裏の段で終わって「ああ、このあと団七はどうなってしまうんやろ」という部分も見せてもらえたし(やはりどうなってしまうのかという問題は残るにしても)。

 あとはやっぱり太夫さんやな~。交代はするものの一人での語りということを忘れて舞台に入り込んでしまった。さすがに長町裏の段は義平次と団七はわけて語ってはりましたが。その団七役の竹本千歳大夫さんが、も~う表情豊かで目が離せなかった。邪道とは思いつつも人形そっちのけで彼をちらちらと見てしまったくらい。

 少々腰が痛くなりつつもあっという間の4時間(休憩入れて)でありました。

 近松の「曽根崎心中」とか「女殺油地獄」とか、好きなんだけれど歌舞伎だと生々しくて胸が苦しくなってしまうような演目も文楽で観てみたいかもな、と思った。これ以上手を広げるのは危険やな~とは思いつつも。
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by tigersandcatlover | 2010-07-29 08:22 | 歌舞伎・文楽

七月歌舞伎 in 松竹座

弾丸上京の日記書いてたら随分後回しになってしまった観劇日記です。

きっぱりと晴れた夏らしい休日に歌舞伎観劇。

仁左衛門さんがあまり観れなかったり、
歌舞伎というより時代劇みたいな演目がやや微妙だったりはしたものの、
席がすばらしくよかったので(最前列!)
役者さんの細かい表情も息遣いもわかって素直に楽しかった。
惜しむらくは第二の演目で振舞われた手ぬぐいをゲットし損ねたこと!
(>って、それ?w)。

つい習慣でイヤホンガイドを借りてしまったけれど、
よく考えたら双蝶々曲輪日記は何度も観ていたし、
二と三はわかりにくさゼロだし(爆)、
今日はいらんかったねえ、と言い合いながら。
実際、ほとんど耳から外してしまっていたし。
当たり前だけど、そのぶんぐんと舞台の音が迫ってきた。

終演後は法善寺横丁で遅い晩御飯。
タイムスリップしたみたいな浪花の夜模様でありました。

一、双蝶々曲輪日記  井筒屋 米屋 難波裏 引窓

    南与兵衛後に南方十次兵衛  
      仁左衛門、藤屋都後に女房お早  孝太郎
      濡髪長五郎  染五郎
      山崎屋与五郎  愛之助
      藤屋吾妻  春 猿
      三原伝造  段治郎
      平岡丹平  猿 弥
      おせき  吉 弥
      母お幸  竹三郎
      放駒長吉  翫 雀

関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)道頓堀芝居前  
   
      幹部俳優出演

三、竜馬がゆく 風雲篇

      坂本竜馬  染五郎
      武市半平太  愛之助
      西郷吉之助  猿 弥
      寺田屋お登勢  吉 弥
      おりょう  孝太郎

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by tigersandcatlover | 2010-07-23 07:37 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その3~新橋演舞場五月花形歌舞伎

 もうええ加減にせいや、と思われる節もございましょう。別の観劇予定(Dreamgirls)と絡めて上京するついでに欲張ってこちらも足を運んでみた。

一、一谷嫩軍記  熊谷陣屋(くまがいじんや)  
 熊谷直実;染五郎、源義経 ;海老蔵、相模;七之助、藤の方;松也、
 梶原平次景高;錦吾、堤軍次;亀三郎、白毫弥陀六;歌六

 何度か観た演目なれど、いつも泣ける熊谷陣屋。染五郎さんなんだよね?とちと意外な気持ちで熊谷に魅入ってしまった。

二、うかれ坊主(うかれぼうず) 
 願人坊主;松緑

 お弁当のあとって少し眠くなってしまうことが正直多いのだけれど、松緑さんが一人で踊るだけのこのシンプルな演目で、全く眠くならず。我ながらちょっと意外だったな~。

三、歌舞伎十八番の内  助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)  三浦屋格子先より   水入りまで            
 花川戸助六;海老蔵、三浦屋揚巻;福助、白酒売新兵衛;染五郎、
 くわんぺら門兵衛;松緑、三浦屋白玉;七之助、福山かつぎ;亀三郎、
 朝顔仙平;亀寿 、番頭新造白菊;歌江、通人里暁;猿弥、
 国侍利金太;市蔵、遣手お辰;右之助、三浦屋女房;友右衛門、
 髭の意休;歌六、曽我満江;秀太郎、口上;左團次

 珍しく水入りまで観れるということで、この公演を観ることにしたってえくらいのお待ちかねの助六。口上から入るというのがいかにも江戸歌舞伎らしい。成田屋さんが助六を演じるときの専売特許(?)とも言える河東節も初めて聴くのでわくわく。どうしても昨年の南座顔見世での仁左衛門さん助六・玉三郎さん揚巻という独断的には最強ペアを観てしまったのでつい比べてしまうけれど、やはりそれはそれ。楽しい時間でありました。個人的には染五郎さんの熊谷とのギャップにニンマリ。

 発売から時間たって購入したのでかなり後ろの席だったのだけれど、隣が大向こうさんだったので、幕間にいろいろ教えてもらえて面白かった。これもまた歌舞伎観劇の醍醐味なり。
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by tigersandcatlover | 2010-05-26 08:32 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その2~御園座 五月花形歌舞伎

 てことで、忘れないうちにどんどん行きます。

 雨の水曜日の午後、亀治郎さんの蜘蛛の精みたさに行ったといっても過言ではない、名古屋御園座。

一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序 幕 住吉鳥居前の場  二幕目 難波三婦内の場  大 詰 長町裏の場
 
  団七九郎兵衛;愛之助、徳兵衛女房お辰;亀治郎、一寸徳兵衛;亀鶴、
  玉島磯之丞;薪車、 傾城琴浦;宗之助、三婦女房おつぎ;吉弥、
  団七女房お梶;門之助、釣舟三婦;翫雀

 二度目の夏祭り~。一度目はこんぴら歌舞伎で海老蔵さんが団七とお辰の二役をするという珍しい趣向だったのだが(さすがにお辰がニューハーフみたいに見えちゃったけど>笑)、あの金丸座での泥に水だから凄いというほかなかった。で、今回。

 ともかく愛之助さんがものすごくはまり役。二枚目で強いだけじゃなくて、でもどこか不運やかっこ悪さがある役がここまで似合うのってニクイよねえ。亀治郎さんはこのお辰でもやっぱり笑いをとっていてこれまた別の意味で凄かった。ここで笑うか?というところでも劇場のあちこちでくすくす笑いが。

二、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)  市川亀治郎六変化相勤め申し候
 童熨斗丸・薬売り彦作・番頭新造八重里・座頭亀市・傾城薄雲実は女郎蜘蛛の精;亀治郎、
 平井左衛門尉保昌;愛之助、坂田主馬之丞金時;亀鶴、卜部勘解由季武;種太郎、
 碓井靭負之丞貞光;男女蔵、 源頼光朝臣;門之助

 実はこの演目、去年の二月に松竹座で一度観ている(リンクはそのときの拙日記)。なので今回は亀治郎さんの早代わりをしっかりだまされないように(?)見た。いやー、でもネタがわかってもやっぱり早くてかわいくて妖しい。松竹座ではカーテンコールがあったが、今回はなし。あったらもちろんうれしいが、ないのも歌舞伎らしくていい(どっちやねん)。
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by tigersandcatlover | 2010-05-25 21:32 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎観劇強化週間その1~團菊祭

 別にそうと狙ったわけではないが、歌舞伎観劇強化週間となってしまった5月のある週末から週末。まずは大阪松竹座;團菊祭 昼の部。

 歌舞伎座の改築に伴って、今回初めて関西で開催される團菊祭。ありがたいことです。ロビーには関東からのお客さんもたくさん来ておられた様子。

演目・出演者は以下の通り。

一、摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)  合邦庵室の場
  玉手御前;菊之助、俊徳丸;時蔵 、浅香姫;梅枝、
   奴入平;團蔵、母おとく;東蔵 、合邦道心;三津五郎

 途中どうなるねんこれ?というくらいの玉手御前の憎憎しさ。そのぶん最後の告白で涙涙。元は人形浄瑠璃だというのが本当によくわかる動き。

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)           
  武蔵坊弁慶;團十郎、富樫左衛門;菊五郎 、
  亀井六郎;家橘、片岡八郎;権十郎、駿河次郎;高麗蔵、常陸坊海尊;秀調、
  源義経;藤十郎

 ほとんど関西でしか歌舞伎を観たことがない私。恥ずかしながら生團十郎さんは初めてでうれしい。ただ勧進帳自体はむちゃくちゃ心惹かれる演目ではないので(様式美は素晴らしいと思うものの)、ちょっとぼやーと観てしまったかも。

三、天衣紛上野初花  河内山(こうちやま)
  河内山宗俊;三津五郎 、松江出雲守;錦之助、宮崎数馬;巳之助、
  腰元浪路;右近、北村大膳;團蔵、高木小左衛門;東蔵

 数年前に南座顔見世で仁左衛門さんの河内山を観たのでつい比べてしまう。いかんいかん、邪念なり。三津五郎さんのほうが、高僧と間違われても納得、かも。

 ずいぶんあっさりとした感想になってしまった。やはり観劇日記は早く書かないといけませんな。
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by tigersandcatlover | 2010-05-25 08:47 | 歌舞伎・文楽

三月花形歌舞伎~骨寄せの岩藤

e0164774_10504391.jpg 中日劇場での観劇後そのまま名古屋に一泊して、翌日は京都南座で上演中(3月27日まで)の三月花形歌舞伎へ。遠征~移動~連荘、と自分で書いてて呆れるわ・・・。

 さて、他の舞台と違って歌舞伎の場合は、昼と夜とで上演する演目が異なることが多い。そのため、普段は昼夜どちらの公演を観るか悩むことになるのだが、今回はまさに即決。絶対夜の部!とばかりに、通し狂言 加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)へ、いざ、ぁ、いざ~~(←歌舞伎口調)。

 というのも、猿之助十八番に数えられるこの狂言、大好きな(ええ、もうそう言っちゃいますよ!)亀治郎さん七役早替りの出ずっぱり。

 まずは美しい御台梅の方で美しく登場したかと思うと、お殿様である多賀大領に。そうかと思うと奴伊達平で大立ち回りし、悪役;望月弾正で不敵に高笑い。鳥居又助でコミカルだったりほろりとさせたりの一方、きりっと長谷部帯刀で登場。そしてそして圧巻はやっぱり怪しく憎憎しく、けれど何故かかわいらしく見えてしまう岩藤の霊。「花の山の場」では、この岩藤の霊が傘を片手に足をパタパタとさせながら蝶と共にふわふわと宙を行く趣向の宙乗りなのだけれど、これがもうなんとも怪しくてかわいい。そうかと思うと、祟るシーンでは歯をむき出して怨霊そのもの。なのに、ちらと見せるいじわるそうなコミカルな表情に観客がどっと受ける。そして、身のこなしの軽快なことよ!もうこれは亀治郎さんならではの芸やわあ~~。正直、N○K大河ドラマの演技では全然惹かれなかったのに、もうラヴです、ラヴ。

 その他の配役は以下のとおり(敬称略)。

安田隼人;獅童、二代目中老尾上;笑三郎 、花房求女;松也、又助妹おつゆ;壱太郎、谷沢数馬/花園姫;宗之助、蟹江主税;亀鶴 、蟹江一角;男女蔵、お柳の方;翫雀

 この日は特別席(一階桟敷席)で観劇。靴脱いでリラックスして、幕間には席でのんびりお弁当食べて。至福・至福の一夜だったことよのう~(またも歌舞伎口調)。
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by tigersandcatlover | 2010-03-16 22:28 | 歌舞伎・文楽

寿新春大歌舞伎~仮名手本忠臣蔵

 恒例の松竹座での寿新春大歌舞伎へ今年も行って参りました。

 去年のこの新春歌舞伎は昼・夜観にいったのだけれど今年は予定が詰まっていて夜の部のみ。本当はせっかくの通し狂言だし、昼夜通しで観なくてはいけないようなプレッシャーと、配役も上方歌舞伎でお馴染みのかたばかり(悪く言えばちと見慣れすぎ?)ってのもあって、当初はパスしようかな~と思っていたんだった。けれどやっぱり行くことにしちゃったのは、ズバリ『七段目』が観たかったから!ええ、討ち入りの段じゃなくて?と訊かれそう。実は2008年の秋に桂米團治さんの『七段目』(リンクはそのときの日記)を観てから、今なら別の目で楽しめるやろうなあと思って、上演されるのを待っていた演目だったのだ。すんません、順当な見方じゃありませんわね。

 さて、演目というか、以下の通りの段と配役(ちなみに九段目は今回は上演されず)。
 
七段目  祇園一力茶屋の場

大星由良之助;藤十郎、寺岡平右衛門;翫雀、
千崎弥五郎;薪車 、大星力弥;壱太郎、遊女おかる;秀太郎

 通し狂言なのでどれがどうと言うのも変だけど、時間的にも面白さ的にもこの七段目が特筆していた。笑ってドキドキしてヒヤヒヤして泣ける。秀太郎さん、時折痰の絡んだ席をしてはって、心配になったけど台詞では一切それを感じさせず。凄い!

八段目  道行旅路の嫁入

戸無瀬;藤十郎 、小浪;扇雀、奴可内;翫雀

 継母と娘の嫁入りのための道行の踊り。お弁当のあとだったので、ちょっと意識消失。

十段目  天川屋義平内の場

天川屋義平;我當、女房おその;吉弥、
千崎弥五郎;薪車、大星由良之助;藤十郎

 松嶋屋さんらしい我當さんのカッコよさ。『天川義平は男でござる~~』がぴったり決まって大拍手。余談だけど薪車さんがすぐ弥五郎だとわかってしまうので、義平の息子を斬ろうとしててもドキドキできなくて困った。

十一段目 師直館表門討入の場・同 広間の場・同 柴部屋本懐焼香の場

大星由良之助;藤十郎、大星力弥;壱太郎、
千崎弥五郎;薪車、寺岡平右衛門;翫雀
 
 ほんの20分ほどの演目なのに二回の場面展開。でも主たる登場人物すべてに見せ場があって大円団。焼香の匂いまでもが届くくらいの席だったので、妙にそのシーンでじんわり来てしまった。視覚聴覚はもちろんだけど、匂いってダイレクトに心に来る気がする・・・。

 以前も書いたけど、やっぱり通し狂言はどっぷり嵌れていいねえ。そして僭越なれどあっぱれ、と思ったのが、藤十郎さんの出ずっぱりなこと。ちなみに昼の部も全段出演していた。ひえー。
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by tigersandcatlover | 2010-01-23 08:28 | 歌舞伎・文楽


舞台と音楽と本と、ときどき旅行。


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